ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

Q 3歳の子がわがままだったり乱暴だったりで困ってます

2015-07-27 14:40:40 | 質問コーナー(読者さんから患者さんから)

勝手に質問コーナーを始めてみます。

ときどき、メールでくださる質問の答えをやり取りしたりするのですが、

中には、このことで悩んでいる人は多いな・・・と思う質問もあるので、

ブログの記事にすると、ちょっとヒントになったという方がいらっしゃるかも・・・と思いまして。

新しいカテゴリーを作ってみました。

この質問も、最近何人かから聞きました。

 

質問

「今3才3ヵ月の女の子のことです。
だいぶ自我も目覚め色々な事にチャレンジしたがり成長してるなーと毎日気づくくらいお姉さんになってます。
ただ反抗期?なのか最近とてもワガママで困ってしまっています。
何でもイヤイヤといい(仕方ないとは思ってます)何が嫌か尋ねると怖い顔をしてプイとします。
約束だよっとお願いしても気にくわないとおお泣きです。
一番の悩みは暴力的な事で対象は主に弟(1歳)と私で叩く、蹴る、押す…
ダメだよと言うと余計エスカレートしてしまいます。
さっきも寝かしつけていたら暴力がひどくなって、私も強めに背中を叩いてしまいました…すごく傷つけたと思います。
泣き声でパパが仲裁に入ってくれたけど、自分がどうしていいかわからなくなってしまいました。
親が一緒になって叩いたりしたらダメ、冷静にならなきゃとわかっているのにイライラが抑えられませんでした。
怒った後は大人げなかったと反省してギューっと抱きしめなきゃいけないと反省はするんですがなかなか自分でも上手くいきません。
イライラして怒った時は『もう!外に出すよ』『痛いことするなら同じ事するよ!』『早くしてよ!』とか最低な怒り方をしてしまいます。

無意識に弟を優先にしてしまっていて、上の子に対して愛情が足りないのでしょうか?
さみしい思いをしてるのでしょうか?」

答え

「毎日お疲れ様です。

お姉さんになったんですね。
育ったからこその反応かもしれないですね。
 
お母さんご自身がストレスが子育て以外にないですか?
その状況の中で、成長で、今までと違う反応のお姉ちゃんに自分が対応できてないのかな?
子育てする人には本当は余裕が必要なんですよね。
余裕というか、子どもに巻き込まれないだけのバランスよい自立というか。
 
でも、そんなことがきちんとできる人はなかなかいません。
毎日が失敗の連続。
私もいまだにそうですよ。
今、私は思春期の女子に手をやいてますから。
 
自分に余裕があったら、あまりゆさぶられることなく、ダメなものはダメだよといって、お願いすることもなく脅すこともなく、いいと悪いとわけて伝えるだけってことができるかもしれません。だから、自分の余裕を保つことは大事だと思います。
 
もう一つは、l子どもはほめられたいんだと思うんですが。大好きなお母さんにほめられたいんです。
ほめるところって、なかなかないんです。わかります。
ダメだから叱るんだよ~
ほめるところなんてないもん~と思っちゃいますよね。
でも、ほめてほしいからほめてもらえないと悪い子になっちゃう子っているんですよ。
 
悪い子になってでも、お母さんと接したい注目をあびたいってことなんですよ。
切ないくらいでしょう?それがお姉ちゃんの本音かも。
 
大好きなお母さんに認めてほしい、ほめてほしい、もっと甘えたい。
だけど、ほめてもらえない。
なら悪い子になっちゃえってことがありますよ。
これは、当のお母さんにはわからなくって、意外にちょっと距離感のある傍にいる人にはわかりやすかったりします。
 
お姉さんになったところでほめられることを、素直に笑顔でほめてあげたら何か変わるかもしれません。
せっかく「お姉さんになった」と自分でも気付いているんですから。
 
お母さんは日々修業ですよね。
自分のいやな面を見せられて落ち込んでしまって、それがまた悪循環になってしまうこともありますね。
だから、こ~んな手のかかる子育てをよくやってるよくやってるって自分をほめてあげてね。
本当によくやってますよ。
 
親も子どもに育てられているってことも言えるかもしれません。
子育ては一人ではできないですから、いろんな人に頼って、手も借りて、ぐちを言って・・・
自分を良い状態に保って子どもに向き合うといいのではないかなと思います。
 
本当は、私にとっても難しい。
何年たってても難しいです。
そんなこと簡単にできるわけではないですよ。
だから、えらそうなことをいうのは実はつらい、自分ではできないのに・・・人に言うなんてね~って一人で落ち込んだりしたものです。
でも、仕方ない、それが自分だしね。
ありのままでいいんですよ。
お母さんのありのままで、自分を許してあげてね。
ダメだダメだと思っても、なかなか浮上しないですから」
 
そうしたら、こんなお返事が・・・
 
「きっと注目あびたくてワガママになっているんだと思います。
1才の弟はまだギャーとならないからついつい比べてしまって、おねえちゃんはワガママと思ってるところが沢山ありました。
なかなか相談できる人がいなかったから私も知らずにストレスためて八つ当たりしてたのかもしれないです。
昨日パパにも話を聞いてもらってだいぶ楽になりました!
先生の言葉もかなり心に染みました!

気分転換して気持ちをリセットしてまた子育て修行したいと思います!
まずは沢山誉めて子どもの笑顔で元気もらおうと思います(^-^)」
 
よかったよかった・・・
 
そうはいっても、子育てはうまくいくときもうまくいかないときもありますね。
(こちらの対応のこと)
 
ほんと、悩んでいる人は多いだろうと思います。
周りのサポートによっては、深刻になっていくことだってありますね。
 
子どもの対応、今日はちょっと良くなかったなと思っても、失敗したなと思っても、次は何とかしようと思ってまたチャレンジするのが大事だし、
それを見て子どもは、いろんなことを学ぶと思います。
失敗してもいいんだとか、何度でもやり直せるんだとか、お母さんとはずっと仲良しでいられるんだとか。
子どもは、大事だからこそ一生懸命になって、ときにはうまくいかないこともわかってくれるのではないかなと思います。
 
自分の余裕はとっても大事。
 
子どもは、認めてほしい・お母さんに見ててほしいので、注目をあびるために悪い子になっちゃうこともある。
 
少し、距離感を持てると、子どもの感情に巻き込まれなくっていいこともある。
 
 
自分を大事にしながら、子どもとも落ち着いて接することができるといいですね。
 
子どものいや!も大事な感情ですから、それをすべて受け入れるのでなく、ただ受け止めてあげる余裕を大事にしてくださいね。