Afternoon Avenue 25 (by hide_boo)

Perfumeと乃木坂46、IZ*ONEなどのアイドルやクルマやバイク、好きなものついて、だらだら綴ります。

あいのうた / 日本テレビ

2013-11-02 16:43:10 | Weblog

2005年10月から放映された菅野美穂、玉置浩二主演のテレビドラマ。たまたまネットで玉置浩二の「田園」⇒ドラマ「コーチ」⇒玉置主演ドラマ⇒「あいのうた」とつながり、古いDVDレコーダー(ハードディスクはついてない!!)でエアチェックした中にこのドラマを録画していたことを思い出して、見直してみた。

 

このドラマは、まあそんなことは無いだろうなとリアリティには欠けると思うが、大人の寓話として見れば秀逸な作品だと思う。母子家庭でほとんど育児放棄に近い環境で育てられた主人公:松田洋子(菅野美穂)が、自殺を試みて死ねずにたまたま通りかかった小料理屋で玉置浩二演ずる片岡優二(元敏腕刑事いまは警務課)と巡り合い、妻と死別し3人の子供を育てていた片岡家に居候し、その生活の中で「幸福」を取り戻していく、といったストーリー。

 

登場人物も1クール10話もあるのに、ほとんどゲストは無く、画像のキャストだけで、片岡家、警察署、ファミレス、小料理屋、病院の診察室という極めて限定されたシチュエーションで物語が進んでいく。いわば主要人物一人一人の細かい心境の変化を緻密に演出しようとしているようだ。

 

物語後半は片岡の病気、家族の絆がテーマになるが、一番のヤマは前半の第1話から第3話。洋子は記憶喪失を装って、”新しい自分”になろうとし、成り行きで片岡の家に居候することとなる。人生を諦め、何もかも捨てていたはずが、3人の子供たちや片岡との生活で徐々に変わっていく。そして第3話で子供たちの弁当作りに挑戦し、作っては残され、作っては残されを繰り返し、とうとう子供たちは完食し空っぽの弁当箱で箸が転がる音を聴いて、洋子の心の殻が破れていく。

 

気持ちが抑えきれなくなって、外に飛び出した洋子に片岡が追いつき、「よくやった」と褒めて、くしゃくしゃに洋子の頭をなでるシーンとなるのだが、ここでの菅野美穂の演技がすごい。洋子の頑なな気持ちがおそらく初めて他者から褒められて、氷解していく様子を見事に演じている。話は分かっているのにこの場面で何度見ても、涙腺が緩んでしまうのだ。

 

片岡の敏腕刑事ぶりがあまり描かれていなかったり、洋子の理解者というより支援者になる和久井映見のキャラクターや立ち位置がちょっと不自然というか違和感があったりして、、ストーリーを絞り込んだ副作用というか、つっこみどころはたくさんあると思うのだが、一度観てほしいドラマ。

 

東京バンドワゴンや歌番組で弾けまくっている玉置浩二だが、このドラマでは抑えの利いた良い演技をしていると思う。そして菅野美穂は天才だ。そして8年前のドラマなのに、成宮くんは相棒に出演している風貌とほとんど変わらない!!これもすごいわ。


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