ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

ケータイ母子手帳

2011-06-29 22:42:52 | 医療情報

予防接種の情報をもう一つ。

ケータイ母子手帳というのがあるのをご存じですか?

赤ちゃんの生年月日を入力するだけでスケジュールが自動的に完成!

接種時期にお知らせメールがきたり!

予防接種についても、基本情報から難しい医療用語の説明もあります。

スケジュール管理が楽だという話を聞きました。

もちろん。そうはいっても、予定通りにいかないこともあるでしょうが・・・。

健診で、どちらを優先すべきですか?と聞かれることがあります。

いろんなことを考えて答えを出します。

そのときの流行状況とか、

不活化ワクチンだったら何回すでに受けてるかとか、

その子の月例・年齢とか、

集団生活をしているかとか、

兄弟関係や同居かとかの家族構成とか、

旅行先は?とか、

その他もろもろ。

微妙なところでは、ちょっと考え方が違う医師もいるかもしれません。

今回の同時接種については、因果関係はないということで、やはり同時接種を勧める先生が多いと思いますが、

やはり、同時接種には慎重に・・・という先生も中にはおられます。

日本では、乳児突然死症候群が年に150人はいるということ。

予防接種の後にも同じ頻度で起こってくることなのです。

予防接種が原因なら、直後だけ死亡率が高くなるという現象が起こるはずですが、そうはなっていません。

基礎疾患のない赤ちゃんがなくなっているけれど、予防接種が原因でないということと考えるのが科学的には妥当であると、もっと丁寧に説明したいと思います。

あやふやな説明や報道では、余計に不安になるばかりだと思います。

やっぱり危険なのね!と考えてらっしゃる方が多いように思います。

もちろん、心情的な不安はぬぐえないでしょうから、それぞれの気持ちで単独にしたい方にはそれも選択できるのがいいとは思いますが。

7月3日に、江戸川区である、予防接種セミナーでも同時接種の話題は大きく取り上げられると思います。

しっかり聞いて、またお伝えしたいと思います。

 


予防接種予診票について

2011-06-28 23:11:20 | クリニックからのお知らせ

予防接種に必要な予診表。

杉並区は、綴りになっていて3か月までの全戸訪問の「こんにちは赤ちゃん」事業で助産師さんから受け取ります。

これは乳幼児期のワクチン、ポリオ・三種混合・麻しん風しん混合・日本脳炎の予診票がA4サイズで束ねられたものです。

今日、高円寺保健センターの三か月健診の仕事だったので、終わって後に保健師さんを捕まえて、今の体制やらなくしたときのこと、助成の受け方などを教えていただきました。

そのとき、予診票をいただきました。

就学前のすべてかと思ったら、麻しん風しん混合(MR)の2期の予診票はなかったです。

これ以外は接種年齢になったら予診票が個別に送られます。、

この個別に送られるか、綴りで渡されるかは、自治体によっても違います。

横浜だったかなぁ・・・母子手帳の後半は予診票の綴りになってて、分厚くて重~いところもあります。

でも、なくしにくいし、スケジュール立てやすいかもしれません。 

この予診票をなくしたときは、保健センターに行って再度もらってこないと無料で受けられなくなってしまいます。

日本脳炎はワクチンが新しいものに切り替わる前に「積極的勧奨を控える」時期があり、全く受けていない子どもたちも多いです。

日本脳炎を1期でまったく受けていない子どもで年齢が過ぎた子のために杉並区は独自にもともとの1期と2期の間も受けられるようにしています。

まったく受けてない子が7歳半で有料になったり9歳でまた無料になったりはおかしいですものね。

この場合の予診票紛失も対応してもらえるのですが、定期接種でカバーできない部分の予診票は母子手帳の確認(定期接種を逃している)が必要とのことです。

なくさないのがもちろん一番いいに決まってるのですが。

いつ受けるのがいいのか、大まかな接種スケジュールは母子手帳にあります。

1歳半健診で予防接種の受け忘れをチェックするとたまにいらっしゃるのです。

MRの受け忘れは、その表を見てもらって、2歳になると有料になってしまうのですよ~とお話しするとすぐに打ちます!となります。

杉並区はここにも手厚くフォローの手をさしのべているけれど、やはり早めに接種したいワクチンですね。

 


そういう目で見なければ・・・

2011-06-21 21:28:23 | 子育てあれこれ

私の身近にDVがあって、それを加害者はもちろん被害者もその家族も気付いていなかったということがありました。

結婚前から始まったというそのDVは、証拠の残らないゆっくりと被害者の心を壊していく精神的な虐待、モラルハラスメントです。

被害者は自分が悪いと思い込み、加害者が怒り狂うのは自分のせいだと罪悪感に苛まれやがてうつ病を発症しました。

加害者は子どもを巻き込み、被害者をさらに追い込み孤立させました。

被害者は浮気に気づいても「こんな母親でこんな妻なんだから仕方ない」と思うほどに、マインドコントロールされていました。

でも、周りにそのおかしさを指摘され、浮気しながら同じように怒鳴り、罵り、うそをつく夫に、異常さをみつけ、やっとDVだったと思えるようになりました。

彼女はモラルハラスメントという言葉もDVという言葉も知っていました。

そして、チェック項目を夫婦の二人分でやってみたら、自分の方がチェック項目が多く、「私の方が暴力的だと思ってた」といいます。

彼女は、日々の生活の中、子どもに手を挙げたこともあったからです。

一方、すさまじい暴言の加害者は決して子どもにも妻にも手をあげることはしませんでした。

「おまえなんか木端微塵にしてやりたい!」

「おまえなんぞを殴ったら手が腐る!」

ということはあっても・・・。

この言葉はモラルハラスメントそのものですが、 彼女は「自分の方が暴力的だ。悪いのは私だ。」と思い続けました。

「あきらめちゃだめだ。」

「私が変わらなければ。」

子どものために、頑張らなければ・・・その一心でなんとかよい家族になりたいとあきらめないで頑張りました。

そして、力つきました。

 

改めてそういう目で見ると、子育て中の夫婦の問題の中に、こういうことは少なからずあると思います。

子どもの健診で、とてもストレスの高そうなお母さんに聞いたところ(勤務病院の小児科健診では、ストレスについてのアンケートがあるので、すぐにわかるのです) ・・・

いつも、夫が掃除のことで細かく非難するのでとてもストレス。

自分でやってとか反抗すると、キレて興奮して怒鳴りだすので、つい我慢してしまう。

いつも私一人が我慢している。

という3歳と1歳のこども二人を育てるお母さんでした。

夫婦のどちらかが我慢しているのは対等じゃないですよね。

そんな生活がストレスで、ついつい過食して太ってしまったとも言っていました。

児童館で、職員の方に話を聞いてもらったら、「どこでもよくあることなのよ。」「みんな我慢しているよ。」と言われて余計につらかったとのこと。

(これって、二次被害ってやつです。)

もっと、子育て支援に携わる者は、こういうこともわかってそういう目で見ることも大切だと感じました。

それで、レジリエンスの講座に行ってきました。

 

DVか、単なる夫婦喧嘩か、どこで見分けるか・・・。今日、レジリエンスの講座でいただいた資料にわかりやすい見分け方がありました。

次の二つが含まれるのがDVの特徴です。

①被害者が加害者に対して恐怖心を持っていること

②加害者が被害者を痛めつける行為を行っていること

身体的な暴力がなくてもDVなのです。

DVには、身体的、性的、精神的、経済的なものがあります。

精神的暴力をモラルハラスメントといいます。

職場でのパワハラは、よく知られるようになりましたが、家庭内のモラルハラスメントも深刻で、そういう目で見ると意外に多いと思います。

でも、知られていない。

そして、被害者である本人がそうと意識していません。

さらに、そういう経験をしているかどうかは大きな意識の差を作ります。

経験していない人には信じられない世界なので、心配しながらよいアドバイスをと思いながら傷つける言葉をいっていることがあるのです。

先ほどの二次被害ですね。

もしも、これかも?と思ったらどうしたらいいのでしょうか?

女性支援センターで相談するとか、モラルハラスメント被害者同盟という経験者が集まる掲示板を見てみるとか、でしょうか。

モラルハラスメントについての本も最近多くなっていて、図書館にはそろっています。

身体的なDVは誰にでもわかりやすい。けれど、モラルハラスメントはわかりにくいです。

けれど、大きな傷になり人格を崩壊させ、人生を狂わせます。

最近、DVで離婚した、とか、里帰りの後戻れないでいる、とか、今シェルターにいて行方をくらませている、とか、そんな話を健診の場で聞くことが多いので、重い話ですが書いてみました。

感じ方も様々なので、同じことがあっても同じ被害がおきるわけではないのですが。

そして、最初の方のように、出回っているチェック項目もまた落とし穴があります。

けれど、夫婦関係が発端になっている自分の中で何かもやもやする違和感やずっと続く心の重さがある人は、振り返ってみてはと思います。

お母さんが幸せでいることが、子どもの幸せにつながるのです。

子どものためにと、不幸を我慢することは決して子どもの幸せにならないと思います。

お母さんもお母さんとして自分自身の人生を歩み、幸せにならないと。

すべてのお母さんが支えられ幸せなお母さんになれるといいと祈っています。

もちろん、「幸せ」って多種多様で人によって違うし、環境も課題もさまざまですから、ひっくるめた上での納得できる幸せというのかな?

そこを目指して頑張りたいですね。

 

 


「しつけのツボ~苦しいしつけにさようなら」懐かしい幼稚園での講演会

2011-06-20 23:40:03 | 杉並教会&教会幼稚園

先日ご紹介した下の子二人が卒園した幼稚園で講演会がありました。

卒園ママにも連絡が来て参加できるんです。

今日お話ししてくださったのは、次男の同級生ママののりのりさんです。

マナー☆あそび☆しつけ*nicoでも、すてきな子育てのヒントがいっぱいあります。

しつけに関しては、いつの時代も悩みますよね~

できたら、おこりたくない。おどしていうことをきかせたくない。自分で納得して変わってほしい。

と思いつつ、なかなか理想どおりにはいかない・・・。

これは私の価値観の押し付け?と悩んでしまう。

そんな中で、「自分の感性で自分なりの結論を出せばそれで正解」という優しいのりのりさん。

しからない子育て、共感する子育てにも落とし穴があるってこともなるほど~

できなくても、何回くりかえしても、何年になっても、伝え続けることが大事なんですね~

わかっているけれど、これが難しい・・・

小学校に上がると、彼女の講演会の中での「しつけ仕分け」でのこのタイプのしつけばかりになる。

行儀、片付け、生活習慣・・・

「何回いえばいいの?」というだけでなく、そこに凄味までつけて言ってしまう

反抗してても、刷り込みになるという話も頷けたなぁ

親に言われて反抗してたことを、大人になった今、とても気にしているというのりのりさん。

うんうん、そうかもしれない。

質疑応答がとても印象深かったから書き留めます。

 

朝ごはんに一時間もかかる・・・が?

短時間ですますのがいいのか、ちゃんと食べるのを励ましてあげるのがいいのか。

お母さんがその問題に執着するほど改善しなくなる。

母が楽な方を選ぶといいですね。

ある方法でやってだめなら、また別の方法でやってみるのもよい。手を変え品を変え、で。

執着するほど、というのがスルドイ!と思いました。

母がその問題に悩みすぎるほど深みに入っちゃうんですよね。悪循環というのか、負のスパイラルというのか・・・。

お母さんを独占する方法としてそのようなことをする子もいるかも。

他のことで、母との関係で満足できる何かがあればなくなっていくのかも。

 

家の中で方針が違う・・・が?

いろんな人、いろんな気分があると知るのもいいのでは。

一方が叱っているとき、一方は黙っていること。

いろんな人のいろんな方針があっても、子どもは混乱しない。

たとえば、男の子にしっかりさせたいお父さんと泣かせてあげたいお母さんの場合、お父さんの前で大丈夫だよといって強がって、お母さんの前で泣くことも。

ゲームやテレビなどの制限などの約束は統一が大事だけれど。

これに関しては、私が園ママだったとき、お母さん数人で一緒に聞きにいった佐々木正美先生の講演会でもお話しがあってよく覚えてます。

佐々木正美先生は「子うどもへのまなざし」を書かれた児童精神科医です。

「子どもには、違う意見でも両方の愛情が必要です。ただし、その両者が信頼しあっていることが大前提」ということでした。

ご自分のおくさまとおかあさまの例を出して説明されて、とても納得しました。

「おなかがすいた~」となく子に「今できるから待っててね」という母親の愛。

可愛そうで、みてられないねと、ついお菓子を揚げてしまうおばあちゃんの愛。

違いを乗り越えるということに通じていて、信頼があればよいということ。

これは、家庭だけでなく、学校、職場、あらゆる団体というか組織でも言えることでしょう。

 

前から注意していたのに、やめないまま失敗してしまったら・・・?

「だからいったでしょう?」というのでなく、「どうしてこうなっちゃったのかな?」といって考えさせる。

お手伝いにつながるように、その失敗の後始末を一緒にするようにする。

牛乳をこぼしたら、まったく!と怒りながら拭いてしまうのでなく、一緒にきれいにすること。

考えさせるというのは、私のしつけにはなかった!素晴らしい!

これは、トーンダウンにつながりそう。

お手伝いもできるようになれば、すごいね~

 

フリートークの時間は本当にもりあがりました。

「イライラするよね~」「ちょっとでもできたら、自分をほめよう!」という、お母さんへの共感と励ましの言葉が温かく響く教会の礼拝堂でした。

行ってよかった

我が家は、まだまだしつけが必要そうです。

「命にかかわること」はさすがにないけど。(と思うけど)

興奮しないで、伝え方を工夫しながら、長くなっても、真剣に伝えようと思います。

のりのりさん、ありがとう!

お世話役のみなさま、ありがとう!

 

 

 


新米ママのための予防接種セミナーin江戸川

2011-06-15 17:35:09 | 医療情報

5月15日に開催された新米ママのための予防接種セミナーの第二弾が7月3日に江戸川区の篠崎文化プラザであります。

これはたまごクラブとサノフィーパスツールという会社の開催のイベントです。

実は、講師陣といい、おみやげといい、歓談時間のお茶お菓子といい、イベントに駆り出されるスタッフ数といい、もうめちゃくちゃお得なイベントです。

数々の講座の経験者なので、お母さんたちにとってすごくラッキーなんだとよくわかります。

「知ろう!小児医療 守ろう!子ども達」の会が主催するイベントは、自治体の援助を受けていても、受講者から1000円いただきます。

でも、資料代、会場費、下準備、講師料、託児手配、交通費・・・とかかるとどこかしらの援助なしにはとても無理だと聞きます。

スタッフは子どもを抱えた母たちで、せめて交通費くらいはって世界です

それなのに、1600円の「ワクチン接種ガイド」という2011年初版の最新の情報満載の本、たまひよグッズいろいろあり、無料

無料ですよ!!

おっと、主婦路線

お茶とお菓子のサービス付きで、医師や先輩パパママと歓談しながら、無料

なのに、当日、申し込み者はいっぱいだったのに、当日あまりにお天気がよかったので、半分以上用意されたおみやげはのこっていました

もったいな~い

無料・・・だからねぇ~そのときの状況でいい方を選ぶのはしかたないかぁ・・・

お話は薗部先生という予防接種といえばこの先生というくらいの先生です。

小児科医でも、お金払ってでも聞きに行きたい!くらいの先生なんですよ~~(あ~もったいない!)

お母さん方、とてもわかりやすかったとのことでした。

最先端の情報もありながら、わかりやすい言葉で丁寧にお話しくださってました。

二人目は「細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会」の事務局長高畑さんのお話。

お子さんの闘病生活とそこから考えてきたことをパパの目線でのお話、参加者のアンケートでは身につまされましたという意見がいっぱいでした。

今回は参加者が増えるように工夫をしたいと担当の方がおっしゃってました。

前回はブログには出さないで参加者は集まりますということでしたので、こちらでは告知しなかったのですが・・・。

今回はやってもいいようなので、書きました。

ご興味ある方はぜひ!本当におすすめです。

薗部先生の話は一人でも多くのお母さんに聞いてもらいたいです。

小児科医も勉強になることが満載なのにわかりやすいです!

私はお二人講演された後、質問コーナーと歓談コーナーでの参加なんですが、薗部先生にフォローしていただいて、というかんじでした。

こちらに詳細と申し込みなどの情報があります。

何度もいいますが、本当にお得!

そして、申し込んだらキャンセルしないで~もったいない~(またこれ