ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

できることってなんだろう?

2011-03-31 02:36:57 | 医療情報

どんどん深刻な状況になっています。

テレビは本当に引き込む威力があり見入ってしまいますね。

大人にも大きな影響があるのに、ましてや子どもには・・・

9・11の後、子どもにテレビを見せないように学校などからの通達が出されたそうです。

ある時点から(それもかなり早い時期)映像も過激なもの、飛行機がビルに突っ込み爆発するという映像は流れなくなりました。

対して、日本では・・・

津波の映像は今でも延々と。

以前は見なかった(私が知らないだけかもしれないけれど)原発の爆発シーンが出たり。

学校からの通達も何もない・・・

不安を煽られて行動がおかしくなっていくことを止められない原因の一つになっているのでしょう。

災害時のメンタルケアという動画のおすすめが出産育児の専門家のMLで紹介されていました。

普通に生活することもできることの一つといえるのかなと思います。

そんな日々のなか、私も週末を利用して実家の家族たちと信州に旅行に行きました。

本当は茨城方面だったのですが、予約していた旅館から無理だと連絡あり変更。

テレビをあまり見ない日々。

春休みなのだけれど、どこにいってもひっそり。

お店も閉まってて、スキー場も早じまい。

あるお店では「暇すぎてどうしましょう~というかんじ」と。

普通に生活すること。

我慢すること。

どういうバランスでするのか。

旅行からもどって買い物にいったら、なんと野菜の安いこと。

私は野菜はなんだって食べます。

水道水も飲みます。

育ててきた野菜が出荷できない、安く買いたたかれる、どんな思いでしょうか。

避難圏内で農家の方は・・・

日本という国での原発の危険性を見過ごしてきたのは有権者である大人なんだと思います。

資源のない国でクリーンエネルギーと言われて、便利や快適を安全よりも優先した、簡単に騙されてしまった。

当然、私自身も含む大人の責任は大きい。

そして、一番に被害を受けるのは子ども達です。

先の世界大戦と同じ・・・と思いました。

避難所では、さまざまな感染症が増えていますが、その中でも細菌性髄膜炎の増加はとても心配。

そんな中、地震がおこり、ニュースが出なくなっていて気を揉んでいたヒブと肺炎球菌のワクチンが4月1日から再開とのこと。

本当にほっとしました。

 地震で議論も注目も棚上げ、日本脳炎のように長くそのままになるかとても心配だったからです。

健診でも、多くのお母さんから質問を受けました。

久しぶりの明るいニュース、良かった!!

因果関係をはっきりさせるためにも、国民の納得を得るためにもサーベイランスシステムが必要と感じました。

きちんとした疫学調査があれば、予防接種後の有害事象は紛れ込み事故と考えられる予防接種と関係ない死亡率よりも有意に高くなるという結果になるはずですから。

まだまだ困難は続くでしょう。

もっとひどいことになるかもしれない。

福島だけでなく、日本が世界の中で風評被害にあうかもしれない。

一番の被害者である子どもたちを守るためにできることはなんだろう。

一人の責任ある大人として、考えていかないと。


抱きしめることはできるから

2011-03-24 22:29:15 | 医療情報

日々、刻々と、いろいろな情報が流れてきます。

読売新聞に子どもの心のケアについての記事がでました。

子どもの心のケアについては小児科医会からの資料もネットで見られます。

日本小児精神医学研究会からの情報もあります。


小児精神医学研究会のリンクフリーの子どもにこんな症状はみられませんか?という資料は実際さいたまスーパーアリーナの心のケアブースで用意されていました。
乳児には飲ませないでと言われたら、1歳過ぎの子の母は不安になるし授乳中の母は不安になるし妊娠中の母も不安になるにきまってる。
不安を煽ってるんじゃない。
でも、不安になるのは当たり前だと思う。
小さくて弱いいのちを守っているのだから、自分だけのことではないから、まったく見えなくて感じられないものだから、余計に心配だよね。
私は、もう子どもは産まないし、水道水を飲むけれど、もしも授乳中だったらどうだろう・・・。
日本の基準はWHOの基準よりも厳しいそうですが・・・。いろんな情報が飛び交っているそうですが。
状況は全くちがうのだけれど、以前読んだ小児科医のエッセイを思い出しました。
その先生は戦時中に子どもを産まれたのでしょうか、戦中戦後、何も、本当に何もなくて、できるのはただただ抱きしめることだけだったと。
着るものもなくて素肌で温めたという話でした。
今でいうカンガルーケアかな?(ちなみにカンガルーケアの始まりも、保育器が足りない国で赤ちゃんを温める苦肉の策からだったそう、そしたら生存率があがったことから広まったそう)
抱きしめること、いのちを実感すること、今はそれが安心に近づく方法になるかな?と思ったりします。
お母さんが安心することが一番子どもを安心させる近道だから。
こんな状況でも。
病気のときも、ですね。
ミルクだと水道水はダメで、おっぱいだとお母さんが水道水飲んでもいいなんて、おっぱい作る母の体は偉大だねぇ~
大昔、ダイオキシンで母乳をやめるとかやめないとかいう話があったとき、私は思った。
そんなもん!ってね。
私はダイオキシン少ないから安全だからおっぱいあげるんじゃない、おっぱいがでるから、子どもが喜んで飲むから、それがしあわせだからあげるんだって。
私が母親として生きるってそういうことなんだ、って。
どのお母さんと赤ちゃんにも心から安らかな日が早く戻りますように・・・。
4月のひだまりクラスは13日と27日にします。
区との健診の契約がすんだら、乳児健診の無料券も使えるようになります。
クラスとは別で、予約制で健診をしていこうと思っています。
詳細はまた追ってご報告します。

ひだまりクラス(初!)で、初めて育休パパ参加!おばあちゃん参加!

2011-03-17 06:37:04 | クラス日記

「ひだまりサロン」というのは、診療所ではサロン・集い・あつまり・とかはふさわしくないという指導ですので、「クラス」に変えることにしました。

3月3日に診療所開設して初めてのひだまりクラスです。

11日に地震があって、今回はやめておこうか・・・とも思ったのです。

幸い徒歩や自転車で来られるご近所さんのお申込みが多かったのですが、それでも、また大きな地震があったら?停電があったら?とか考えると・・・

でも、いつものように、しり込みがちな私のお尻を叩いてくれる人が言いました。

「こんな時だから、安心できる場所があるといい。ほっとできるお母さんがいると思う。」と。

それで、心は決まりました。

「時間通りに開けておきます。ご無理のないように参加したい方はどうぞ。」と。

キャンセルの方も当然多かったです。

でも、飛び入りでの参加の方もいらして、いつもいける保育園もいけないとか、児童館も開いてないとか、って事情の方もいらして。

妊婦さんでほとんどスタッフって方が、「画像を見ていて、吐き気がして、自分の子どもやおなかの子どもを守らなきゃって思って不安で」と言ってました。

命を守っている人というのは、本当に感じやすいのだと、産後の動物が神経質なのと変わらないのだと思いました。

つわりもほとんとなく順調な健康なお母さんだったのに・・・。

子どもの命を託されている人だからこその感覚ですね。

そんな中、来てくれてありがとう。

少しでも気が晴れると思ってもらえたなら嬉しい。

クラスでは、初の育休パパ参加でした。三姉妹連れ!

赤ちゃんの育休中なので、上の二人も保育園は無理なのだそう。

で、クラスにはこの春から保育園入園を控えてドキドキのお母さんが二人参加されてたので、クラスは「パパ教育のあり方」講座のようになりました。

これはとっても興味深かったです。

「最初から仕込むのが大切」

付き合い始めたときから、だそう。

結婚前も、生活が始まってからも、妊娠がわかったときかも、妊娠中も、出産前後も、子育て真っ最中も、ずっと継続してということが大事なんだそう。

二人の関係をどう築くか、しっかりコミュニケーションをとっていくか、考え方を伝えるか。

関係を作っていくのは、子育てでよりしっかりした関係が必要なときに備えてのことなんですね。

そういう準備も必要ってことなんでしょう。親になる準備の中にあるべきこととして。

二人ともが努力をしてきた結果がしっかり者のお姉ちゃんたちに見えました。

今度年長さんのお姉さんが今度年中さんの妹の髪を結んであげてると!!

うちの娘(小2)は私が髪をとくのさえ逃げるのに

「せざるを得ない状況においてしまう」

子どもをパパを置いてでかけてしまうと、意外にできてしまう、できるとうれしい、ということですね。

パパ参加を上手にしてるのだろうなと思えるお母さんからは、「児童館のこれができるようになったのよ。」とかうまく誘導?する術の披露が。

そのパパは、初めて子どもと二人だけで5~6時間過ごしたときにお母様に報告したとか。

ちょっとのことでも、みんなで喜ぶことも大事なんですね。

初のおばあちゃん参加というのは、そのご家族で、そのおばあちゃんはだんなさんのお母さんなのです。

だんなさんのお母さんと、ということだけでもすごいなぁと思う人も多いのでは?と思います。

普通に考えると子どもで数時間?とか、私なんてずっとだよとか、考えそうだけど(って私のことです)、そういうことを喜び合える家族って素敵ですね。

本当に仲がよさそう。素敵でした。

その関係もずっとみんなで作り上げてきたものなんだと思います。

そのおばあちゃまは、テルミーにとても詳しい方で、夜泣きについての話題でもいろいろ教えていただきました。

夜泣きがひどかったお母さんが小児鍼灸でよくなった話をしてくれたので、それについての解説をしてくださいました。

お母さんが何かやってあげること、それでことが改善することは、とても自信につながると思います。

お母さんの自信というのはとても大事。特に、病気のときは。

もちろん、最初からというのはだれにとっても無理なので、どんな経験も学びになると思えばいいと思います。

育休パパは「子どもはそれぞれ」とも話してくださったのですが、三人のパパの話だから、説得力があってみんな頷いてました。

赤ちゃん子ども達がいっぱいで、にぎやかなひだまりでした

みなさま、ありがとうございました。

それにしても・・・定員10名はちょっと無理かも・・・。

6~7人くらいでいっぱいかもしれないですね~

部屋を変えたら、大丈夫かな?

考えてみます。

 

 

 


ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません

2011-03-15 10:05:24 | 医療情報

原発事故で、避難されている方々はどんなに不安だろうかと思います。

その不安を煽り、でたらめな情報が出回っているそうです。

以下は信頼できる先生からの情報です。

外来小児科学会のMLよりの転載です。

 

原田正平@成育政策科学研究部((独)国立成育医療研究センター)です。

この情報至急拡散して下さい。

http://kodomo-kenkou.com/cretin/support/show/206

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ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません
http://kodomo-kenkou.com/cretin/info/show/509

原子力発電所事故に伴いデタラメな情報が流れています。

政府関係者、学会関係者が正しい情報提供を行っていますので、
その情報をきちんと理解して行動して下さい。

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ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません
-インターネット等に流れている根拠のない情報に注意-

平成23 年3 月14 日(月)
独立行政法人 放射線医学総合研究所

放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合、健康への影響を低減するために、
内服薬である『安定ヨウ素剤』を医師が処方する場合があります。

市販品としてヨウ素を含んだものはたくさんあります。ヨードチンキ、うが
い薬、のどスプレー、消毒用せっけん、ルゴール液などです。これらを内服薬
である『安定ヨウ素剤』の代わりに飲むのは絶対にやめてください。

理由は以下のとおりです。

・うがい薬などの市販品は内服薬ではありません。これにはヨウ素以外の成
分が多く含まれ、体に有害な作用を及ぼす可能性のある物質も含まれます。

・たとえ飲んだとしても、ヨウ素含有量が少なく、放射性ヨウ素が集まるの
を抑制する効果がありません。
わかめ等の海藻にもヨウ素が含まれますが、これらも効果がありません。

・ 含まれる安定ヨウ素が一定ではなく、十分な効果を得られるかは不明です。
・ コンブなどは良く噛まなければならず、消化過程が必要であり、吸収まで
の時間がかかります。

以上のことから、消毒剤やうがい薬などのヨウ素を含んだ市販品は、『安定ヨ
ウ素剤』の代わりに飲んではいけません。また海藻等を食べても十分な効果は
ありません。

『安定ヨウ素剤』を医師が処方するものです。原子力災害などの緊急時に、
指定された避難所などで服用指示があった場合のみ、服用してください。

(転載終わり)

現地で、赤ちゃんを抱っこしている方、おなかで赤ちゃんを育てている方、どんなお気持ちか・・・

実際に何ができるということもなく、もどかしいですが。

明日のひだまりクラスをどうしようかと思いましたが、オープンはすることにしました。

数名の方から今回はやめますというご連絡もいただきましたが。

「この子のいのちを守りたい」

母の願いはそれにつきますね。

今後も長く大変な日々がつづきますね。

どのように書いてもひとごとのような書き方になってしまって進みません。

ただただ、祈っています。

 

 


災害地のお母さんと赤ちゃんに・・・

2011-03-14 00:25:05 | 医療情報

なんということが起こったのだろう。

何ができるのか?どうしたらいいのか?

祈ることしかできない。

節電することなのかと思い、子どもたちにも促してみる。

明日は募金しにいくこと?そのくらいしか思いつかない。

怪しいところもあるらしい。

実績信頼のあるところにしないと。

母乳育児のお母さんがテレビで「ショックでおっぱいが止まってしまった」ということが出ていたそう。

母乳育児支援の会の方たちが正しい情報が届くようにと一生懸命考えていらっしゃいます。

以下、専門家のMLからの転載フリーの情報です。

 

以下のパンフのPDFをサイトに掲載しました。
http://www.bonyuikuji.net/
ご自由にお使いください。
2,3日中にはテキストファイルでも掲載予定です。

緊急掲載!
世界母乳育児週間2009 
災害時・緊急時を生き抜くために 準備はOK?
http://www.bonyuikuji.net/wp-content/uploads/2009/05/2009_1.pdf
http://www.bonyuikuji.net/wp-content/uploads/2009/05/2009_2.pdf
http://www.bonyuikuji.net/wp-content/uploads/2009/05/2009_3.pdf
http://www.bonyuikuji.net/wp-content/uploads/2009/05/2009_4.pdf

ということです。

そのMLで、仙台の助産師さんが、新しい命が無事にこの世にやってきてくれた話を伝えてくれました。

めちゃくちゃな助産院で、スタッフの安否もわからない中で、とのこと。

希望をもてる話ですね。

何かしたい。

でも、動けるわけでない。

ただただ祈るばかりです・・・

辛い思いをされていらっしゃる方たちに、どんな言葉も出てこない・・・

日本を支える覚悟をみんながしないと、って思う。

当たり前に思っていることって当たり前ではないのですね。