ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

三歳児健診で予防接種欄を確認しながら伝えてます

2013-11-21 00:21:18 | 医療情報

保健センターの三歳児健診でもお仕事をしてます。

診察や相談の後で、必ずチェックしてるのが予防接種欄です。

DPT(三種混合)やポリオ、ヒブや肺炎球菌、さらに、水ぼうそうやおたふくかぜのチェックもします。

MR(麻疹風疹)はもちろんですけど。

DPTの追加接種を受けてない人がときどきいらっしゃいます。

今三歳児健診の方は、生ポリオの問題が大きく騒がれてた時代に悩まれた方が多く、

生を二回接種して済ませている人と(たぶん半数くらい)悩んで未承認の輸入不活化ポリオワクチンを接種した人、

不活化ポリオの承認を待って遅れて接種した方、いろいろです。

その中で、不完全なポリオワクチン接種の人が割とみられます。

不完全というのは・・・

生ワクチン一回のみで終わっている方。

個人輸入をしている医療機関に受けて、そこで追加接種は4~6歳でと説明されていてまだなんだと思われている方。

(医療機関での説明がまちがっているのでなく、定期化の前ですので日本のやり方が決まってなくてどこの国の接種のしかたをもとにしてるかによります。かかりつけ医でないためにその後のフォローがされる機会がなかったのかと思います)

単純に追加接種を忘れてる方。

いろいろなパターンがあります。

生ポリオ二回なら接種終了ですが、生一回に続けて受ける不活化ポリオはあと三回接種が必要です。

合計4回接種です。

(え~?それなら頑張って二回接種したらよかった~という声も聞かれます)

今の日本のポリオの定期接種は不活化ポリオも四種混合も(三種混合に不活化ポリオが入ってます)

追加接種は三回目の後一年で受けますので3歳ではほとんど接種時期になってます。

ヒブと肺炎球菌を受け方が不十分な場合も接種をお勧めします。

3歳児で一回も受けていない人も見られます。

なぜなら赤ちゃん時代は任意接種だったので。

今年の4月から定期接種になってます。

もちろん無料でMRやDPTなどと同じような扱いの定期接種になってます。

3歳になってたら、それぞれ一回でいいのですからすぐに接種しましょう。

同時接種でするとそれだけ負担も軽いです。

(副反応が強くなるということはありません)

水疱瘡とおたふくかぜに関しては、杉並区は助成もあります。

ぜひ一回は受けましょう。

今は日本小児科学会でも二回接種を勧めています。

もちろん、一回でも効果はかなりあります。

罹ってもかなり軽くすみます。

ですが、罹るとやはり出席停止の病気ですし、軽くても感染力があります。

二回目接種すると、軽くかかることもなくなります。(と言われてます)

この水疱瘡の二回目の接種の時期ですが、

1~2年あけてしまうと軽くかかるひとが多いのです。

それで、日本小児科学会のスケジュールでは水疱瘡の二回目接種は一回目から3か月あけてしましょうということになってます。

(ひだまりクリニックでは一歳半健診と四種混合の追加と水疱瘡の二回目接種を一緒にするのをお勧めしています。

一回目は1歳になったら早めにやります)

おたふくかぜの二回目接種は3~4歳でとなってます。

日本脳炎の時期ですので、同時接種するといいでしょう。

ひだまりクリニックでは0~1歳の接種が多いのですが、お兄ちゃんお姉ちゃんの母子手帳もチェックさせてもらって、

赤ちゃんと一緒に残してるものを受けられるように計画を組んでいます。

なるべく来る回数が減るように、なるべく赤ちゃんと一緒に済ませられるように、と考えてます。

去年も大きな変化がありました。

ロタテックの導入、不活化ポリオ・四種混合の導入・・・

今年の変化はヒブ・肺炎球菌の定期接種化、肺炎球菌の7価から13価へ切り替わったこと・・・

(今のところ、心配してた流通の滞りはなくホッとしてます)

BCGの接種期間が6か月から一歳までとなり、接種時期が5~8か月になったことも大きな変化で、

これで、それまでのスケジュールよりも楽に進められるようになりました。

予防接種を受けることは、小さな赤ちゃんを育ててるお母さんにはプレッシャーだったり、大変なことも多いと思います。

でも、同時接種することにより、負担を減らし、やはり予防接種で守れる病気から子ども達を守ることができるのですから、

ぜひ、頑張ってくださいね。

なるべく負担の少ないように同時接種をと思ってます。

また、そのときどきで健診の働きもできるように考えています。

計測もしますし、生活の中で困ったことに関しての相談もぜひしていただきたいです。

もちろん、予防接種の不安もご相談ください。

納得して接種していただきたいと思います。

予防接種は大変だったけど、少し安心できた楽になったとおっしゃっていただけるように・・・と思っています。

予防接種のことでわからないこと、心配なことがあったら、VPDの会も参考になさってくださいね。

 


赤ちゃんがほしいものってなんでしょうか?産まれて間もないころの子育て

2013-11-17 16:20:03 | 子育てあれこれ

生まれてきた赤ちゃんはいろんな感覚はもちろんあるけれど、自分では何もできない存在です。

何もできない、世話してもらわないと死んでしまうという未熟な存在です。

一方、とっても生命力に満ち溢れた強さも感じます。3か月で体重が倍増なんて成長期は人生の最初だけのことです。

その両方、未熟性と生命力の強さ、を備えているのが赤ちゃんです。

赤ちゃんが発するメッセージも大きくて、それをつかめたらどんどん子育てに自信がついてくるでしょう。

(もちろん、最初は難しいからわからなくっても落ち込まないでね)

赤ちゃんは、何が欲しいのかな?といつも考えてます。

「いのちそのもの」ともいえる赤ちゃん・・・

全身で生きようとしてるんですよね。

親はそのいのちを支えてあげる、そういうところからですね。

そして、赤ちゃんは泣いてメッセ―ジをくれてます。

泣いて泣いて、求めてます。

何を?

抱っこすれば泣き止むでしょう?

それは、つながりと安心感が欲しいってことだと思います。

つながりと安心感、その繰り返しで育っていく存在であり、そうしてもらうことへの信頼感が欲しいんだなと思います。

おなかの中では、子宮にしっかり抱かれて安心しきっていた時期でしたね。

おなかがすいたという感覚よりも先に、たぶんお母さんが食べてくれてたと思います。

いつも同じぬくもりの中、音の刺激も光の刺激も重力の刺激も弱くなってて守られている状態。

風の刺激もありません。

健やかなお母さんのおなかにいる赤ちゃんはストレスもなく守られてる存在でした。

出産後はその環境が一変します。

だから、赤ちゃんはとっても不安なんだと思う。

生まれたての赤ちゃんのモロー反射って、小児科医は健診で必ず確認する項目ですが、

これって本当に「こわい!」って全身で表現してるようですね。

(さるの赤ちゃんはお母さんに抱っこでしがみついていますが、このなごりというか延長のようなものだとか)

この世に慣れてない赤ちゃんはこの世が怖いんだなと思います。

不安や怖さ、空腹や不快を泣くことで表現する赤ちゃん。

そして、その不快や怖さを取り除こうと一生懸命なお母さん。

どうして泣くか?と同時進行で、なんとかしてあげなきゃって動く、そこが大事なんだと思います。

赤ちゃんは不安で怖い。

だけど、必ずこの世に慣れるし、そこには泣いたら反応してくれる人の存在があるわけです。

その「動いてあげる」が大事なんですね。

抱き癖なんていわれても気にしないでください。

おっぱいをあげる、抱っこする・・・そういった赤ちゃんの「困った」「不安」を取り除く行為そのものが赤ちゃんとのつながりをどんどん強くしていきます。

そして、この世に慣れるころには(たぶんそれはあやすと笑うという頃だと思います)

お母さんへの信頼感が少しずつ出来てくるのだと思います。

このお母さんへの信頼感、周りの人への信頼感が赤ちゃんにはとても大事だと思います。

周りへの信頼感があること。

人と人の関係の始まりはそこにあるからです。

その関係を基礎に人間関係はどんどん広がっていくものだと思います。

おっぱいの安心感は絶大。

口で吸うという安心感はとても赤ちゃんにとって大きいものです。

産まれてすぐの授乳は時間や間隔を気にしないで、「確立する」ことを目指してやってみましょう。

おしゃぶりはこの時期はあまり使わないようにして、できるだけ、赤ちゃんがほしがったらあげるということをしていたらいいです。

その方が、おっぱいの確立が早くなります。

もちろん、飲めてるか心配なときは助産師さんに抱き方やふくませ方をみてもらいながら、体重増加を診てもらいながらだと安心ですね。

 

この時期の赤ちゃんには夜も昼もないと思っていませんか?

そんなことはないんです。

赤ちゃんの昼はきげんよく起きているというようなことは2か月頃まではあまりないようです。

昼は、起きていてこの世に慣れてないからこわいし機嫌が悪い、これが普通です。

だから、とってもよく泣くし、さっきあげたところなのに…という感じで30分や1時間で泣いてしまうこともあります。

飲み過ぎて吐く癖のある子でないならどんどんあげていいと思います。

よく飲めてて体重増加もよく、吐きやすい子は上半身をあげて抱っこ、ソファに浅く腰掛けて自分の胸に寝かせてあげると穏やかになると思います。

これは、飲んだもので満たされてる胃が横隔膜(肺)を圧迫しないから。

うつ伏せで(口の位置には気をつけつつ)抱っこしてあげるとゲップも出やすいです。

昼はそんな風に授乳回数が多いです。

夜には3時間くらい寝て、おなかがすくから飲む、でも、すぐに寝てまた3時間寝るというような感じですね。

これが二回あれば夜に二回授乳があり9時間寝たということになりますね。

だんだん起きないで寝続けるということが出来るようになってきます。

(続けて寝ない子もいますが)

個人差があるのですが、2か月くらいになると5~6時間寝る子もかなり出てきます。

夜ぐずって大変という場合は、昼に寝すぎてることがよくあります。

昼は明るくうるさく、夜は暗く静かに・・・環境で教える、朝は明るい部屋につれてくるなどしてみましょう。

 

子育ては生活そのもの。

自分が無理をしないことも大事。

赤ちゃんが求めてあげることも大事。

そこの折り合いを自分なりに上手につけていくと、どんどん慣れて来ると思います。

赤ちゃんの求めることを、自分がより楽な方法でかなえてあげること。

この時期は、そうやって自分なりの方法を見つけて行けるといいですね。

 

 


本当のイクメンって・・・

2013-11-11 00:59:26 | 母親への支援

先日、練馬で「産後クライシス」というお題で、お話させていただきました。

貫井ぴよぴよという素敵なほっこりした子育て中の皆さんが集まる広場です。

お話会のあと、NPOを作り10年以上子育て広場の運営をされてきたみなさんとおしゃべりする機会があり、

とても楽しく参考になる話ばかりでした。

みなさん、熱いんですよね~

(私も今後、子育てしてるみんなが集まれる場を作っていきたいので)

その中で、これこそ本当のイクメンだねっていうパパの発言をききまいした。

パパがときどき子育て広場に赤ちゃんと二人で見えるそうです。

それはやはり珍しい光景なので、「えらいですね~」とスタッフや多くのママに言われるそう。

本当のイクメンはそこで一言

「自分なんてときどきですから、ず~っとこれをやってる妻は本当にえらいです!」と即座に否定の心からの言葉がでるそうです。

そうでしょ?えらいでしょ?という反応もあるのでしょうね・・・

やらなきゃというイクメンも、やらないよりはいいけれど。

でも、こんなに自分はやってるんだというイクメンはちょっと困りもの。

外ではいい顔をするのに、家では・・・という自称イクメンも最近いるみたい、これもかなりの困りもの。

支援することになってない場合もあるので、察することが下手な男性には伝えるしかありません。

支援することになってないのに、いっぱい頑張ってる気になられたら、母親も余計に疲れます。

パパに伝えたいことは・・・

常に「ママは何をしてほしいのか?」に焦点をあててください!ということ。

ママを大事にすると、それが子どもに届きますよということ。

ママに伝えたいことは・・・

パパには具体的に頼みごとをしてください。

(言われる前にはできないもののようです、察することの苦手な生き物のようです、男の人は)

これは、練習と思ってねと最近伝えてます。

今後、多くの方々に頼っていく練習。

子育ては一人ではできないものです。

赤ちゃんのときは必死でなんとかなったとしても、成長とともに、子どもの世界は確実に広がる。

信頼できる多くの人と子育てができると、それは本当に豊かな子育てになると思います。

そうそう、こんな素敵なパパの言葉も。

赤ちゃんとツーショットのときに、「パパを独り占めね~」とスタッフが声をかけたら、

「逆ですよ、こちらが赤ちゃんを独り占めさせてもらってるんです~」と。

やっぱり、世の中には本物のイクメンがいる。

イクメンにも初心者から上級者まで・・・

めざせ!上級者!ですね~

 

 


11月9日のイベント、杉並フェスタと杉並教会幼稚園バザー

2013-11-08 08:17:20 | イベント情報

杉並フェスタが桃井広っぱ公園で今年も11月9日にあります。

車座委員もブースを担当していて、そこに参加しています。

フェスタに行く方はふらっとよってみてくださいね~

みごとにかぶってしまった、毎年楽しみにしている教会幼稚園のバザーは11時からだそうです。

ひだまりクリニックへの東高円寺からの道沿いにある教会幼稚園は、うちの子二人目と三人目の通った懐かしい幼稚園です。

あの頃と、お庭も先生方も…変わってしまったけれど、

子ども達とお母さんたちの笑顔とにぎわいは変わらないなぁといつも通るたびに懐かしく思います。

ひだまりクリニックに来てくれているお子さんも何人かいるので、行きたい!と思ってたのに・・・残念

ひだまりクリニックにある、数々のおもちゃ、お魚釣りセットだったりままごとのおもちゃはこの教会幼稚園のバザーでゲットしたものです。

時々ラッキーだと食べられる癒しのお菓子もこのバザーで変えますよ~

幼稚園のお母さん友だちにお願いしてつくっていただいてるのです。

おいしかったな~もっと食べたいな~と思ってらっしゃる方はチャンス!です。

ひだまりクリニックでは見たことないという、もっといろいろなお菓子が並んでいます。

お近くの方は是非!

縁日もあって、小さなお子さんも楽しめると思います。

 


杉並区の児童館がなくなってしまうって??

2013-11-06 23:51:09 | 母親への支援

 

杉並区「施設再編整備計画(素案)」説明会

 
 

【第1回】

日時 : 2013年11月23日(土) 14時から

場所 : 区役所第四会議室 中棟6階 (阿佐谷南1-15-1)

定員 : 100名

【第2回】

日時 : 2013年11月26日(火) 19時から

場所 : 井草地域区民センター (下井草5-7-22)

定員 : 70名

【第3回】

日時 : 2013年11月27日(水) 19時から

場所 : セシオン杉並 (梅里1-22-32)

定員 : 120名

【第4回】

日時 : 2013年11月28日(木) 19時から

場所 : 高井戸地域区民センター (高井戸東3-7-5)

定員 : 70名
 
先着順・直接会場へということです。
 
担当部署は杉並区役所制作経営部企画課施設再編・整備担当、財政課
 
03-3312-2111(代表)です。
 
児童館がなくなってしまうと困るというお母さん、どういうことか知る・声をあげてみる・友達とはなす・など・・・できることは何でしょうか?
 
知らないところで決まって、後で、困る!なんで!とならないように・・・と願っています。
 
政治は遠いところのものでなく、私たちの生活に直結してることなんですよね。
 
ひだまりクラスでも、区議の山本あけみさんをお招きしてお話しをうかがうという企画があります。
 
どういうことになってるのか、詳しい説明を聴けると思います。
 
山本さんもお母さんたちのリアルな意見をとても知りたいとおっしゃってくださってます。
 
11月25日です。
 
 
 
当日はB型肝炎がなぜ必要かというお話も私からします。
 
山本さんが、議会でB型肝炎の助成の話し合いを提案してくださってますので。
 
今日、ひだまりクラスに参加された方が、杉並区で予防接種に熱心に取り組んでいらっしゃるある医院を受診したときに
 
B型肝炎の必要性をすごく力説されたとのことでした。
 
私、B型肝炎の必要性は一応説明するんですが、押しが足りない、という自覚、あります・・・
 
その先生は・・・
 
「ロタ胃腸炎では死なないんだよ。B型肝炎は死ぬ病気なんだよ。なんでしないの?」と言われたとのこと。
 
本当にその通りなんですよね。
 
B型肝炎は子宮頸がんワクチンよりも古い癌予防ワクチンなんですよ。
 
このフレーズ、参考にして、私もきちんと接種しましょうとお話ししようと思います。
 
杉並区のB型肝炎ワクチン、助成になるといいのですが・・・