ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

ビタミンDのサプリメントのお話

2018-09-20 22:37:43 | クラス日記

今日のねんねクラスは、体調不良のためのキャンセルが多かったです。

ちょうど、ビタミンDのサプリメントのお話を販売されている森下仁丹の担当者の方に

お願いしたクラスでした。

ここ数年、学会に参加して興味を持っていた子どものビタミンD不足問題。

それを解消するためのサプリメントがあるのを知ってはいたのですが、

サプリメントを赤ちゃんにというのは抵抗があるのかなぁなどという思いもあって、

お勧めするまでには至っていませんでした。

ビタミンDは、食べ物から接種できる他に、皮膚に紫外線があたり、合成される物質で、

消化管でのカルシウム吸収や骨を強くすることで、子どもの成長に大切なビタミンです。

不足すると、ビタミンD欠乏性くる病という骨の病気になります。

女性にとってもとても大事なビタミン、妊娠を意識したら接種しましょうといわれています。

女性のビタミンD不足は生まれてくる子のビタミンD不足にもつながりやすいからです。

紫外線の害が強く言われすぎて、紫外線対策に目がいきがちですが、

適当に紫外線にあたりビタミンDを増やすことも大事なのです。

日本は、日照はある程度強い国で、つくばであれば、

7月なら3分、12月であれば20分ほど、外で陽にあたれば

赤ちゃんの一日接種量の5.0㎍合成されるといわれてます。

この量を食事で摂るためには、鮭の切り身で30g程度、干しシイタケで20個になるそう。

魚や卵黄に豊富に含まれているのですが、離乳食ではなかなか追いつかなさそうな量ですね。

離乳食がなかなかうまく進まない場合も気になります。

偶然にも、今日の朝日新聞にも、

「ビタミンD欠乏症の子 増加仲」という見出しの記事がありました。

記事によると、ビタミンD欠乏症と診断される子どもの割合が1~15歳の子どもの場合、

2009年は10万人に3.88人だったのが

2014年には10万人に12.30人になり、5年で3倍以上に増加したとのこと。

母乳で育つ赤ちゃんも、ミルクでは添加されているので、リスクが高いといわれてます。

記事とサプリメントのリーフレットを院内に掲示しておきます。

予防的な観点からも、一つの選択肢としてよいかなとおもいました。

 

 


初めての予防接種講座をしました。

2018-07-03 16:19:34 | クラス日記

ひだまりクラスで予防接種講座をすることは今までありませんでした。

ひだまりクリニックでは、予防接種の大切さをよく理解されている方が多く、

その上での接種についての質問には、接種日の説明の後に質問を受け、

それぞれ個別対応で行っているからです。

同時接種がどうしてもいやとか、破傷風のみ受けたいとか、まれなことではあるのですが、

そういうことにも個別対応してきました。

で、いつしか、私は、世の中には予防接種が嫌で受けさせていない人はそんなにいないという錯覚に陥ってました。

もちろん、保健所の勤務などでは、わずかながら、予防接種欄の真っ白な人もいるのはわかってはいましたが。

クリニックに見える方からは、予防接種の講座をしてほしいというリクエストは全くなく、

いつしか、その必要性は感じなくなりました。

今回は、知ろう小児医療守ろう子どもたちの会のあまさんに誘われてやってみたのです。

「予防接種 講座」で検索すると、予防接種に否定的な講座の開催ばかりなんだそうです。

普通の予防接種講座って確かに少ないです。

母親学級を何年もしている私も、ひだまりクリニックでは初めてでした。

そして、参加者は、いつもひだまりクラスに見える方とは、まったく違う顔ぶれでした。

それで、ちょっと緊張してしまった私・・・

予防接種で予防できる病気(VPD)について、それぞれの病気のことと、ワクチンのことを

一つ一つ取り上げていきました。

参加者の方に、最初に自己紹介をしていただいて、予防接種が怖くなってしまったきっかけなども

お話いただきました。

やはり、ほとんどの方に、それぞれに何かのきっかけや背景がありました。

でも、わざわざ暑い中お話を聞きに来てくださった方たち・・・

一生懸命に聞いてくださって、ありがとうございました。

うまく伝わったかな?

子どものことを考えてあえて接種しないのだというのは、よくわかっています。

それでも、接種しないことでの危険やデメリット、接種することの安心やメリット。

伝わったでしょうか・・・

これをきっかけに、年に何回かはやっていこうと思いました。

必要なことと改めて思ったから。

できたら、妊婦さんや接種する前のお子さんをお持ちの方に届けられたらうれしいなと思います。

 

 

 


今年も復職講座をしました。

2018-03-09 15:49:32 | クラス日記

年度末・・・なんとなく気忙しい季節です。

入園、転園、卒園、入学、卒業、入学・・・

お母さんが職場復帰される場合は特にそうでしょう。

ひだまりクラスの参加者も、復職をされる方も多いので、4月でなんとなく入れ替えみたいになります。

女性の人生、なんと選択の多いことでしょう。

女性は産む性だから、選択もより増えるのではないかと思います。

結婚するか、子どもはどうするか、復職するか、保育園はどうするか、

選択があいまいな気持ちの上だと悩むことも多くなるような気がします。

働く選択、子どもを保育園に託す選択に納得できているかどうか、それが大事な気がします。

復職講座は、働き始めることを選択されたお母さんの不安を少しでも減らすことができたら・・・という思いで始まりました。

ひだまりクラスの復職講座は、保育士と助産師と小児科医の私が三人お話します。

保育士さんが保育所のこと、保育士に子どもを託すことについてお話があります。

ママのように保育士さんを信頼できるようになるには保育士とお母さんの信頼関係も大事ですね。

助産師さんからは、保育園に入ったらこんなにおっぱいが好きな子なのにどうしたらいいんだろうとか、

離乳食との兼ね合いについてとか、入園したら卒乳になっちゃうのかな?という不安についてのお話があります。

私が一人で復職講座をしてたときも、言ってたのですが、入園と卒乳を一緒の時期にしない方がいいですよということがあります。

入園という一つのストレスがあるのにおっぱいをやめるということも同時期だと、余計に子どもは不安定になりやすいからです。

必ずお母さんが迎えに来てくれる、安心できるおっぱいをくれる、そう思えると保育園により慣れやすいのかと思います。

そして、私からは、病気のお話です。

集団生活と病気は切り離せません。

ずっと鼻水が出てますという人もいます。

だんだんお母さんもたくましくなってきて、

お鼻は少しでてるけれど元気なので予防接種やってください、とたくましくおっしゃるお母さんも出てきます。

子どもが病気になるのは当たり前で正常なことです。

ならないことの方が不思議なくらいです。

病気はむやみに恐れないでほしいということをいいます。

お熱は数値だけでなく、他に変わったところはないか・・・をよく観察してくださいね、と。

そこで紹介するのが知ろう小児医療の会のこどもからだメモです。

お医者さんに、経過を伝えるためのお役立ちツールです。

病気になったときに、お母さんは自分を責めることが多いですけれど、決してそんなことはないんです。

子どもの病気は、ほとんどが感染症。

感染の原因のウイルスや細菌が体内に入って増殖した結果です。

そして、ほとんどが自分で治すことができるウイルス感染症です。

でも、一部にその他の重大な病気が紛れ込んでいます。

そういうときは、「ここがおかしい」「何か変」「いつもと違う」を感じるはず。

それを伝えることが大事です。

この辺は復職するしないに関わらずなことですが。

そのほか、腸重積についてとか、熱性けいれんについてとか、窒息のときの対処などを駆け足でお話しました。

 

復職は、新しい生活の始まりです。

お母さん頑張るね、だからあなたもがんばってね!保育園は楽しいよ!と保育園に送りだしてあげてください。

お母さんがお母さんを生き生きといきることは大事ですね。

自分の中の働くという部分を改めて考える機会です。

自分を自分らしく生きる姿は、子どもにいい影響があると思います。

自分らしくの中に仕事が入る人は働くことを再開すればいいし、そうでない人は仕事をしない自分らしさを大事にしていけばいいですね。

復職後も、復職しない人も、ひだまりクリニックはいつまでも、お母さんを応援してます。

困ったことがあったとき、煮詰まったとき・・・

クラス以外で予約なしの集いがあります。

保育士担当のひだまりカフェ

助産師担当のワンコインday

これらは月に一回あります。

子育てに不安や悩みがあるときは子育て講座トリプルPもあります。

保育士さんが担当する2歳から就学前までのプログラムです。

イベントカレンダ―から申込みすることができます。

新しい生活、応援してますよ~~

一方で、働かない選択をされた方は、今までのお友達が急にたくさんいなくなって、

社会から取り残されてしまったみたいな気持ちを感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

それも自分の選択。

自信をもって進んでくださいね。

自分の選択した人生を自分らしく進んでください。同じように応援してます。

 

 


今日はひだまりカフェでした。

2017-08-17 16:13:43 | クラス日記

ひだまりカフェは、月に一度9時から12時までオープンしている出入り自由な場です。

ひだまりクラスをしている二階で保育士の村上さんが担当してくださってます。

今日は、朝の仕事がなかったので、参加しました。

身体計測もできるので、それが目的の方もいました。

赤ちゃんだった子たちがしっかり歩いたりパタパタ走ったり、かわいく主張したり、

それぞれの成長が、とても楽しい場です。

夜泣きの心配や保育園のことなども話題になりました。

ひだまりの外で、いろんな経験を積んでいくおかあさんとお子さんを頼もしく感じました。

泣いてしまうような悩みごとでも大丈夫です。

しっかり村上さんが受け止めてくれます。

来月は、5日です。

お気軽にどうぞ~!


2回の復職講座を終えて  熱性けいれんのことも・・・

2017-03-02 21:52:36 | クラス日記

復職・・・

保育園探しから始まって、ようやく決まったら急に不安になってきた・・・ということもあるでしょうね、復職。

2月3月にここ数年復職講座をしています。

去年は、希望者が多かったので、同じ内容の講座を3回したのですが、ひだまりクリニックですので、10人そこそこ・・・

今年は、よいご縁をいただいて、和田ゆうゆう館という場所で広々と20人ほどで2回の復職講座をしました。

本当にありがたかったです。

去年とは、お話しの順番を変えて、保育士の村上さん、助産師の伊藤さん、そして私の病気の話としました。

この方が絶対いいと思いました。

 

保育園に入ること自体が不安の最初ですものね。

保育士との信頼関係を子どもは見ているという話。そうそう。

子どもは感じる天才ですからね。

子どもがお母さんと離れて泣くことも当たり前で悪くない、しっかり絆ができてるからですものね。

でも、泣かないタイプの子もいる。そこはそれぞれですね。

 

おっぱいのあれこれの悩みも具体的にお話ししてもらえました。

卒乳しようかどうしようか・・・と思っている方もいるかもしれませんが、保育園という環境の変化と安らぎの大きな意味になる

おっぱいをやめるのを同時進行でするのはお勧めしません。

しばしば、保育園に入ってすぐの病気でおっぱいやめないでいてよかった~という声をききます。

保育園になれてから、ちゃんとママは迎えにきてくれていつもの生活はこれになったんだと子どもが受け入れてからの方がいいと思います。

 

病気の話では、本当にいろいろお伝えしたいことがあるのですが、時間が限られているので、最初にいいたいことをいいました。

それは、病気になったことに罪悪感を持たないで!ということです。

病気は病気。

誰だってなるし、いつだってなるし、重い時も軽い時もある。

また、珍しい病気にたまたまなることもある。

仕事をしてたから?もっとケアできてたらこうならなかたかも?

そう考えてしまうお母さんはとっても多いし、無理ない感情かもしれませんが、そんなことはないんです。

子どもの病気は、多くは感染症。

集団に入ると、(それが早くても遅くても)感染症にかかって強くなっていくんです。

それが、子どもの普通の姿です。

知って安心することができるようにと願ってお話ししました。

と、ここまで書いて、二回目の病気の話に熱性けいれんの話をするのを忘れたことに気づいた

熱性けいれんは、10人に1人くらいの割合で起こすので、かなり高率です。

熱による脳の興奮でけいれんが起きるのですけれど、呼吸が弱まり低酸素になるので脳の興奮がおさまり、自然に止まります。

5分以内にはとまるのが普通で、繰り返さないのも特徴です。

それから、左右差もありません。

右半身のけいれんが強いとか、目が横(左右どちらかの)を向いて白めになっているというのは左右差があるということです。

つまり

熱が出ているときに、5分以内に自然にとまり意識も呼吸も顔色ももどり、左右差のない、繰り返さない(24時間以内に)けいれんは

それほど心配のない単純な熱性けいれんです。

6か月頃から多くなります。(6か月未満のけいれんは心配です)

どれくらい続いたかと左右差はなかったかは受診時聞かれることですので、観察しましょう。

けいれん中は、衣服を緩めて安全な場所に横にします。

吐いたときは、横を向かせて口の中から吐物を書き出してあげてください。

名前を呼んでゆすって刺激したり、口の中に舌をかまないようにとモノを入れるのはNGです。

…というような内容のことを今日はすっ飛ばしてしまいました~

持ち時間30分(それでもオーバーしたけど)というのは、時間配分が大変!

今日は発熱でしゃべりすぎました~反省!

そう・・・講座ごとに反省は必ずでてくるんですよね~

 

働くことに納得していてほしいなと思います。

そうであると、気持もきりかえやすいからです。

「お母さん、頑張ってくるよ。あなたもがんばってね!」と明るくいってきます~とあいさつできるといいですね。

いろんな悩みがあるのは当たり前ですが、自分に優しくね、とお母さんたちには言いたいです。

 

働かないことを選択したお母さんも応援したいと思います。

 

春はいろんなことが変わる季節。

お別れの季節でもあり、出会いの季節でもあり・・・

前を向いて歩いていきましょう~