ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

小児科学会の予防接種スケジュールの改訂

2018-09-30 16:14:05 | 医療情報

8月1日に、小児科学会の予防接種のスケジュールの改訂がありました。

任意接種の追加をお勧めする改訂です。

各地で小学生の百日咳が流行するのは、赤ちゃんの時の予防接種の免疫が低くなるからです。

それを受けて、小児科学会が三種混合の就学前の接種を追加接種を推奨してます。

それと同時にポリオの追加接種も、抗体価が減衰する前にと、同時期の追加接種を推奨してます。

かつて、この年長さんにあたる方たちがしていた三種混合と不活化ポリオです。

その後四種混合(三種混合に不活化ポリオを合わせたもの)がでてきて

それを接種していた方たちには四種混合の追加を勧めるのでしょうか?

すでに、切り替え時期には最初三種混合と不活化ポリオをしてその後の接種に

四種混合をしていた方もいたので、今回も三種混合と不活化ポリオの接種でなく、

四種混合の接種をしたらいいのではないか、その方が2回の注射でなく1回ですむし、

任意接種なので安くすむではないかと思うのですが・・・

小児科学会の推奨は、三種混合と不活化ポリオの別々なのです。

これは、調べてみたのですが、なぜかとはっきりした答えは理解できないままでした。

有効な抗体価があがるという結果がでてないからでしょうか。

(はっきりしたら、また書きます)

四種混合ワクチンは三種混合ワクチンに比べるとずいぶん最近認められたワクチンだから、

なのでしょうか?

この辺がすっきりすると、四種混合を推奨するという改訂がされるのでしょうか。

早くそうなったらいいと思います。

さらに、就学前と限定せずに、

抗体価の下がっているだろう小学生にもお勧めすればいいのにと思います。

二種混合の定期接種を三種混合に変更する(ただし任意接種)という提言も

小児科学会ではされています。

そして!必要なワクチンなら、定期接種にすべきだ!と声を大にしていいたいです。

 

さて、もしも、3種混合と不活化ポリオのどちらが優先かといわれると、

3種混合といえるのではないかと思います。

百日咳の方がリアルにありうる病気なので。

赤ちゃんのいらっしゃるご家庭・生まれる予定のご家庭では上のお子さんのワクチンが大事

とも言われています。

 

以下に、ひだまりクリニックの任意接種の価格を書きます。

先ほど決めました。

三種混合     3000円

不活化ポリオ   7000円

四種混合     9000円

年長さんのワクチンは、定期接種MRワクチンと任意接種おたふくかぜの2回目だけでしたが、

三種混合やポリオ(または、四種混合)も任意接種で推奨されるワクチンとなりました。

おたふくかぜは4000円です。

早く定期接種化されることを切に望みます。


ビタミンDのサプリメントのお話

2018-09-20 22:37:43 | クラス日記

今日のねんねクラスは、体調不良のためのキャンセルが多かったです。

ちょうど、ビタミンDのサプリメントのお話を販売されている森下仁丹の担当者の方に

お願いしたクラスでした。

ここ数年、学会に参加して興味を持っていた子どものビタミンD不足問題。

それを解消するためのサプリメントがあるのを知ってはいたのですが、

サプリメントを赤ちゃんにというのは抵抗があるのかなぁなどという思いもあって、

お勧めするまでには至っていませんでした。

ビタミンDは、食べ物から接種できる他に、皮膚に紫外線があたり、合成される物質で、

消化管でのカルシウム吸収や骨を強くすることで、子どもの成長に大切なビタミンです。

不足すると、ビタミンD欠乏性くる病という骨の病気になります。

女性にとってもとても大事なビタミン、妊娠を意識したら接種しましょうといわれています。

女性のビタミンD不足は生まれてくる子のビタミンD不足にもつながりやすいからです。

紫外線の害が強く言われすぎて、紫外線対策に目がいきがちですが、

適当に紫外線にあたりビタミンDを増やすことも大事なのです。

日本は、日照はある程度強い国で、つくばであれば、

7月なら3分、12月であれば20分ほど、外で陽にあたれば

赤ちゃんの一日接種量の5.0㎍合成されるといわれてます。

この量を食事で摂るためには、鮭の切り身で30g程度、干しシイタケで20個になるそう。

魚や卵黄に豊富に含まれているのですが、離乳食ではなかなか追いつかなさそうな量ですね。

離乳食がなかなかうまく進まない場合も気になります。

偶然にも、今日の朝日新聞にも、

「ビタミンD欠乏症の子 増加仲」という見出しの記事がありました。

記事によると、ビタミンD欠乏症と診断される子どもの割合が1~15歳の子どもの場合、

2009年は10万人に3.88人だったのが

2014年には10万人に12.30人になり、5年で3倍以上に増加したとのこと。

母乳で育つ赤ちゃんも、ミルクでは添加されているので、リスクが高いといわれてます。

記事とサプリメントのリーフレットを院内に掲示しておきます。

予防的な観点からも、一つの選択肢としてよいかなとおもいました。

 

 


30年度の杉並区の風疹の抗体検査と予防接種の助成について

2018-09-05 00:06:55 | クリニックからのお知らせ

妊娠の初期の女性が風疹に罹ってしまうと、おなかの赤ちゃんに影響がでます。

眼や耳や心臓に先天性の問題をもってしまうことが多いと知られています。

日本の風疹の予防接種は最初定期接種になったときには、女性がならなければいいという考えで、

思春期の女性のみにでした。

ですので、この時期の男性(大雑把に言うと30~50歳代の男性)は

接種機会がないまま成人になっているといえます。

また、この定期接種の方法では、流行が時々続き、

先天性風疹症候群で生まれる赤ちゃんはなくならないということがわかり、

幼少期からの男女ともに定期接種に変わりました。

ところが、この接種法の変換期にも制度からすりぬけて風疹ワクチンやMRワクチンを

1回しか接種してない人がいます。

啓蒙が活発にされて他地域かどうかで地域格差が大きいこともあります。

(1回では不十分で免疫が落ちてくることが分かってきたので、2回接種になっているのですが)

1歳以上の風疹や麻疹の予防接種が2回以上であれば、

それ以上の摂取は受けなくていいといわれています。

母子手帳を確認していただければ、確実な摂取履歴がわかります。

杉並区の風疹に関する助成は、杉並区民への風疹抗体価と予防接種に対するものです。

風疹抗体価の検査は、19歳から50歳未満の妊娠を希望されている女性、

同じ年齢の上記の方のパートナーなどとあり、必ずしも結婚してなくてもよいようです。

杉並区民である書類をお持ちください。

検査は抗体価に関しては、普通の採血です。

先日もお子さんをご希望のカップルが二人で見えました。

結果は、1週間以内には出て、ご報告します。(データは郵送もいたします)

その結果によって、風疹予防接種の助成の額が変わります。

交代価の低い方には、助成があるのですが、男女で違います。(なんで?って感じですが)

予防接種は、麻疹もまだ流行することがありますし、

大概の方は風疹が1回の方は麻疹も1回の方が多いので、

また、風疹単独ワクチンは流通も少なく、MRワクチンをしています。

助成を使った接種費用は女性の場合0円、男性の場合、5000円です。

また、抗体価が区の決まりの値以上であっても、まったく安心できるわけでない値では、

1歳以上に2回接種が望ましいために、助成は使えないのですが接種した方がいいと考えます。

この場合はお一人、MRワクチン10000円です。

(女性は、ワクチン接種後、2か月避妊してください)

毎回、風疹や麻疹が流行するたびに、ワクチンがなくなってしまいます。

騒ぎの大きくなる前に接種が望ましいのですが・・・

まだワクチンは在庫があります。今のうちに・・・

なお、出産後の方の場合は、妊娠中の風疹の検査の結果で助成があるかどうか決まります。

その結果を調べておいてください。検査結果の用紙をもってきてください。

または、産科医院に問い合わせることもできます。

せっかく授かった命、余計な心配をしなくてすむようにワクチンの接種歴を調べてみてください。