ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

戸井口さん、ありがとう

2016-03-27 12:53:20 | 今までにであったさまざま

妊娠出産につまづいて傷ついて、子育てに心底悩んだ自分だからこそできる仕事をしたいと思っています。

でも、それを仕事にしようと思えるまでには、本当に長い年月がかかりました。

実に6年半。

実際にクリニックを立ち上げたのは、最初に思ってから13年。

長男の出産で、切迫早産・病院なのに助産師不在・会陰裂傷・再手術・・・さらに、その状況でも助産師からケアされず・・・

とても苦しくて寂しいお産だったと思います。

次男で、納得できるお産をと思いました。

そのお産で出会ったのが戸井口さんでした。

静かなたたずまいで熱い気持ちを持つ人。

多くを語らないけれど、深い思いやりを持つ人でした。

「人を支える」ということができる人に、私は初めてそのとき出会いました。

どんな思いもすべて吐き出させてくれた、何も否定せずに何も肯定すらせずに、言葉のまま思いのまま受け止めてくれました。

彼女を信頼して、彼女は私を受け止めてくれて、大事にされて、初めて私は母親になれたのだと思います。

 

10年ほど前にオーストラリアに移住。

何度となく助産師という彼女の天職に戻ってとお願いしたのだけれど、戻ってくれることはなかったです。

その後は、時々帰国のときに会う程度でした。

ほんとは、一緒に働くのも夢でした。

1年半ほど前に、悪性の病気の名前を告げられ、何度となくやり取りを重ね、行かなきゃって思ったけれど、少し遅かったです。

お休みをいただいたのは、きちんとお別れをするためでした。

会って感謝の気持ちを伝えたかったけれどかないませんでした。

優しい穏やかなあの笑顔を見たい、声を聴きたい。

でも、もうこの世では会えません。

何も、お礼らしいことはできなかったけれど、

何かできるとしたら、大好きな彼女に導いてもらった仕事を頑張ることです。

傷ついて悩んだ私だからこそできる仕事です。

 

「無理しちゃだめよ~」って声が聞こえてきそう。

よくそう言われたものです。

自分が病気なのに、忙しい私を気遣っての言葉はとても多かったです。

「ケアする人のケア」という言葉も彼女から教わりました。7

 

彼女と出会えたのは、とても幸運なことでした。

人との出会いは奇跡なのかもしれません。

私の人生のキーパーソンです。

苦しくてもがいていた私を真に支えて引き上げてくれた人です。

そういう奇跡的な出会いが誰の人生にもあるのかもしれません。

ただただ感謝をするのみです。

 

この旅は、ご家族や彼女の人生のさまざまな時期の友人たちがあつまり、彼女の人生を追体験するような旅でもありました。

「私は幸せだ」と人生の最終章で言い切った彼女は、本当にすごい人だと思います。

感謝の気持ちを、精一杯仕事をすることでお返ししたいと思います。

戸井口さん、本当にありがとうございました。

 

 これは、戸井口さんと私の3人目の赤ちゃんが2か月の頃(2002年)

古い汚れた写真を撮影したものですが、とても彼女らしい写真だなと思ったので・・・

スカートでなく写真が汚れてて・・・ごめんなさい。

 

 

 

 


23日から27日までお休みします。

2016-03-23 01:00:20 | グリーフサポート

ときどき、ブログに登場していた大事な友人でもあり、私をこの仕事に導いてくれた助産師さんが亡くなられました。

彼女のブログ「優曇華の花」も紹介したことがあります。

会いにいこうと思いたって約2か月。

やはり間に合わなかった・・・

ずっとオーストラリアで離れて暮らし、現実感がありません。

彼女は自分でなくなった後のことも指示してお別れ会の写真なども決めて、ブログの終了の文章まで決めていたそうです。

彼女からいただいたものは計り知れません。

私は、彼女に支えてもらって母親になれたのだと思っています。

救われたとも思っています。

トラブルの多かった初めての妊娠・お産・子育て…と続く中で、不安と疑問と悩みといろいろなモヤモヤが解消できず、

紋々とした日々をずっと過ごしてました。

お産でお世話になっただけでなく、その後もずっと支えてもらいました。

受け入れてもらって大事にしてもらって、再び歩みだすことができました。

私が仕事で一番大事にしている信念「母親を支えることがまずは大事、子育て支援は母親支援から」は、

彼女から支えられて、自分が大事にされて支えられる体験をしてわかった宝物です。

彼女を忘れることはないです。

仕事をする私の中にはいつも彼女がいます。

感謝とともに。

しっかり向き合ってお別れをしてきます。

23日の夜の便でパースに向かいます。

帰りは27日。

申し訳ありません。

お休みをいただきます。

連絡も取れなくなる可能性があります。

ご迷惑をおかけするかもしれませんが、お許しください。

 

 

 

 


4月からの「こもれびクラス」

2016-03-21 21:21:36 | グリーフサポート

この一年のグリーフサポートのクラス(講座だったりピアサポートクラスだったり)が先日終了しました。

毎月のこころのケア講座

(こころのケア講座はNPOレジリエンスのファシリテーター講座終了した講師が同じ内容同じ資料で行います)

年に三回ずつの「出産の振り返り」と「ポコズカフェ」

杉並区の社会福祉協議会の地域福祉活動助成費をいただいての活動でした。

やりたいという気持ちが先走っての手探りで始めたクラスでしたが、少しずつ定着してきました。

来年度は助成はないのですが、続けてやっていこうと思っています。

 

グリーフというのは、失ったものやそのことでの苦しい気持ちのことで、グリーフはいろいろなことで起こります。

大切な人との別れや別離。

自分の居場所でのいじめだったり(家庭・学校・職場などでの)

環境の変化だったり(引っ越しや転勤や転校などもこれにあたります)

出産も大きな変化で、喜ばしいことの中にグリーフは潜んでいます(口にしにくいですね、自覚もしにくいです)

思うようにいかない、思ってたようにはいかない子育てだってグリーフといえる出来事があるかもしれません。

私自身、大きなグリーフとの折り合いをつける人生だったので、だからこそ、こういう活動がしたいのだと思います。

グリーフのない人はいないでしょう。

でも、上手に折り合える人と、苦労する人はいると思います。

自分を大事にしつつ、自分の回復する力を信じて、歩き出す

そういうことを応援したいと思って、引き続きクラスを続けていきます。

4月からグリーフサポートという馴染みのない名前でなくひだまりらしい名前をということで、アイデアをいただき、

「こもれびクラス」という名前をつけました。

どのクラスも、自分自身としっかり向きあえるように託児のあるクラスです。

離れがたいという気持ちが強いようなら、考慮しますが、基本的に託児のクラスです。

保育士資格を持つ人も多いひだまり託児サポーターさんが、しっかりお子さんの託児を担当します。

短時間でも、集中して自分自身に向き合いませんか?

人の目を気にして子育てするのは苦しいことだと思います。

自分はどうしたいのか?

自分らしさって何か?

自分を大事にすることは、こどもを大事にすることでもあります。

自分を大事にすることは、他人を大事にすることでもあります。

今年度最後のこころのケア講座でアンケートをとりました。

「新しいことをたくさん知ることができた」

「今の自分にとって有意義な時間だった」

「自分と向き合い、自分を知る時間が持てた」

「日常生活の中で、知らず知らずのうちに自分を責めていたことに気付いた」

「こういった情報を知る機会はないので、自分を改めて見直す貴重な機会になっている」

などというご意見をいただきました。

 

来年度からは助成がなくなったので、参加費500円から1000円になります。託児1000円は変わりません。

子育て応援券・トイカードが使えます。

(経済的にむつかしい方はご相談ください)

こころのケア講座は、基本的に第4水曜日・午前10時から12時です。4月は27日です。

「出産の振り返り」と「ポコズカフェ」は、決定したらお知らせします。

必要な方に届きますように・・・

お申込みは、イベントカレンダーからお願いします。

 

 

 

 


4月からのひだまりクラス

2016-03-13 23:26:56 | クリニックからのお知らせ

スタッフみんなで、よりよいひだまりクラス、お母さんの応援になる実際に助けになるクラスを目指して、進化すべく変更していきます。

 

おおむね5か月までのねんねクラスは、今まで通り、産後退院すぐからでも参加できる首座ったころまで(自分で移動しない)のクラス。

一番不安な時期のクラスで、スタッフで手厚く支援していきたいと思っています。

スタッフは小児科医佐山・助産師伊藤・保育士村上の三人体制です。

なんでも聞いてください。

おもに、予防接種2~5か月の同時接種と計測・診察の予約をしていただけます。

午後にできます。

大変だと思ったけれど思い切って参加してよかった・安心できた・私だけじゃないんだ・・・と思っていただけるようにと願っています。

 

ねんねクラスの受け皿的にだれでもクラスとしていたクラスを新しく、はいはいクラスとします。

だれでもよいというのをやめます。

おおむね1歳までとします。

これは、寝ている赤ちゃんと歩いて動きまわるお子さんが一緒の空間にいるというのは安全を守り切れないということも理由です。

あんよが上手にできるお子さんは、あんよクラスにご参加ください。

はいはいクラスは、6~7か月健診・9~10か月健診・計測・診察・スケジュール通りの場合、予防接種はB型肝炎の三回目の頃です。

予約をいただければ、午後にできます。

この頃は、少しずつ自我ができて、興味が広がり、動きも少しずつ活発になるころ、この時期によくある悩みや課題があります。

やはり、いろいろなお母さんいろいろな赤ちゃんを知り、自分の子育てを考えてみましょう。

これでいい、という納得できるものを見つけられるといいなと思います。

 

次はあんよクラス、これは今までと変わらず、しっかり歩けるようになったらの参加です。

ただし、今まで月に一回はありましたが、より不安の強い、小さいお子様のクラスを増やすため、

また、クラス以外の一般の外来や母乳育児支援外来を充実させるために、

あんよクラスは二か月に一回のクラスにします。

それまでに、ひだまりクラスだけでなく、いろいろなところにおでかけができるように・・・という願いを込めています。

もちろん、最初から、どこにでもガンガンでかけられる人もいますけれどね・・・

あんよクラスを少し減らすことをご理解いただけますように・・・


スペシャルイベントもより楽しく充実した企画を練っていきたいと考えています。

リクエストもどうぞ!


そして、新しく、復職講座を何回かしてみて、小児医療もおっぱいの話も育児の話も、それぞれは短時間ではできないと考え、

あらかじめ、小児科医から・助産師から・保育士から、子育てで知っておくといい専門家であり子育て経験の母からとしても、

お伝えしたい内容の講座をしていきます。

今復職講座でしているような、午前のみのクラス。午後の開放はありません。

でも、内容充実です。

佐山からは、小児医療講座、知って安心・納得の医療を目指す講座です。

症状別の重症度の見方・ホームケア・医療の利用の仕方・事故予防・予防接種・・・基本講座と質疑です。

助産師伊藤からは、おっぱい育児のすべて(この場合ミルクを足していても母乳をあげていたら母乳育児です)

幸せなおっぱい育児をサポートする、知っておきたいこと、ちょっとしたコツ、抱っこのことも添い寝添い乳のことも・・・

楽で楽しい、セルフケアができるように自信が持てるようなお話しをします。

保育士村上が担当するのは、今までも人気講座だった子どもの発達が順調なゆえに起こってくるイヤイヤ期の悩みについてです。

子どもの示す、親からはうれしくない感情や行動はどうとらえてどう対処したらいいのか・・・

今後の子育てず~っとに参考になる話がいっぱい詰まっています。

(私にも参考になってますよ)


この3講座を定番講座に据え、毎月順番に開いていく予定です。

内容もより良いものにしていきます。

この3講座を聞いておけば、年度末になって復職講座を受けなくっても大丈夫、というくらいの、より充実したものにしていくぞ!と

三人とも張り切っています。


お楽しみに!


明日、15日10時から、4月のひだまりクラスの申し込みが開始です。

来月のスペシャルイベントは豪華ですよ~

以前もきてくださった吉田穂波先生が来てくださいます。

私も、楽しみにしています。



 

 

 

 


4月から新しい体制で母乳育児相談を始めます

2016-03-12 22:59:42 | クリニックからのお知らせ

続けてのお知らせです。母乳育児相談も少しずつ進化中です。

10月から、おっぱいDay(滞在型の母乳育児支援の日)と個別相談を始めました。

定期的に母乳育児支援外来としてオープンすることになりました。

担当は助産師さん二人が担当します。

小児科外来と一緒に行います。

マッサージするだけでなく、マッサージに頼らなくってもよくなるように、自分でできるような支援を目指します。

抱き方・姿勢・飲ませ方・タイミング・・・いろいろな疑問にお答えします。

計測・診察もしますので、体重増加やミルクの足し方なども納得して進められると思います。

もちろん、身体の心配・育児の困りごと・予防接種スケジュール・・・何でも聞いてください。

助産師さんがいて、母乳育児支援外来をする日を以下に書きます。

4月

13日 ねんねクラスに合わせて

15日 午後

19日 午後

22日 おっぱいDay

26日 午後

5月

6日  午後

10日 午後

13日 おっぱいDay

17日 午後

20日 午前

23日 午前 

27日 午後

週に2回くらい入れるようにしました。

ご希望が多くなったら、もっと入れられるようになるかと思いますが・・・

必要な人につながれますように・・・

あとは、子育て応援券が母乳相談で使えるといいのですが・・・

料金設定は、今までと同じです。

初診5000円再診4000円

ねんねクラスのあとでは、2000円

おっぱいDayはお昼もお出しして5000円です(これはお得!一日質問し放題です!)

ひどくならないうちにセルフケアできるようになるのが理想ですね。

そんな知恵と自信を差し上げたいとおもいます。

小児科医と助産師がタッグを組んで、よいケアを目指します。