2004年4月発売のインディーズCDで、たぶんファーストアルバム。福岡発のアコースティック・デュオで、既に10年めのベテランになりつつあるが、実を言うとこのユニットのことは全く知らなかった。改めてアルバムを聴くと、とてもインディーズとは思えないクオリティの高さで、アコースティックギター中心のサウンドなのに、音の”厚さ”を感じる。
このユニットの歌を知ったのは、JR九州のWebサイトで、長崎本線の「特急かもめ」、大村線を走る「シーサイドライナー」のムービーに「憧憬」が使われたのがきっかけ。このムービーは車内の親子連れやホームからカメラに手を振ってくれた女子学生や、車窓いっぱいに広がる夕景を撮影するカップルなど、のんびりとした、そしてとても優しいカットがいっぱいの素晴らしい動画で、そこにケイタクの優しく切ない曲が合わさると、故郷でもないのに懐かしい気持ちで涙が出そうになった。
もう1曲「振り返らず」も同じJR九州の動画に使われていて、卒業と田舎を出て行くのであろう彼女を見送る彼の気持ちを歌ったバラードが素晴らしい。
途中でJR九州は同じ動画のBGMを別のアーティストに差し替えてしまったが、今でもケイタクの2曲がハマっていたと思っている。現在このアルバムは完売しているらしく、YouTube等で検索するしか曲を聴く手立てがないかもしれない。是非メジャーレーベルで再発して多くの人に聴いてもらいたい。