今月、愛車マーチの12カ月点検があったので、工場から作業中の代車として、スバル・ルクラをお借りした。このクルマはダイハツ・タントエグゼのOEM車で、名前とバッチ以外はダイハツ車そのまま。元のモデルが既に生産中止になってしまったので、ルクラも昨年後半には在庫処分になったらしく、既にスバルのホームページのラインナップからは落ちている。
エンジンは660CCのNAエンジン。派生車とはいえタントと同じ背の高さで、車重もそこそこあるだろうし、以前借りたミライースよりもパワーレスだろうという先入観で乗ってみた。尚、半日、街中と少しだけ高速を走行した。
ドアを開けた印象は、とにかく広い。フロントウインドウが遠くにあり、頭上空間も大きく、振り返ると後席の足元には足が組めてまだ余裕のスペースがある。ラゲッジに当然しわ寄せがいっているが、ちょっとした買い物程度は問題ないし、後席を前にスライドさせることで、マーチ並みのスペースも作れてしまう。随分前に同じダイハツ車でCOCOAに乗ってみたときは、助手席との近さや後席足元の狭さに軽の限界を感じてしまったのだが、背が高くなり、おそらく左右幅もドアの内張りを薄くしたり、シート設計も工夫されているのだろうが、今回は幅の狭さの印象はもたなかった。
後席はふくらはぎの位置までクッションが伸びた、贅沢なシートだったが、カミさんの感想ではなんか足元が落ち着かないとのことだった。やはりヒザ裏でエッジをもたせて支えてくれた方が良いのかもしれない。とにかく車内のスペースにおいて特別不満に思うところはほとんどなかった。可能な限りエンジンベイを短くして、これだけのスペースを作りだす技術や工夫には本当に恐れ入った。
エンジンパワーは、街中時速60キロくらいまではNAでもそんなにパワー不足は感じられなかった。2500rpmも回せば、そこそこのトルクで車体を引っ張り、スピードに乗せてしまう。高速ではトールゲートから本線に入るまでの加速はさすがにマーチに比べると余裕はなかったが、すぐに70~80キロには到達するので、走行車線を走っていれば通常走行では問題なかった。これがターボモデルならおそらく1200CCあるマーチと印象は変わらなかったかもしれない。高速ではマーチ以上にロードノイズが入ってくるのが唯一気になったところ。
車内は明るめのベージュ系で広いスペースをさらに広く感じさせた。コラムATは操作が一直線上の動きで各ポジションに入るので、メーター内のシフトインディケーターを確認すれば、特に戸惑うことがなかったのは発見だった。アクセルペダルの位置も良く、スズキパレットのようなタイヤハウスと足裏が干渉するようなことはなかった。エアコンもオートだし、タコメーターもあるし、装備的にはマーチとなんら変わらない。
運転して気になったのは、見晴らしが良すぎること。頭上空間がありすぎて落ち着かないといったらいいだろうか、まあそれも慣れの問題なのだろうが、ワゴンRなどのセミハイト系がしっくりきそうだ。マーチを乗りつぶしたら、税金がさらに高くならなければ、次は軽になってしまいそうだ。アルトダーボRSやダイハツムーブ、Nスラッシュなど走りのいい軽が増殖しているので、普通車にこだわる必要はないのかもしれない。