ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

年末年始のお役立ち情報~当院助産師から~

2018-12-30 17:07:27 | 医療情報

助産師の伊藤です。

年の瀬ですね〜
一昨日、一旦の締めとして、母乳育児相談を年内終了とさせていただきました。

...

今年もたくさんの方とのご縁をありがとうございました😌

年末年始のお休み中にすこし役立つかなぁという情報をまとめました。

おっぱいのトラブルの予防ともしトラブルになった場合の解決へのヒントです。

子どもたちが横で賑やかな中まとめましたので、誤字や読みにくいところはご勘弁ください (゚o゚;;

必要な方に届けばと書いたので、こんな文章で申し訳ありませんが、シェアしていただいて構いません〜。

①食事など
結論から言えば、美味しくみんなと食卓を囲んでくださいね。何がダメという特定のものはありません。お母さんが楽しそうなのは、お子さんにとってとても幸せなことです(^^)

少し気をつけてあげることは、年末年始など含め行事の際は、お子さんも楽しく、普段より授乳の間隔が伸びたりすることがあります。
間隔はいつも通り。
できればお子さんが落ち着く環境で授乳をしてあげてください。

また、お出かけなどで、長時間抱っこ紐の装着ややバックを抱えたりなど局所的な乳房の圧迫は避けましょう。

長時間のお出かけは、疲れが溜まってしまいますから、お母さんもお子さんもマイペースで休み休みで、、、

②お母さんが風邪などを引いた時
風邪、またはインフルエンザであっても、母乳中にウィルスまたは細菌が出てきてしまうことはありません。
(インフルエンザの予防であれば、まずは大人がワクチンを打つことが有効です。接種後授乳しても問題ありません。生後半年以降ならお子さん自身の接種が可能です。)

まずは、お子さんにうつらないようにマスクと手洗いで接触経路を断つ工夫が必要です。

お母さんの母乳中には、罹患中の感染症と戦う免疫がたくさん流れ込み、お子さんへ。
お母さんのかかっている感染症にお子さんがかからないよう、母乳の質を変化させます。
(そういう意味では風邪の間も授乳するのは利益がありますね。)

また、薬の影響を心配して、授乳を控えるなどがあると、トラブルの原因になります。
基本的に解熱剤や抗生剤は乳腺炎のときも処方されるお薬ですので、授乳は問題ありません。
成育医療センター 『授乳とお薬』
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/

理想的なのは、誰かにお子さんを見てもらえて、ゆっくりお休みできて授乳だけというところですが、、、そういう体制ができますように。

③もし、しこりや痛み、発赤、発熱した場合
まずは、しっかり吸わせましょう。
もし、痛みやだるさがある場合は、鎮痛剤を服用し、薬の効果で痛みを和らげることによって乳汁が外に出やすくなります。
薬は②を参考にしてください。
24時間以内に症状が和らいだ場合は、親子で切り抜けられている証拠です。
もし、改善しなければ、対応が難しい場合もあるかもしれませんがご相談ください。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/8c516e57400984

さいごに
うっかり授乳間隔が空いたり、お子さんがみんなと楽しみ授乳に集中できてなくても③の対応で十分挽回できますから、ゆっくり羽を伸ばせる方は伸ばして来てくださいね〜

参考
乳腺炎のガイドライン
http://jalc-net.jp/dl/ABM_4_2014.pdf

では、良いお年をお迎えください。
また来年もよろしくお願い致します。

 

以上、ひだまりクリニックのフェイスブックでの情報です。

とてもよくまとまっているので、許可をもらってこちらでも。

年末年始は、いつもと違うペースでの生活になりがち。

お客さんが来たり、訪問したり、旅行にいったり・・・

そういう点では、おっぱいのトラブルだけでなく、事故も起こりがちですね。

環境がお子様仕様になってないこともあるでしょうから。

お気をつけて、楽しい年末年始をお過ごしください。

 

 


小児科学会の予防接種スケジュールの改訂

2018-09-30 16:14:05 | 医療情報

8月1日に、小児科学会の予防接種のスケジュールの改訂がありました。

任意接種の追加をお勧めする改訂です。

各地で小学生の百日咳が流行するのは、赤ちゃんの時の予防接種の免疫が低くなるからです。

それを受けて、小児科学会が三種混合の就学前の接種を追加接種を推奨してます。

それと同時にポリオの追加接種も、抗体価が減衰する前にと、同時期の追加接種を推奨してます。

かつて、この年長さんにあたる方たちがしていた三種混合と不活化ポリオです。

その後四種混合(三種混合に不活化ポリオを合わせたもの)がでてきて

それを接種していた方たちには四種混合の追加を勧めるのでしょうか?

すでに、切り替え時期には最初三種混合と不活化ポリオをしてその後の接種に

四種混合をしていた方もいたので、今回も三種混合と不活化ポリオの接種でなく、

四種混合の接種をしたらいいのではないか、その方が2回の注射でなく1回ですむし、

任意接種なので安くすむではないかと思うのですが・・・

小児科学会の推奨は、三種混合と不活化ポリオの別々なのです。

これは、調べてみたのですが、なぜかとはっきりした答えは理解できないままでした。

有効な抗体価があがるという結果がでてないからでしょうか。

(はっきりしたら、また書きます)

四種混合ワクチンは三種混合ワクチンに比べるとずいぶん最近認められたワクチンだから、

なのでしょうか?

この辺がすっきりすると、四種混合を推奨するという改訂がされるのでしょうか。

早くそうなったらいいと思います。

さらに、就学前と限定せずに、

抗体価の下がっているだろう小学生にもお勧めすればいいのにと思います。

二種混合の定期接種を三種混合に変更する(ただし任意接種)という提言も

小児科学会ではされています。

そして!必要なワクチンなら、定期接種にすべきだ!と声を大にしていいたいです。

 

さて、もしも、3種混合と不活化ポリオのどちらが優先かといわれると、

3種混合といえるのではないかと思います。

百日咳の方がリアルにありうる病気なので。

赤ちゃんのいらっしゃるご家庭・生まれる予定のご家庭では上のお子さんのワクチンが大事

とも言われています。

 

以下に、ひだまりクリニックの任意接種の価格を書きます。

先ほど決めました。

三種混合     3000円

不活化ポリオ   7000円

四種混合     9000円

年長さんのワクチンは、定期接種MRワクチンと任意接種おたふくかぜの2回目だけでしたが、

三種混合やポリオ(または、四種混合)も任意接種で推奨されるワクチンとなりました。

おたふくかぜは4000円です。

早く定期接種化されることを切に望みます。


自動車内への閉じ込めによる傷害

2018-07-29 16:26:38 | 医療情報

熱中症の緊急提言の記事の最後に車においたままでということは絶対だめと書きましたが、

閉じ込め事故は、その場を離れるつもりでなくても起きています。

小児科学会のInjury allertの中に記載があります。

これによると、子どもに鍵を持たせていて、車内から子どもがロックをかけてしまった場合とか、

何もしてないのに、誤動作でロックがかかってしまった場合とかがあるとのことです。

悪条件下では10分ほどで車内が子どもにとって致死的な環境に変わってしまうとあります。

夏場ばかりでなく、車の雪かきのときに、子どもをエンジンかけた車内においておくのも危険とのこと。

排気ガスが車内に充満して一酸化炭素中毒になるという場合もあると書いてあります。

夏のおでかけも増える時期、お気をつけください。

 

 


「熱中症に関する緊急提言」が出されました

2018-07-24 01:05:49 | 医療情報

日本救急医学会 の熱中症に関する委員会から緊急提言が出されました。

小児は、熱中症弱者とされています。

睡眠や食事や体調なども影響するので、朝食抜きや睡眠不足などにも注意しましょう。

保護者の「いつもと違う」が大事だと書かれています。

大量の汗をかいている、顔が紅潮している、おしっこが少なくて色が濃い、などの症状に要注意。

対処法も具体的にチェックシートで書かれています。

暑さ指数が高いときは・・・

おでかけは控えめに、または、比較的気温の低い早めか夕方遅く、が望ましいです。

乳幼児はいつも一緒にいて観察してあげてください。

赤ちゃんの場合は母乳かミルクでいいです。

離乳食が始まっていても、お茶になじめてない水分補給はうまくいかないという場合は、

一番慣れている母乳か哺乳ビンで。

もちろん、おうちでも冷房を使ってください。

念のためですが・・・冷房をかけているからと車に置き去りはもってのほかです。

犯罪行為にあたるのでは?とすら思います。

 

 

 

 

 

 


子宮頸がんワクチンのこと

2018-07-11 12:10:38 | 医療情報

日本だけで、年に約3000人の命が子宮頸がんで失われています。

さらに、約10000人が子宮摘出をされます。

今日本で承認されている子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)を接種すると、

6~7割の子宮頸がんが予防できるといいます。

3~4割は予防できません。

健診をすれば、早期に前がん状態がみつかり、癌を予防することができます。

ワクチン接種率85%健診率85%を達成できれば、癌は95%よぼうできると試算されているそうです。

2013年6月にワクチンの積極的勧奨が止められて(定期接種ではあるので希望するなら接種は可能)、

丸5年になりました。

マスコミでの副反応報道で、日本では接種率0.5%とのことです。

多くの専門家がその副反応に本当に因果関係があるかは疑問と考えています。

WHOも、日本の今の状態はよくないという意見も発表してます。

私自身も、自分の娘が接種年齢にあたり、どうしたものかと思っていました。

接種年齢が思春期で多感な女子に接種するもので、因果関係には疑問と思っていても、難しい・・・

子どもにも納得して受けてもらいたいし・・・

受験前のいろいろな悩みがあるときには、接種するのはためらわれました。

で、待ち構えていたように、受験の終わった4月と6月に接種しました。

あとは、半年後に3回目を接種したらスケジュール終了です。

 

最近、この話題の講演会を聴く機会がありました。

名古屋市の調査でも、24種類の多様な症状は接種群と被接種群で有意差はなかったという結果でした。

(24症状は男子よりも女子に多かったという結果もでています)

接種した率(だいたい7割とのこと)の多い1994年から1998年生まれの方と

それ以降(接種率約0.5%)の前がん状態罹患率の差がすでに出ているという話がありました。

 

このままの状態で行けば、先進国で子宮頸がんが予防されていく中、

日本のみ子宮頸がんが予防されないままに、むしろ少しずつ増えていくのではないかと心配しています。

さらに、発症年齢がどんどん若年化している病気でもあります。

出産前に発症する率もどんどん上がっているといいます。

子宮癌はQOLが非常に低下しやすい癌でもあります。

 

セクシャルデビューの前に接種することが大事なワクチンですから、

結局思春期の多感な女子にということになります。

(男女ともに定期接種という国もあります。集団免疫効果は男女ともの方が高いそう。

男子にも尖形コンジローマ予防効果があります)

難しい問題ですし、世間の評判がなかなか戻りにくいということもわかります。

でも、専門家は残念に思っていること、意味を理解し接種する人もいること、

定期接種であることには変わりないことをお伝えしたいと思いました。

村中璃子さんの「10万個の子宮」という本もひだまりの本だなにあります。

ご興味ある方はご一読を・・・

貸し出ししています。