Afternoon Avenue 25 (by hide_boo)

Perfumeと乃木坂46、IZ*ONEなどのアイドルやクルマやバイク、好きなものついて、だらだら綴ります。

ALLERGY / 宮里久美

2013-08-18 08:28:05 | Weblog

1986年に発売された宮里久美の2枚目のアルバム。宮里久美はオリジナルビデオアニメーションの声優・主題歌歌手としてデビューし、アニメファンの間では知られているものの、世間一般にはあまり露出できなかったように思われる。少し鼻にかかった色っぽいボーカルは、それを生かすキラーチューンに巡り合えていれば、十分アイドル歌手としてブレイクできる力量は持っていたんではなかろうか、と思える歌唱力がある。

 

このアルバムは作詞家・松井五郎(安全地帯や工藤静香、BOOWYに作品提供、共作をしている方)がコンセプトプロデュースを行っていて、アニメの主題歌以外(主題歌も松井五郎作詞)は歌詞の上で共通の世界観を持たせることに成功している。その世界というのは、私が書くと顔が赤くなってしまうが、十代の女の子の純粋な恋心や、あるいは大人への憧れを恋愛小説の一場面のような歌詞で綴っているという感じ。特にすきなのが「デニムの古着」。作曲は山川恵美子で、歌詞にマッチした優しくせつないメロディーが秀逸。作曲陣はこの他に、芹澤廣明、中崎英也、鈴木キサブローと80年代中盤のヒット作家をズラリとならべていて、力の入れ具合は半端ないことを伺わせている。

 

アニメ主題歌となった「秘密ください」「ロンリーサンセット」も完全に浮いてしまっているわけではなく、作・編曲が主題歌・シングルとしてのキャッチーさの印象が強いだけのことで、主題歌であるということを知らなければ、アルバムの中の佳作として聴けていたはず。中森明菜ほどクールではなく、松田聖子ほどメルヘンじゃない、結構等身大の十代を描こうとした感があり、その部分にすごく魅かれたのだと思うが、結果的には大ヒットにはいたらず、次作の「UNFINISHED」が最後となり、宮里久美は引退してしまった。

 

この人がもう少し歌手活動にこだわって、継続してくれていたら、前にご紹介した山根麻衣級の素晴らしいボーカリストに化けていたのではないかと、アルバムを聴くたびに思ってしまう。もう40代になられているかもしれないが、もしアマチュアでも音楽活動を再開されていらっしゃるなら、一度生でライブを見たい。

 



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