最近、研修会が多いですが、自分自身のためにも備忘録として書いておこうと思います。
子どもの心の診療ネットワーク事業の研修会、これは一日4人のプロの話を無料で(!)聴ける
すごく貴重な機会でした。
「子どもの心と性の発達」
「発達障害と性教育」
「LGBTQと性別違和」
「性被害、性加害の心理」
の4テーマでした。
性被害というのは、決して少なくないのに(これは知識として知ってて)
そういう人には出あったことほとんどなく、見過ごしているんだろうなと思っています。
子どもへの性教育も興味はあるけれど、何をとっかかりに・・・とわが子のことになると考えてしまいます。
小児科医だけれど、性という観点からは経験は少なく、勉強になることがいっぱいありました。
LGBTは13日とに1人。人口の7.6%。性的マイノリティーというものの、
左利きが10%ということと比較しても、決して珍しいことではないということ。
性的な違和感は幼児期後期にはすでにあることが多いけれど、多くは伝えられないまま育つ。
外に出してはいけないと思っている場合が多く、聞かなくては把握できない。
ジェンダークリニックなどへの初診は思春期になることが多い。
小学生の性教育、権利教育の中で伝えるべきことは多いができていないのではないか。
治療者や支援者が、性に関して逃げずに対応できる必要があるが、ここが難しいとのこと。
子どもの性の「気づき」と「傷つき」に寄り添い、支えるためには、
周囲の大人たちが気持ちを受容し、安心して自己を表現できる環境を保障すること。
それにより、二分化されない(男らしくでも女らしくでもなく)自分らしい性のあり方を確立して
安定した自我をもつ大人へと成長していくことができる。
性虐待の割合が欧米10~20%に比べて、日本は1%、発見されていない性的虐待が多い。
特に、欧米の6歳12歳の双峰性に対して、日本では⒓~13最の単峰性で、
前思春期の被害が見過ごされている可能性がある。
性被害は重なっていくことも多い。再現性。
児童養護施設の性的問題が多く発生している。
長い歴史を持つ施設内連鎖が入所者間にあり、同性間での、
性的欲求というよりも支配被支配の関係性を持つ性的行動が多い。
性被害にあった子どもが性加害者になっている場合、加害を問題にする前に被害に向き合うべき。
被害を悲しいこととして感じていないこと、抑圧していることもあり、被害からケアしないと、
加害に向き合えない。
ケアワーカーの施設内虐待も問題になっている。
以上、非常にかいつまんだ話ですが・・・
被害の連鎖というのは、性虐待に関わらず他の虐待についても同じかもしれないなと思いました。
暴力は単純な連鎖ではないということも頭に入れつつ。
虐待体験がケアされないところでは、連鎖されやすい。自分の力だけでは無理なことも多い。
だから、被虐待者のケアはとても大事なんだと思う。
幼児の虐待ももちろん、DVやデートDVにも当てはまると思う。
レジリエンスのこころのケア講座でもあるように、暴力は遺伝ではなく、身近にあると学んでしまうもの。
暴力は人を支配するのにとても有効な手段だということを学んでしまうものだということと通じてます。
自分の性的な違和感も、性的な被害にあったことも(子どもは被害と思ってないかもしれない)、
性的な興味についても、具体的に困った性的なことや悩みについても・・・
安心して相談できる場所があるといい。
相談できる人がいるといい。
ディスカッションの時間に質問をしてみました。
性被害を相談されたときに、支援者がとるべき望ましい態度やこころがけることは?と。
「温かいけれど、受容的に。驚きすぎず、動じず」でした。
普通には考えにくいような被害を受ける子どもだっているし、こころの中では驚くこともあっても、だそう。
「あなたは悪くない」「あなたはおかしくない」というメッセージを送るということも大事だとのこと。
学んだこと、自分なりに消化吸収していきたいです。
とてもいい研修会でした。ありがたかったです。
そして、まだまだ学びが必要です。
居場所作りに向けて。