ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

赤ちゃんがほしいものってなんでしょうか?産まれて間もないころの子育て

2013-11-17 16:20:03 | 子育てあれこれ

生まれてきた赤ちゃんはいろんな感覚はもちろんあるけれど、自分では何もできない存在です。

何もできない、世話してもらわないと死んでしまうという未熟な存在です。

一方、とっても生命力に満ち溢れた強さも感じます。3か月で体重が倍増なんて成長期は人生の最初だけのことです。

その両方、未熟性と生命力の強さ、を備えているのが赤ちゃんです。

赤ちゃんが発するメッセージも大きくて、それをつかめたらどんどん子育てに自信がついてくるでしょう。

(もちろん、最初は難しいからわからなくっても落ち込まないでね)

赤ちゃんは、何が欲しいのかな?といつも考えてます。

「いのちそのもの」ともいえる赤ちゃん・・・

全身で生きようとしてるんですよね。

親はそのいのちを支えてあげる、そういうところからですね。

そして、赤ちゃんは泣いてメッセ―ジをくれてます。

泣いて泣いて、求めてます。

何を?

抱っこすれば泣き止むでしょう?

それは、つながりと安心感が欲しいってことだと思います。

つながりと安心感、その繰り返しで育っていく存在であり、そうしてもらうことへの信頼感が欲しいんだなと思います。

おなかの中では、子宮にしっかり抱かれて安心しきっていた時期でしたね。

おなかがすいたという感覚よりも先に、たぶんお母さんが食べてくれてたと思います。

いつも同じぬくもりの中、音の刺激も光の刺激も重力の刺激も弱くなってて守られている状態。

風の刺激もありません。

健やかなお母さんのおなかにいる赤ちゃんはストレスもなく守られてる存在でした。

出産後はその環境が一変します。

だから、赤ちゃんはとっても不安なんだと思う。

生まれたての赤ちゃんのモロー反射って、小児科医は健診で必ず確認する項目ですが、

これって本当に「こわい!」って全身で表現してるようですね。

(さるの赤ちゃんはお母さんに抱っこでしがみついていますが、このなごりというか延長のようなものだとか)

この世に慣れてない赤ちゃんはこの世が怖いんだなと思います。

不安や怖さ、空腹や不快を泣くことで表現する赤ちゃん。

そして、その不快や怖さを取り除こうと一生懸命なお母さん。

どうして泣くか?と同時進行で、なんとかしてあげなきゃって動く、そこが大事なんだと思います。

赤ちゃんは不安で怖い。

だけど、必ずこの世に慣れるし、そこには泣いたら反応してくれる人の存在があるわけです。

その「動いてあげる」が大事なんですね。

抱き癖なんていわれても気にしないでください。

おっぱいをあげる、抱っこする・・・そういった赤ちゃんの「困った」「不安」を取り除く行為そのものが赤ちゃんとのつながりをどんどん強くしていきます。

そして、この世に慣れるころには(たぶんそれはあやすと笑うという頃だと思います)

お母さんへの信頼感が少しずつ出来てくるのだと思います。

このお母さんへの信頼感、周りの人への信頼感が赤ちゃんにはとても大事だと思います。

周りへの信頼感があること。

人と人の関係の始まりはそこにあるからです。

その関係を基礎に人間関係はどんどん広がっていくものだと思います。

おっぱいの安心感は絶大。

口で吸うという安心感はとても赤ちゃんにとって大きいものです。

産まれてすぐの授乳は時間や間隔を気にしないで、「確立する」ことを目指してやってみましょう。

おしゃぶりはこの時期はあまり使わないようにして、できるだけ、赤ちゃんがほしがったらあげるということをしていたらいいです。

その方が、おっぱいの確立が早くなります。

もちろん、飲めてるか心配なときは助産師さんに抱き方やふくませ方をみてもらいながら、体重増加を診てもらいながらだと安心ですね。

 

この時期の赤ちゃんには夜も昼もないと思っていませんか?

そんなことはないんです。

赤ちゃんの昼はきげんよく起きているというようなことは2か月頃まではあまりないようです。

昼は、起きていてこの世に慣れてないからこわいし機嫌が悪い、これが普通です。

だから、とってもよく泣くし、さっきあげたところなのに…という感じで30分や1時間で泣いてしまうこともあります。

飲み過ぎて吐く癖のある子でないならどんどんあげていいと思います。

よく飲めてて体重増加もよく、吐きやすい子は上半身をあげて抱っこ、ソファに浅く腰掛けて自分の胸に寝かせてあげると穏やかになると思います。

これは、飲んだもので満たされてる胃が横隔膜(肺)を圧迫しないから。

うつ伏せで(口の位置には気をつけつつ)抱っこしてあげるとゲップも出やすいです。

昼はそんな風に授乳回数が多いです。

夜には3時間くらい寝て、おなかがすくから飲む、でも、すぐに寝てまた3時間寝るというような感じですね。

これが二回あれば夜に二回授乳があり9時間寝たということになりますね。

だんだん起きないで寝続けるということが出来るようになってきます。

(続けて寝ない子もいますが)

個人差があるのですが、2か月くらいになると5~6時間寝る子もかなり出てきます。

夜ぐずって大変という場合は、昼に寝すぎてることがよくあります。

昼は明るくうるさく、夜は暗く静かに・・・環境で教える、朝は明るい部屋につれてくるなどしてみましょう。

 

子育ては生活そのもの。

自分が無理をしないことも大事。

赤ちゃんが求めてあげることも大事。

そこの折り合いを自分なりに上手につけていくと、どんどん慣れて来ると思います。

赤ちゃんの求めることを、自分がより楽な方法でかなえてあげること。

この時期は、そうやって自分なりの方法を見つけて行けるといいですね。

 

 


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