ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

子育ちおうえん隊 おへその緒

2012-07-30 13:53:36 | 医療情報

東京都助産師会新宿中野杉並地区分会という長い名前ですけれど、

子育ての応援をしたいみなさんが集まって「おへその緒」として活動されています。

地域に根差した子育て支援をされていて、自分も子育て中だからと少しずつ復帰という方もいて、

活動内容はそれぞれです。

妊婦健診・母乳相談・乳房管理などからお産の介助やその後の入院。

子育てに目を向けたら、ベビーマッサージや妊娠期産後のサロン。

お母さんの産後のケアもあります。

地域に多くの助産師さんがいてくれて、いろいろな相談にのってくれると本当に心強いですよね。

以前、子どもの小学校の周りの戦前の様子を古い地図で見ていたら、小さな地域に産婆さんが密集していて・・・

そんな時代もあったんだなぁ・・・と面白かったです。

今は地域の産婆さんの役割はそのころとは違ってくるでしょうけれど、

今だからこそ必要な分野もあるように思います。

お母さんの不安を丁寧に聞く場所。

お母さんに安心してもらって、それが母子ともにいい影響がでるように・・・

子育てが地域で温かく見守られていくために・・・

いっぱいそういう場所ができたらいいですよね。

昔ほどにはないけれど、多くの助産師さんが地域にはいてくれて、地道な活動をしてくれています。

たとえば、産後の新生児訪問。新生児とは限りませんが、今は全戸訪問になっています。

いろいろな場所でサロンを開催していますし。

私自身、産後は助産師さんの力に随分助けられました。

「かわいそうに」という言葉も助産師さんでしたけど、

多くの優しい言葉と温かい手で私を母に導いてくれたのも助産師さんでした。

私にとって忘れられない助産師さんは遠い場所にいるけれど、いつも応援してくれている気がします。

先日、地域で奮闘中のおへその緒のみなさんの集まりに参加し、頼もしい方々とお話ししました。

この日は母乳の生理・病理についての講演もありました。

おっぱいが辛い状況になったので、子育て応援券でなにか・・・と思い、サービスの登録をなんとか探して、電話しても

どの人も留守電・・・となるという報告を何件か受けてて、そのことも聞いてみました。

(サービスを探す本がまた電話帳みたいで、大変なときに必要なサービスに届かないという声はすっごい多いですね)

留守電でも、めげずに何かメッセージを残してね、とのこと。

何もないと、応答したものかどうか、と思うそうです。

簡単な相談、とりあえずどうしたらいいかということをアドバイスして、予定の仕事の後電話してみると、

アドバイスだけで治ってしまってるということもあるとのこと。

いざとなったら相談できる助産師さんがいると安心です。

別に定期的にいかなくても全然平気なんだけれど、いざというとき・・・ってありますからね~

杉並子育てメッセや新宿子育てメッセなどでも、ブースを出展してくれてます。

そういうときにちょこっと行ってみるのもいいし、近くの助産師さんがやってるサロンに参加というのもいいですね。

子育てを応援したい!と思っている助産師さんはいっぱいいるのです。

本当は、街にそういう身近な相談場所、ほっとできる場所がいっぱいあるといいのですけどね~

デイサービスってできたらいいね~という話が出て、素敵だなぁと思いました。

またまた妄想妄想

 

 

 


レジリエンスのファシリテーター講座③「かわいそうね」という言葉

2012-07-28 21:51:01 | 母親への支援

NPOレジリエンスのファシリテーター講座の最終週、今日明日です。

支援者の立場だったり、被害者の立場だったり、乗り越えた人や渦中の人や・・・

共通なのは、DVをなくしたい、許さないという気持ちでしょうか。

以前も「その気で見なければ・・・」という内容で書いたのですけど、

健診でお母さんとお話しをしていると、それってDVと言えるのではないかと思えるお母さんが多いのです。

本人は、もやもやと悩んでいて苦しい、という感情はあると思うのだけど、

夫から暴力を受けているという自覚はないことがほとんどです。

そんなときにどう声をかけるか・・・というのが、私の課題なんです。

受け皿になる覚悟を持ち、受け皿をしっかり示しながら、少しずつ声をかけていけたらいいのだろうか?

まつしま病院(勤続13年になるパートに行ってる産科病院)は、この分野でトップランナー。

積極的な活動をしている病院です。

最近では、性暴力被害・DVのケアを積極的にしています。

その師長さんとお話ししたら、その質問に対して、とりあえず、自覚を促すような問題提起するような声掛けはすると。

でも、「違います」と言われたら、「よかった」といってそれでおしまいにする。

その投げかけから始まって、自分でだんだん気づく人もいるそうです。

声をかけるのも簡単ではないと思います。

もっと、実力があったらいいのに・・・

 

自分の最初のお産で傷ついたこと、納得できないまま辛い思いが残ったことが今の仕事の原点になってます。

最初のお産のあとで、助産師に言われた言葉がいまだに忘れられない傷になっています。

10週間に及ぶ切迫早産のための点滴安静入院。

治療をやめたら産まれると言われてもそうならなかったこと。

二週間後に陣痛が来たら、今度は強い陣痛だったこと。

助産師は子宮口はまだ4cm開大だからまだまだ半日はかかるといわれたのに、

その一時間後には全開と言われ、分娩代に引きずるように乗せられたこと。

でも、まだ清潔な場もできてない処置も必要と10分いきみを我慢させられたこと。

で、やっといきめたら二回のいきみで出産になったけど、

よかりとされた正中切開(傷が少ないので)が裏目に出て、ひどい会陰裂傷になって一週間後に再手術したこと。

そんな心身ともに、現実を受け入れられず、私は言うことを聞いてきたのに、我慢したのに、という

納得できない思いが残っていたときに、ベテランと言える助産師さんに言われたのです。

「産んだら終わりという人がほとんどなのに、かわいそうにねぇ」

本当に、優しい気持ちから、かわいそうに、という気持ちからだとわかります。

だけど、その言葉に私はさらにズドーンと落ち込みました。

そんなに、私ってかわいそうなんだ・・・

「かわいそうに」という言葉は、かわいそうな場所にいるあなた、そうでない自分を差別化する言葉だと

今日、講座で聞きました。

かわいそうなところに置かれて、もうかわいそうでない場所に行けない、

私は「かわいそうな人」になってしまって、もうかわいそうではない自分にはなれない、

そんな風に感じていたのか、あの時の私。

辛い経験は不幸です。

虐待だって、親の離婚だって、DVだって、いじめだって、職場のハラスメントだって。

今の日本では震災の被害も同じことが言えるでしょう。

不幸な出来事であるけれど、「かわいそう」と他人に切り離される経験ではない。

その言葉には、対等でないニュアンスを感じます。

「貧しくてかわいそうな国」に「募金してあげよう」

という言葉には、やはり差別意識がありますね。

たまたま暴力に出会ってしまった、たまたま天災にあってしまった、事故にあってしまった、

大きな病気になってしまった、

いろいろな偶然が人生にはあります。

何気なくかける言葉に敏感でありたいと切に思います。

 

 

 

 

 

 

 

 


次回のひだまりクラスのお知らせ

2012-07-21 07:30:44 | クリニックからのお知らせ

次回のひだまりクラスは7月25日水曜日です。

テーマはリクエストがあり、「おうちでの病気の看方と事故予防」

基本中の基本で、小児医療講座での定番テーマです。

どんなときには救急外来に行くべきかということを症状別にお話しします。

ホームケアも症状別で。

事故予防もリクエストもらいましたが、そこまではいかないかもしれません。

講座でも1~2時間くらいかかるテーマなので。

でも、疑問は残さないようにしたいですので、ご質問もどんどんどうぞ。

10時からあけます。

遅れても大丈夫ですが、先に初めていますので、聞けない部分が出てくるかもしれません。

お昼をお持ちいただいて、みんなで一緒におしゃべりしながらお昼ご飯

それから、そのあと順番に予防接種や健診をします。

参加ご希望の方は予約してください。

03-3315-0217

hidamarisalon@ybb.ne.jp

まで。

まだ、参加人数に余裕がありますのでお待ちしています


母の子育て(40年以上前)

2012-07-17 21:08:34 | 今までにであったさまざま

母から、もっと私が子どもだった時の子育ての話を聞いておいたらよかったと思います。

もちろん、結構いろんなことを聞いてはいたんですけど。

もう聞けないとなると・・・ね。

私は東京オリンピックの年に生まれて・・・高度経済成長とともに大きくなり・・・

そうそう、その年開通したのですが、オリンピックシーズンに新幹線に乗って帰省中、

「東洋の魔女、日本女子バレーが金メダル獲得!」とアナウンスされ、歓声が響いたっていってました。

飛行機に乗ってからずっと泣き通しだったとかね。

やはり、一人目、母も実家から遠く離れた地に(父の転勤先に)、心細かった育児だったのではないかなと思います。

そんなときに、頼りにしていたのが、社宅の先輩ママだったようです。

友達同士で、ずいぶん預けあいっこもしてたようです。

母のそんな先輩ママ仲間が、母が亡くなって三か月の昨日、お参りにきてくださいました。

当時の話を聞きながら、いい仲間と生き生きと子育てしてる母を改めて知りました。

3階から「けいこ~!」って声かけてたのを今でもよく覚えてるって話とか・・・

ここのおうちのお姉さんの七五三の着物は我が家の子、姪の晴れ着となっていますし・・・(今では珍しい古典柄で、逆に新鮮でカワイイの)

本当に懐かしい笑顔でした。

幼稚園の頃までしか近くにはいなかったのですけど、なぜかとても懐かしかった。

子育ての苦労ってときどき、親を悩ませたことを自分も親になって悩むことがあって、

長男が本当に離乳食を食べない子で、母と一緒にあれこれ工夫しながらやりましたっけ。

でも、本当に食べないの。

「お母さんだって食べなくて本当に苦労したんだから、仕方ないわよ~」と母は言ってました。

母にとっても私にとっても、おっぱいばっかりで離乳食がほとんど進まないのは新米ママには深刻な悩みでした。

私の一歳のころは体重も減って、かなり母を悩ませたようです。

今は私も息子も食欲旺盛、、、(私は着実に体重だけは成長曲線いまだに上がり続け・・・心配

母も里帰りのときは祖母に手伝ってもらい、実家から離れた地ではよい仲間と子育てしていました。

母は、私と同じで、おっちょこちょいだったり、かっとなって怒りすぎたり、ご飯の手抜きも時々ありました。

(夏休みなんて、ふかし芋だけってときも。「戦争を忘れないように…」て!一言ついてたり

三姉妹(小学校でいうと6年4年1年)の育児は本当に座れないほど、記憶が飛ぶほど、

一時は食べた記憶もないほど、という忙しさだったとのこと。

今のようなイクメンはいない時代、専業主婦は夫に頼れないという分業がしっかりあった時代です。

「子を持って知る親の恩」

「親の背中を見て育つ」

「親孝行したいときには親はなし」

「親はなくても子は育つ」

「親の思いは子で送る」

ことわざにはそうだよな~としみじみする深いものもありますね~

子育てはだれもが必死になり、我が子ゆえに見えないこともあったり、失敗することもあるけれど、

子どもは親の気持ちはよくわかっている、ということわざも多い。

親が甘いのを戒めるものや、「親の欲目」という言葉もあるように、自分の子どもは客観的にとらえにくいものとも。

でも、だからこそ、一生懸命になれるものなのでしょう・・・。

そして、親孝行したいときにはいない、という内容も多いです。

私もしみじみ残念に思います・・・

夏に行きたかった海外旅行を娘にプレゼントされて行ってくるのよ~との、

母の古い友人の言葉を聞いて・・・悲しくなりました。

もっと旅行に行ったらよかった・・・とか、そんなことは死まで短かったという結果がわかってからしか言えないけど、

治療をしないで楽しいことだけしたらよかったのかな・・・とか。

「親の思いは子で送る」という言葉が今の私にはぴったりかな?

お母さん、見ててね!

 

昔の子育て・・・シンプルで参考になる点が今もあります。

昔はよかった・・・みたいな回顧主義的な意味はなく、

単純で、今も通用する、本来あった日本のおおらかさはとても素晴らしい部分だと思います。

親を思う気持ちが、本当に自発的なところもすごいと思う。

これは、江戸時代末期から明治にかけて日本を訪れた外国人が口をそろえて絶賛している。

日本の子どもほど大事にされていて幸せそうな子は世界にないとか。

親は子どもを可愛がり、子は親が大好きで本当によくいうことを聞きお行儀がよい。

「伝統的子育て」がひとくくりにされて、ツイッターなどで酷評されてるのを見てると、

いい部分も本当にあるのになぁって残念だなぁと思います。

何もなくても育ててきた。

いろいろ工夫してやってきた。

人間の知恵はすごいと思います。

たとえば、健診でおしゃぶりって必要ですか?慣れさせておいた方がいいですか?って聞かれたら。

100年前にはなかったけど、ちゃんと赤ちゃんは育っているよね、とお話しします。

なくったって育つものは親が便利に過ごす(泣かさない)ためのものということです。

だから、絶対必要なものではない。

でも、否定もしない。

ニーズがあってうまれてきて、それゆえ販売されつづけているのだから。

でけど、声を出しておもしろがれるようになったり、コミュニケーションをしようとするときに、泣いて訴えたいときに、

その声の意味をさぐらないで(子どものニーズを考えずに)、うるさいからこれあげる、とおしゃぶりをハイ!てのは、

子どもの心を考えない行為・赤ちゃんの要求を無視すること・さらに言えば赤ちゃんとの関係をこちらから断ち切ることではないかな?と思います。

そういう点を注意して、声を出すようになったら自分なりの使い方を考えたらいいのでしょうね。

それだけに頼らないということです。赤ちゃんの気持ちを知ろうとする努力をしなくなるということですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達の会」のメルマガ、「B型肝炎」「子どもの足」

2012-07-16 06:22:09 | 医療情報

毎月、「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達」の会では、メルマガを発行していて、

もちろん無料で、全国の協力している専門家が担当して情報発信しています。

これをきちんとわかりやすく伝わりやすい形に編集してくれているのがメルマガチーム。

いつもありがとう!お世話になります。

今月号には私も参加しました。

いただいたお題は、このブログにも二つの記事を書いているB型肝炎。

そして、ブログの勢いではりきって書いたものの・・・

初めてのダメだし

B型肝炎についての知識がほぼない、B型肝炎が周りにもいない、

さらに、非常に病状・経過が複雑というこの病気ならではの特徴・・・

無理もないことだと思います。

質疑の形にしてほしいということで、締め切り間際に書き上げた超特急原稿。

ということもあって、あ~表現が~というところがあります・・・

こういうのはいつもはメルマガチームで治してもらえるのですが・・・

でも、基礎の基礎からの説明を心がけましたので、最初の導入としていいと思います。

その上で、ブログの記事を読めばより一層理解しやすいかも・・・

メルマガ登録はいつでも可能。

毎回、医師や医療専門家がいろいろなテーマで原稿を作っています。

今回はもう一つ大きなテーマがあって、それは子どもの健康な足を育むためには何が必要か、ということ。

東京医療保健大学・山下和彦先生より 「子どもの足の特徴と発達~“よい足”を育てるには?」

こちらはしばらく連載です。

楽しみです!

このメルマガはとってもおススメ!

今の小児医療の話題がどんどんテーマになります。

不活化ポリオの開始のこと、流行中の病気のこと、ホームケアについて、事故予防のこと、保育園デビューなど・・・

いろいろな話題があります。

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