ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

自動車内への閉じ込めによる傷害

2018-07-29 16:26:38 | 医療情報

熱中症の緊急提言の記事の最後に車においたままでということは絶対だめと書きましたが、

閉じ込め事故は、その場を離れるつもりでなくても起きています。

小児科学会のInjury allertの中に記載があります。

これによると、子どもに鍵を持たせていて、車内から子どもがロックをかけてしまった場合とか、

何もしてないのに、誤動作でロックがかかってしまった場合とかがあるとのことです。

悪条件下では10分ほどで車内が子どもにとって致死的な環境に変わってしまうとあります。

夏場ばかりでなく、車の雪かきのときに、子どもをエンジンかけた車内においておくのも危険とのこと。

排気ガスが車内に充満して一酸化炭素中毒になるという場合もあると書いてあります。

夏のおでかけも増える時期、お気をつけください。

 

 


「熱中症に関する緊急提言」が出されました

2018-07-24 01:05:49 | 医療情報

日本救急医学会 の熱中症に関する委員会から緊急提言が出されました。

小児は、熱中症弱者とされています。

睡眠や食事や体調なども影響するので、朝食抜きや睡眠不足などにも注意しましょう。

保護者の「いつもと違う」が大事だと書かれています。

大量の汗をかいている、顔が紅潮している、おしっこが少なくて色が濃い、などの症状に要注意。

対処法も具体的にチェックシートで書かれています。

暑さ指数が高いときは・・・

おでかけは控えめに、または、比較的気温の低い早めか夕方遅く、が望ましいです。

乳幼児はいつも一緒にいて観察してあげてください。

赤ちゃんの場合は母乳かミルクでいいです。

離乳食が始まっていても、お茶になじめてない水分補給はうまくいかないという場合は、

一番慣れている母乳か哺乳ビンで。

もちろん、おうちでも冷房を使ってください。

念のためですが・・・冷房をかけているからと車に置き去りはもってのほかです。

犯罪行為にあたるのでは?とすら思います。

 

 

 

 

 

 


「子どもの心と性」の研修会に行きました

2018-07-21 10:03:55 | 安心できる居場所作り

最近、研修会が多いですが、自分自身のためにも備忘録として書いておこうと思います。

子どもの心の診療ネットワーク事業の研修会、これは一日4人のプロの話を無料で(!)聴ける

すごく貴重な機会でした。

「子どもの心と性の発達」

「発達障害と性教育」

「LGBTQと性別違和」

「性被害、性加害の心理」

の4テーマでした。

性被害というのは、決して少なくないのに(これは知識として知ってて)

そういう人には出あったことほとんどなく、見過ごしているんだろうなと思っています。

子どもへの性教育も興味はあるけれど、何をとっかかりに・・・とわが子のことになると考えてしまいます。

小児科医だけれど、性という観点からは経験は少なく、勉強になることがいっぱいありました。

 

LGBTは13日とに1人。人口の7.6%。性的マイノリティーというものの、

左利きが10%ということと比較しても、決して珍しいことではないということ。

性的な違和感は幼児期後期にはすでにあることが多いけれど、多くは伝えられないまま育つ。

外に出してはいけないと思っている場合が多く、聞かなくては把握できない。

ジェンダークリニックなどへの初診は思春期になることが多い。

小学生の性教育、権利教育の中で伝えるべきことは多いができていないのではないか。

治療者や支援者が、性に関して逃げずに対応できる必要があるが、ここが難しいとのこと。

子どもの性の「気づき」と「傷つき」に寄り添い、支えるためには、

周囲の大人たちが気持ちを受容し、安心して自己を表現できる環境を保障すること。

それにより、二分化されない(男らしくでも女らしくでもなく)自分らしい性のあり方を確立して

安定した自我をもつ大人へと成長していくことができる。

 

性虐待の割合が欧米10~20%に比べて、日本は1%、発見されていない性的虐待が多い。

特に、欧米の6歳12歳の双峰性に対して、日本では⒓~13最の単峰性で、

前思春期の被害が見過ごされている可能性がある。

性被害は重なっていくことも多い。再現性。

児童養護施設の性的問題が多く発生している。

長い歴史を持つ施設内連鎖が入所者間にあり、同性間での、

性的欲求というよりも支配被支配の関係性を持つ性的行動が多い。

性被害にあった子どもが性加害者になっている場合、加害を問題にする前に被害に向き合うべき。

被害を悲しいこととして感じていないこと、抑圧していることもあり、被害からケアしないと、

加害に向き合えない。

ケアワーカーの施設内虐待も問題になっている。

 

以上、非常にかいつまんだ話ですが・・・

被害の連鎖というのは、性虐待に関わらず他の虐待についても同じかもしれないなと思いました。

暴力は単純な連鎖ではないということも頭に入れつつ。

虐待体験がケアされないところでは、連鎖されやすい。自分の力だけでは無理なことも多い。

だから、被虐待者のケアはとても大事なんだと思う。

幼児の虐待ももちろん、DVやデートDVにも当てはまると思う。

レジリエンスのこころのケア講座でもあるように、暴力は遺伝ではなく、身近にあると学んでしまうもの。

暴力は人を支配するのにとても有効な手段だということを学んでしまうものだということと通じてます。

 

自分の性的な違和感も、性的な被害にあったことも(子どもは被害と思ってないかもしれない)、

性的な興味についても、具体的に困った性的なことや悩みについても・・・

安心して相談できる場所があるといい。

相談できる人がいるといい。

 

ディスカッションの時間に質問をしてみました。

性被害を相談されたときに、支援者がとるべき望ましい態度やこころがけることは?と。

「温かいけれど、受容的に。驚きすぎず、動じず」でした。

普通には考えにくいような被害を受ける子どもだっているし、こころの中では驚くこともあっても、だそう。

「あなたは悪くない」「あなたはおかしくない」というメッセージを送るということも大事だとのこと。

学んだこと、自分なりに消化吸収していきたいです。

とてもいい研修会でした。ありがたかったです。

そして、まだまだ学びが必要です。

居場所作りに向けて。

 

 


クラスなどなどに参加した前後に予防接種できます

2018-07-19 16:57:08 | クリニックからのお知らせ

ひだまりクリニックでは、産後の母親学級として、

ねんねクラス、はいはいクラス、あんよクラスをしています。

スペシャルイベントはさまざまなテーマで専門家をおよびして行います。

午前講座「病気のこと」「予防接種」「離乳食」「卒乳」「復職」や子育て講座「トリプルP」などもあります。

他に、予約のいらない保育士担当の「ひだまりカフェ」や助産師担当の「ワンコインday」などがあります。

人間関係について学んでいく連続講座(連続でなくても参加可)「こころのケア講座」

流産死産新生児死亡の体験者の語り合いの場「ポコズカフェ」

いろいろな方向から、いろいろな立場のお母さんをサポートしていければいいなと思っています。

クラスに私が出ているときは当然無理ですが、クラスの前後では予防接種や健診ができます。

ひだまりカフェやワンコインdayなど、私が担当していない場合は、

ちょっと抜け出して2階から1階に下りてきていただいて、予防接種や健診ができます。

予約は必要ですので、お電話またはメールでお願いします。

03-3315-0217

hidamarisalon ☆yahoo.co.jp   ☆→@

まで、お願いします。

各クラスやスペシャルイベントは予約が必要ですので、イベントカレンダーからお申込みください。

予防接種ご希望の場合は、そのときにコメント欄から詳細をお書きください。

よろしくお願いいたします。

 

 


「子どもの心」研修会に行ってきました

2018-07-16 21:06:41 | 日々のできごと

暑い一日でした。

被災地の方々は、どれほど苦しいだろう、お身内を亡くされた方はどれほどお辛いだろうか・・・・。

私にできることは、何もないように思います。

ボランティアの方の働きや近隣の助け合いのニュースを見て、素晴らしいなと感じました。

私にできることを考えていこうと思いました。

以前からやりたいと思っていた母子救護所のアイデアを区の防災担当の方のところに相談に行くことにしました。

もしも、きちんと形になったらここでご報告します。

 

昨日今日と連日で、日本小児科医会の主催する「子どもの心」研修会で勉強をしてきました。

今回の研修で特に心に残ったのは、精神科医の夏苅郁子先生のお話でした。

「心病む母が遺してくれたもの 精神科医の回復への道のり」という本をあらかじめ読んでいました。

統合失調症にお母さんがなってしまったのが、10歳の時だったとのことです。

ケアされずに苦しい子ども時代だったけれど、その中で支えがあったことが生き抜く力になったという話。

親戚のおばさんやいとこたちが普通に接してくれたことが大きいということでした。

そして、どんな愛着障害も、手遅れということはない、という考えているとのこと。

もっと聞きたい、新刊「人は、人をあびて人になる」も読まなきゃ!と書籍コーナーに走ったら、

あら、平積みされてたのに残ってなかった・・・

残念。

その後、何気なくFBを見てたらハートネットTVのある特集が目に入ったので、びっくり。

それは「精神疾患の親を持つ子ども 誰にも言えない苦しみ」でした。

安心して話せる場所が必要。

打ち明けられる人が必要。

あなたが悪いんじゃないよ、自分が悪いと思わないでといってあげる人が必要。

そういう人と安心しておしゃべりする場所が必要。

できたら。そういう人が地域にいっぱいいるといいなと思います。

先日から友人たちと地域での子育て支援の壮大な?ささやかな?計画を練っていて、

すごくリンクしてきてイメージを感じられるよう・・・な気がする。

なんか流れがある、つながりがある、って感じてしまいました。

でも、まずは打ち明けてもらえる大人にならないといけない。

この人は安心と思ってもらえる人間にならないといけない。

居場所作りも関係してくるかな?

夢がまた一つできました。

ゆるゆると頑張っていきたいなと思います。

がつがつと、よりもいいような気がするので、最近は・・・