ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

今日嬉しかったこと! なるほど小買店なんだ~という話。

2012-09-25 15:40:52 | クラス日記

育児雑誌の仕事って、なんか対象がぼやけてしにくいのですよね。

そして、反応がわかりにくくてどうなのかなぁ?と思うのです。

役にたってる?それとも、役にたってない?どころか、傷つけてる?不安をかきたててる?

私自身が一人目の子育てで、知りたいのに、結局のところわからない・・・

その上、標準ばかりに目が行って「こんなに食べない・・・」と悩んだり。

不安ばかり増えて、知りたいこともわからないまま、当たり障りのないことばかりで納得には程遠い・・・

これを読んで、よかった~という人ははたしているのか??

そんな思いをぬぐえないまま、でも、お誘いがあればできる範囲で言いたいことを言わせていただいてます。

たまごクラブとかひよこクラブとかもそんなお仕事の一つで・・・部数は多いけどね。

で、ここでも、こんな記事が載りましたとかの報告はあまりせず・・・なのですが。

今日6か月健診で見えた赤ちゃんが7時半~8時に寝ますとのこと。

しっかり10時間くらい寝てました。おっぱいの赤ちゃんで数回おきるけれど、おっぱいですぐに寝る、というところもGood

いろいろなアドバイスを試してたらうまく早寝早起きできましたとのこと。

帰るときにオムツ袋に使ってたポーチに見覚えがあり、それは?ふろく?もしやさっきのアドバイスって?と聞いたら。

9月号のひよこスラブの「朝活ベビー」の特集のアドバイスだとのこと!!

あれの担当私なのよ~と嬉しくて盛り上がりました。

役に立ってるってわかるって本当に嬉しい!!

その顔が見えないから、雑誌の仕事って苦手だったんだなぁ~とつくづく思いました。

私がいいよという情報が、伝えることができて、それが実際に役にたった・安心した、という笑顔になって見えるというのが、

私の仕事での一番のやりがいであり、大事にしていることなのです。

これって「小売店」でなく「小買店」へという発想です。

「小買店」という言葉を流行らせたい!とおっしゃるのは、

坪田知己さんという先生、親子で街デビュー@和田商店街のアドバイザーの先生なのです.

どういうことなのか・・・先生のお許しを得てここで紹介させてもらいます。

9月22日の親子で街デビューの取り組みはNHKのニュースの動画も見られます。

 

 皆さんへの提案です。「小買店」という言葉を流行らせませんか?

「小買店」は、「小売店」の反対概念です。

これまでは、メーカーが作って、問屋に卸し、小売店はそこから仕入れて売る・・・という「売りさばき」スタイルで。「誰でもいい、買ってくれれば」という不特定多数相手の商売でした。その行き着く先が、スーパーやコンビニで、一番のメッセージは「価格が安い」でした。
...


「小買店」は何か? 特定のお客様がいて、その人たちの需要をしっかりつかんで、問屋に仕入れに行く商店です。

大量生産、大量販売の時代は、とにかく「売れ!」でした。アメリカ流の荒っぽい商売に陶酔していました。しかし、商店の生命はお客様との信頼関係です。

昨日、東京・杉並区の和田商店街で、洋品店「あまみや」に行って、この「小買店」に気付きました。

この店は60代以上のおばあちゃん相手の洋品店。80代で腰が曲がったおばあちゃんに、普通の服は着られません。その体型に合わせた服を、この店は用意しています。「この服はあの人に・・と思って仕入れるんです」と店主。服が主体ですが、化粧品とかお客様に合わせた商品を揃えています。まさにこの店は「小買店」です。

近くの「味の川上屋」も「小買店」です。もともとは乾物屋でしたが、鮮魚を扱い、今は豊富な惣菜が人気です。「こういうのは、あの人が買うだろうな・・・というのがかなり当たります」と店主はいいます。

小売店は売り手の代理人か、買い手の代理人か・・・ということです。

私は2009年に「2030年 メディアのかたち」という本を書いて、メディアビジネスの将来像を示しました。その原点は、これまでのメディアビジネスが、圧倒的に「情報を売る」という売り手主導の発想だったということです。インターネットの登場、その洗練化で、「必要な人に必要な情報を届ける」という「買い手主導」になると予言しました。

例えば、広告会社は売り手の代理人として利益を得てきました。これから一番大事なビジネスは、「買い手の代理人」です。

その典型的なモデルが、寂れつつある商店街の一角に生きていたというのは、衝撃でした。こういう商売を大事にしなければいけない。そういう点で、昨日の「親子で街デビュー@和田商店街」はすばらしい体験でした。
 
 

私がしているひだまりクリニックも小買店の発想だよなとなんとなくこれを読みながら思っていました。

 二回目の商店街ツアーの日に、小買店の話が出ました。

坪田先生(ちきさん)に「ひだまりクリニックだって同じ発想でしょう」と言ってもらえたのもとても嬉しかった。

そして、次の日に来てくださった方から、自分が関わった雑誌の記事が役にたったという話をきけて考えたのは、

雑誌の仕事の何となく気の進まない気持ちはこれだったんだなぁとよくわかりました。

つまり。

対面でないから、その人のニーズがどこにあるのか、何が私にできるのか、どういえばこの人は安心するのか、

全くわからない不特定多数だったから、不安でしょうがなかったんだということです。

買い手の個性がわからない不特定多数が対象だと、おのずと「安い」「便利」「効率のよさ」がメリットになるけれど、

買い手の思い、困っていることを知ってそれを何とかしようという発想が小買店ならではのものなのですね。

そして、小買店の話の最後に、品物を買うというだけでない、お得なサービスが小買店にはいっぱい。

商店のプロの話は、本当におもしろい知恵や技や商品を活かす工夫がいっぱい出てくるのだから、利用しない手はない、と。

本来の目的だけでないところにこそ、その良さはあるという話でした。

私もそうです。

健診の診察や計測だけでないところにも魅力を持ちたいと思っています。

雑誌の仕事でも役に立ったと実際にわかって、本当に嬉しかったです。

でも、やっぱり私は「小買店」の発想にこだわりたいです。

不特定多数でなく、目の前の人に何ができるか・・・そこを考えていきたいです

 

今日もひだまりクラス。

頑張ります!


公的補助による任意予防接種と医療費控除の小児医療・地域社会への影響

2012-09-22 05:23:12 | 医療情報

ちょっと硬いお話しですが・・・

今、小児科医のメーリングリストで話題です。

そして、お母さんたちに知ってほしいと思ったので・・・

今月号の日本小児科学会の記事です。以下に転載します。

 

■題名
公的補助による任意予防接種と医療費控除の小児医療,地域社会への影響
■著者
大分大学医学部地域医療・小児科分野1),同 小児科学2)
是松 聖悟1)2)  秋吉 健介2)  高野 智幸2)  関口 和人2)  岡成 和夫2)  武口 真広2)  岡本 知子2)  園田 幸司2)  加藤 里絵2)  松塚 敦子2)  半田 陽祐2)  島田 祐美2)  宮原 弘明2)  前田 美和子2)  山田 博2)  前田 知己2)  末延 聡一2)  拜郷 敦彦2)  泉 達郎2)

■キーワード
地域保健, 予防接種, 医療費控除, 出生数, 費用対効果
■要旨
 健康で元気な子どもを育む地域社会を構築するための小児医療・福祉・保健活動を評価する目的で,小児への公的補助による任意予防接種と医療費控除が,時間外・救急を含む受診動向,予防接種率,小児医療,地域経済,出生率へ与える影響を相互比較した.
 大分県竹田市は,予防接種の助成を2006年より水痘,ムンプスワクチンまで,日田市は,医療費控除を2007年に学童まで,周辺2町は中学生まで拡大させた.水痘,ムンプスが減少した竹田市に対し,日田市では麻疹,水痘が多く,また,乳幼児1人当りの小児科外来受診件数,外来医療費は竹田市の3倍を要した.軽症患児の時間外受診も1.6倍に増え,小児科医の過重就労から,時間外診療の縮小を余儀なくされた.
 この取り組みにて,竹田市では予防接種助成271万円の増額により,医療費と看病による親の生産損失額が1,301万円から217万円へ削減され,年間804万円の費用対効果が得られた.日田市が同様の取り組みをした場合,年間2,744万円の費用対効果が推定された.
 両市とも,合計特殊出生率は増加したが,医療費控除の拡大は,軽症患児の時間外受診を増加させたものの,感染症を減らすにはいたらなかった.一方,予防医学の拡充と啓発は,感染症減少,医療経済効果に繋がった.健康で元気な子どもが育つ街を作るための基盤となり,小児医療の健全化をもたらすことを証明した.

 

これは、本当に知ってほしいことだなと思います。

このような結果になるであろうことは現場の医師はそれぞれに実感として感じています。

でも、きちんと報告されたのは画期的かもしれません。

こどもの医療費が中学生まで無料になったとき。

ほとんどのお母さんがやった~と思ったことだと思います。

杉並区でも数年前にそうなり、周りのお母さんは小躍りしてたけど・・・

私は複雑な思いでした。

医療は受けやすくなったけど、予防接種は後回し。

極端な例では「予防接種はお金がかかるけど、病気になって病院にかかってもお金がかからないよね」という発言も。

家庭で払うお金はなくとも、しっかりと医療費はかかっていて、税金で支払われているだけ。

その負担は結局子どもの世代にものしかかります。

さらに厳しいことを言えば、

こどもの病気を看るという本来なら親にできること、やってきたこと、を放棄する一部の親に医療費はどんどん使われているという点です。

親自身が育たなくなる一面があります。

もちろん、一部ではあると思っています。

でも、無料だと思うと、親もかかりやすく薬もより多くもらうことになり、医師も要求のまま、またはこれも一部でしょうが、

先回りして薬をどんどん処方するということもあるのではないかと思います。

「熱あるから抗生物質」とか・・・

念のためにもらった薬がたまっている人もいないでしょうか?

そういうことが無料化されれば多くなるでしょう。

こどもの医療費無料化はわかりやすい政策で生活者には一見優しく見えます。 

でも、大分県で実際にあったように、医療費は激増、軽症患者の時間外受診が増え、これにより、救急対応の縮小となったとのことです。

対して、同じ県内の予防接種の助成に予算を使った市では、医療費も減り、看病で親が仕事を休むための損失も減り、

かかった予防接種の助成額を差し引いても大きな費用効果があったと報告しています。

どちらも子育て支援の政策で、出生率は増加したけれど、

医療費無料化の市では、感染症は減らずに医療費は増加・軽症患者の時間外受診が増え救急外来は破たん。

一方、予防接種の啓発と助成の充実を実践した市は、感染症は減少し、医療費も減り、さらには親の生活支援にもなったという結果です。

目先の医療費無料化。

本当にいいことなのか・・・

もう一度しっかり考えてみてください。

せっかくすでに実施されている医療費無料化をやめましょうというのは政治家も言い出しにくいことなのでしょう。

けれど、見えなくてもしっかりかかっている。自治体が負担しているだけなのですから。

ここは政治家を選ぶ市民がしっかり考えないといけません。


11月17日、初めての妊娠中カップル向け講座!ちょっと緊張です

2012-09-19 05:41:13 | イベント情報

久々に、ひだまりクリニックを出ての講座が続きます。ちょっと緊張・・・

その上!

私の一押し応援二団体のコラボ企画!

さらに!

小児科医の私が食い込みたい?産前産後の皆様を対象に!

さらにさらに!

今話題の産後クライシスについても先輩ママ(クライシス経験者)が激白!?

ということで・・・(前置き長い!)

「産後すぐに必要な小児科の知識から”産後クライシス”まで」が荻窪で11月17日にあります。

きずなメールプロジェクトと知ろう!小児医療 守ろう!子ども達の会の二団体のコラボです。

この団体は素晴らしい活動をしています。

というか、私が素晴らしいと思うので、積極的に関わりたいと思い、いろいろ口を出してしまっているというか

これは、いつもよりも気合が入らないわけないではないですか!

内容を記載しますね。

2012年児童虐待防止月間 都内広域協働プロジェクト「ゆる育児 キャンペーン」 杉並区開催イベント
「産後すぐに必要な小児科の知識から”産後クライシス”まで」

●内容
主に妊婦さんとそのパートナーに向け、出産後に必要になる乳児の健康・ケアの基礎知識を知りながら、産後の女性の心身や夫婦関係の変化、さらに今大きな話題となっている「産後クライシス」や、その先にある「ゆる育児」とはどんなものかについて、杉並区で子育てサロンを開く小児科・佐山圭子先生とともに考えていくイベントです。
できるだけリラックスした雰囲気でのミニ講演と質問コーナー。これから赤ちゃんが生まれるお母さんはもとよりそのパートナー、さらにすでに赤ちゃんを授かったご夫婦も(託児あり・無料)、気軽に参加してくださいね!

●日時・場所/11月17日(土) 13:00-15:00
荻窪タウンセブン8階会議室 (杉並区上荻1-9-1/JR荻窪駅に隣接しているショッピングビルの8階です) 地図

●参加費/1名 500円 ※託児は無料
●定員/50名
●講師/佐山圭子先生

 サノフィーパスツール株式会社との三者共催です

お申込みは、きすなメールプロジェクトからできます。

内容は・・・今、頭で構成中。

お伝えしたいことがいっぱいあるので時間切れにならないように、としっかり時間配分!気をつけないと。

出産について、

産まれてすぐの赤ちゃんのお世話のポイント、

おっぱいがスムーズにいかないとき、

自分が楽なお世話のしかた、授乳の姿勢とか抱っこのコツとか。

もちろん、小児科の知識もはずせません。

医療機関にかからないといけない症状(産後すぐ編)や

複雑化する一方の予防接種の知識。

そして、産後クライシス。

なぜ起こるか、どうやって乗り越えるか、難しい課題だとは思いますが、

今までよりは語られることが増えて、男性の意識も変わってきているように感じます。

ご協力をいただけるということで「男の産後手帳」も配りたいと思っています。

この手帳、とっても大事なことがギュッとつまってます。

来週、講座の打ち合わせがあります。

よりよい講座にするためにみんなで頑張ります。

が、みなさん素敵な方たちなので、お会いできるだけで楽しみなんですけどね。

お勧め講座ですよ~

って自分が話すのに大胆ですね~私も

 

 


「知っておきたい!子どもの病気とパパ・ママがおうちでできるケア」多摩小平保健所 市民講演会

2012-09-17 15:08:08 | イベント情報

去年も同じ内容でお話しました。

が、どんどん赤ちゃんは産まれるし、新米ママも増えている・・・

同じことでも丁寧にお伝えしていかなくてはと思っています。

多摩小平保健所のHPに詳細があります。

日時:24年10月31日(水) 午後1時30分~3時30分

講師:知ろう小児医療 守ろう子ども達の会代表 阿真京子さんと同会協力医の佐山圭子・私が担当します。

場所:東京都多摩小平保健所 講堂 一階

テーマは、一番リクエストがありよくする内容です。

定員70名で、私が担当することの多いいつもの講座よりも多いのです。

一人一人に届きますように。

知ることが安心につながりますように。

そう願っています。

いつも緊張してしまうのですけれど・・・。

そして、いつもあれも言えばよかったかなとか、誤解されやすいいい方だったかな?とか後になって反省ばかりですが

本当に初めての子育ては肩に力が入ってしまうものですよね。

病気ともなれば、そりゃあ心配に決まってます。

何度も書いていますが、

「心配なのはあたりまえ。心配ならば、医療機関に行けばいいのです。救急の時間帯でも。

だけど、いつまでもそのままではいやでしょう?

だから、考え方を勉強することで安心につながればいいという活動なんです。

受診を控えましょうということが先にくることはないのです。

知って安心しましょう。少しずつ自信を持ちましょう。時間がかかっても大丈夫。」

そんなことを伝えたいからやっている活動です。

 

 

 

 

 


赤ちゃんから小学生まで、幅広い年齢の子どものための医療講座

2012-09-17 15:02:12 | イベント情報

☆★パルシステム東京共催講座@東大和★☆

日時:9月27日(木)10:00~12:00

場所:東大和市 中央公民館 ホール
  アクセス西武拝島線東大和市駅から
       都営バス・西武バス(青梅車庫、イオンモールまたは東村山駅行)に乗り、
       「東大和市役所入口」バス停にて下車、徒歩3分。


講師:井桁真帆氏(小児救急看護認定看護師

定員:20名 ※パルシステム東京組合員の方は保育あり(1歳半以上)

申込先:http://www.palsystem-tokyo.coop/event/archive/005608.php
    パルシステム東京ホームページ「イベントのお知らせ」から

申込受付期間:8月27日(月)~ 9月14日(金)

主催:生活協同組合パルシステム東京 東大和A・B委員会

共催:一般社団法人 知ろう小児医療守ろう子ども達の会
 
◆赤ちゃんから小学校に通う子ども達まで、
 幅広い年齢の子どもの病気、怪我、薬の飲ませ方など、
 子どもの救急・医療への関わり方についてお話します。

お近くの方はぜひ!!