子育てと小児科医。
切っても切れない関係でしょう。
病気を全くしないで大きくなる人はいませんしね。
知ろう小児医療守ろう子どもたちの会の活動はしばしば紹介しますけれど、
その代表で、医師と患者の懸け橋になりたいと頑張ってるあまさんの日経デュアルのエッセイがお勧めです。
私がよいフィードバックを医療者は求めているということをブログにいつか書きたいなと思ってたのですが。
この文章でわかりやすいかも、と思いました。
医師と患者の関係がうまくいっているほど、医療がうまくいきます。
保育士と保護者・教師と保護者がうまくいっているほど、保育や教育がうまくいくのといっしょ。
私は、この信頼関係を一番大事にしたいといつも思っています。
でも、これは双方の関係ですから、双方の努力が必要だとも思います。
関係の最初はきちんと思いを伝えること。
だから、患者さんには、どんな気持ちで、何が疑問か、を聞いてほしいです。
医師は、それに対し、わかることは丁寧にわかってもらえるように伝えること、そして、わからないことはわからないということが必要だと思います。
若い時はわからないことを認めるのが苦手でした。
医師なんだからきちんとこたえなられなけでばならない、と思いこんでました。
でも、わからないことはわからない、わかるところまでを伝える、でいいんだとだんだんわかってきました。
そうできると、よけに安心してもらえるのだということも。
そして、時間がたたないとわからないこともあります。
エッセイの中にある「後医は名医」という言葉の通りです。
後になると、いろんな経過で症状がはっきりしたり検査結果があったりしますから。
(そういうときに、しっかたぶりをする医師は逆にあまり信頼できないなと思います)
だからこそ、患者側からのフィードバックはとても、医師を育てるのです。
なるほど、そういうことだったのか、ということもあるし、やっぱりそうだったのねということもある。
クレームみたいで言いにくいという子とは思わないでほしいと思います。
一つの情報なんです。患者さんが治ったとか治らなかったとか、そういうことは。
治ったら、そのまま医院にはいかないことも多いでしょう?
医師は、治ったのかな?それとも治らなくて、救急や他のクリニックから入院になったのか?
別の病気だったのだろうか?など、わからないままでいるよりも、実はこうだったとわかった方がずっと勉強になるんです。
だから、次に受診されたときは、以前の受診は「あのままよくなったんです」とか、
「あの後、こういう症状が出て、こうなった・・・」とか、教えていただけるといいなと思います。
まぁ、今は、私は保険診療をしてないので、具合の悪い子を診る機会もないのですが、
普通の小児科医はそんなことを考えていると思います。
よくなって受診しないときも、悪くなって受診しないときも、次に受診したときは教えてくださいねと。
そして、やはり、こうだろうと予測してた以外の経過の方が勉強になります。
なるほど~そういうこともあるんだね~と。
予測は当たることの方が、多いのですけれど、そうでない場合だってあります。
誰にでもあると思います。
だからこそ、そうでない場合の対処の仕方も聞いておく(医師側からすると伝えておく)と安心なんでしょうね。
患者さんからのフィードバックは、宝の宝庫で、医師を育てることにつながります。
そういう風に育ててもらっていることを医師側は感謝するのです。
と同時に、双方の信頼関係をますます築くことになるのです。