ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

「赤ちゃんは生まれてきた納得がほしい」と山本さんは言ってました。

2016-06-29 23:01:50 | ねんねクラス日記

山本さん、というのは私の大学時代の恩師です。

教養課程の哲学の教授だった山本先生は学生に「山本さんというように」と1年生の初めの授業でいいました。

医学も学んでいない、10代の私に、実感はないもののいろんな言葉が飛び込んできたって感じの授業でした。

「母乳は共鳴現象」

「赤ちゃんは生まれてきた納得がほしい」

この二つは、仕事の折々に、特に今でも思いだす言葉です。

共鳴現象がうまくいっているときは、だれになにを言われなくっても、本能でやっているという状態で問題は全くない状態です。

やることに迷いがなくって、自分のしたいようにしてそれでうまくいっちゃう。

お産がよくって自然にそうなった人もいます。

妊娠中にすべき準備もしている人、お産に納得できている人、妊娠出産を通して大事にされた人は自然に子育てできるように感じます。

母としての誕生に際して、大事にされた人は、自分の大事にすべき存在を大事にする力になり、かわいがる力になります。

だから、母は大事にされなければならないのです。

母が大事にされ、余裕があり、笑顔で元気があったら、赤ちゃんにも「生まれてきた納得」をあげられるケアができます。

私たちの仕事はそこですね。

お母さんが赤ちゃんに納得をあげられるような状態にすること。

私たちだけの力では無理ですけれど。少しでもお役に立ちたいな、とおもいます。

山本さんのことを、今日のねんねクラスでのお母さんたちのお話を聞いていて、ふいに思いだしました。

今日は、二人目三人目のママの参加が4人あって、その大変さをいろいろ教えていただきました。

上の子がイヤイヤ期で大変で、でもその子を優先してるという方、

逆に下の子をかわいがって我慢してるみたいな上の子の様子が切ないという気持ちの方、

子どもと接することができるように下の子の機嫌のいい時間帯に夕方の家事を先にやっちゃう方、

後で本を読んであげるからねという約束はその時だけのいいわけにしないで、必ず読むようにしてるという方・・・

えらい!

本当にえらいなぁと思いました。

子どもを思っての生活の中の行為や工夫の一つ一つが貯金みたいですね。

ささやかだけれど、その子を大事にしてちゃんと向き合った短時間であっても、

その積み重ねは、「子どもの生まれて来た納得」になります。

自分は大事な存在だと信じられるからです。

大事な大好きなママに大事にされてるのは自信になります。

子育ての究極な大きな目標は生まれてきてよかった~という気持ち「生まれてきた納得」なんです。

自分は大事にされてるという自信は自己信頼感になります。

この世はいいところだという世の中への信頼感にもなります。

人生への肯定にもなります。

ひだまりクラスのねんねクラスで、自分の状況の中で、

いろいろ工夫して日々、子どもの幸せに心をくだいているお母さんたちの話を聞いて、

山本さんの言っていたことを思いだしました。

日々、こもごまとしたお世話をして、子どもを安全に守りぬく、安心感をあげる、それだけで十分すごいことをしているんですね。

お母さんたちは。

 

 

 

 


7月11日 ひだまりクラス「小さい赤ちゃんのいるご家庭向け防災講座」セシオンであります。

2016-06-20 22:26:43 | クリニックからのお知らせ

防災・・・気になりますよね。

防災の講座はいろんな場所でありますし、私も杉並区の防災散歩の様子を今までもレポートしたことがあります。

今回は、リクエストがあったことから考え始め、とてもいいお話だと確信しているので、

より多くの方に聞いていただきたいと思って、ひだまりクラスを初めて外の場所ですることにしました。

定員30名ということで開催します。

講師のあんどうりすさんは、私もずっと注目してた方。

「アウトドア流防災」ってなんだろう?と思いますよね?

「防災」は特別なことを特別に用意していつも待ち構えてないといけないというようなハードルの高さがあるように思えますが、

あんどうさんのお話は、たぶんそれがないんじゃないかな?と思っています。

ポイントを押さえていて、普段の生活が防災仕様になっているというか・・・

実際にお会いしたことはないんですが、書かれている文章から思うことです。

アウトドアに詳しい普通の主婦感覚・お母さん感覚がわかりやすくってハードルが低くて、頑張らないでもできそう・・・

なところが引っ張りだこな理由だと思います。

先日のひだまりクラスでも防災講座に参加した方が報告してくれたのですが・・・

「行政や自治体があてにできないことがよくわかった」といっていました。

そうなんです。

実は、災害弱者といってもいい母子(というか、小さいお子さんのいる家庭)も、弱者ではあっても後回しなんです。

普段手を借りて生活してない人は後回しなんです。

普段から、手を借りて生活されているご老人や障がいを持っていらっしゃる方が優先になります。

まず自助(自分でなんとかする)次に共助(地域でなんとかする)その次が公助(自治体・行政)なんですね。

だから、まず、自分たち自身でなんとかしないといけないってことなんです。

赤ちゃんがいても、です。

何から?どのように?

気になりますね。

そんなお話がギュギュっとつまった講座であること、請け合いです!

お申込み、お待ちしてます。

もうすでに、半分ほどは埋まっています。

申し訳ありませんが、託児はつけられません。

8か月までのお子さんはお連れくださってかまいません。

見守り託児をします(私もしますよ~)

泣きそうになったら授乳もしてください。

おなかがすいてないお子さんで抱っことゆらゆらで泣きやむお子さんをお預かりして抱っこしてます。

8か月以上のお子さんはどなたかにお願いしてから単身でご参加をお願いします。

申し訳ありません。

なるべくその範囲を大きくしたく、でも、人見知りや動きたがって泣くかもということを考えると、

8か月になりました。

ご理解をお願いいたします。

お申込みはイベントカレンダ―からお願いします。

 


6~7月の空き状況とひだまりクラス・おっぱい相談日の予定

2016-06-13 23:17:12 | クリニックからのお知らせ

14日   中野デイケア  午後のみ△

15日   はいはいクラス 午後△

16日   午前〇午後4時以降△

17日   午前△午後〇

18日   出産の振り返り 残席1名  産前産後のモヤモヤをなんとかするクラスです

20日   あんよクラス 村上さん担当のイヤイヤ期を迎える自我が出てきたお子さんに向けてのクラスです。

21日   中野デイケア+おっぱい相談日 この日は予約いっぱいです。

22日   こころのケア講座「身体的暴力・性的暴力について」です。 午後のみ予約〇

23日   一日予約受けられます。

24日   中野デイケア+おっぱい相談日  午前午後とも〇

25日   予約はいっぱいでうけられません

27日   歯科相談日  小児科で診察を受けられた後、歯科医の相談を受けることができます(診察後の方は無料です)

     午前△ 午後〇

28日   午前〇

29日   ねんねクラス+おっぱい相談日  午後△

30日   午前△ 午後〇   

 

7月は・・・

1日   午前午後とも〇

2日   午前△

4日   中野デイケア+おっぱい相談日  午前午後とも〇

5日   午後のみ〇

6日   おっぱいday 午前午後とも〇

以降、予防接種健診など、だいたい予約とれますので、イベントのみ書きます。

7日   中野デイケア+おっぱい相談日

8日   はいはいクラス

11日  初の外でのスペシャルイベント!多くの方に聞いていただきたいのでセシオンにお部屋を借りました。

30名定員も初です。

「小さいお子さんのいるご家庭での防災」あんどうりすさん(アウトドア流防災)

 詳しくはまたお知らせします。お勧めです!

14日   中野デイケア+おっぱい相談日

20日   ねんねクラス+おっぱい相談日

22日   佐山担当、ひだまりクラスの午前講座「子どもの病気について」

 歯科相談日

27日   こころのケア講座「精神的暴力・モラルハラスメント」についてです。

28日   中野デイケア+おっぱい相談日

 

〇は、予約がとりやすいということ、△は埋まってきているということです。

火曜日午前と木曜日午後は保健センターで仕事が入ることもありますので、予約取れないこともあります。

6月15日10時から、ひだまりクラスやスペシャルイベント、歯科相談、こころのケア講座はイベントカレンダーで予約できます。

中野デイケアのみ、お電話の申し込みです。03-3315-0217です。

 

 

    

 


抱っこひもからの転落に注意(動画)のご案内

2016-06-08 23:44:08 | 医療情報

知ろう小児医療 守ろう子どもたちの会の作っている動画「シルミルマモル」から、

新しい動画「抱っこひもからの転落に注意」がリリースされました。

基本的なことがきっちりとまとまっています。

抱っこは、緊張しててはうまくできないけれど・・・

慣れで、基本を押さえなくなってしまうと、事故だって起きる場合があります。

意識すべきことはきちんと!

一度チェックしてみてください。

ひだまりクリニックの助産師さんの伊藤さんが特別協力!です。

今日の、おっぱいdayでも、抱っこ紐やらエルゴやらスリングいろいろ・・・

抱っこのアドバイスいっぱいありました。

素手の抱っこでも、腱鞘炎にならないコツ、楽に抱くコツ、ありますね。

でも、みんな、心配しなくっても、どんどん上手になっていくんですよね。

一人目と二人目は、だいたいすぐに抱き方でわかります。

小児科医は診察室に入ってきたときにだいたいわかるんですよ~

その子が一人目か二人目かって

 


人っていう字はね・・・

2016-06-04 23:17:21 | 日々のできごと

今日、ずしんと心に響いたことがありました。

お習字を習っています。

今日は子どもの運動会で、ずっと立ってたというだけで腰も痛くなったのですが(歳で運動不足ですね~)

いってみたら、逆に疲れが取れました。

 

書道教室は、小学生の低学年のお子さんから、おばさん・おじさん・おばあさんまで・・・それぞれにお手本があります。

小さなお子さんのお手本に「人」という字がありました。

優しい先生は、習いたてのお子さんに、墨のこと筆のこと紙のこと、丁寧に説明してから

「人という字はね、こうやって最初に斜めに書くんだよ。次にこれを支えるように書くんだよ。

支え合うから人なんだよ」とゆっくりお話されてました。

いつか昔に聞いたような話だったのですが、きっと聞いているんだと思いますが。

でも、その穏やかな声は、とても心に響きました。

私に言っているのではないのにね。

支え合うから人なんだ・・・

支える人もいるし、支えられる人もいる。

ちょっと前にやっていたNHK特集の子育ての番組を思いだしました。

「ママたちが非常事態?」って特集。

人間は孤独に子育てできる種ではない、だから、誰かと子育てしたくなるように不安や緊張が強くなるようになってるんだという話。

原始的な生活をしている部族の子育て風景が出てたけれど、

そこでは、まだ数か月の赤ちゃんを女性が群れている中に預けて

「まきをとってくるからお願いね」と頼むんです。

そして、普通に預かった方も、その子がぐずると、「だれかお乳をあげて」といって、授乳期の女性にお願いするんです。

今のように、孤立してそれぞれに子育てするというようになったのは人間の歴史でも、最近のことで、ごくわずかの期間なんでしょう。

産後の辛い日々。

支えられて当たり前。

周りの人は支えて当たり前。

支えられたから支えられるようになる。これも真実だと思います。

大事にされた人支えられた人は、支えることのできる人になれるんだと思います。

これはまた、子育ての本質でもあるのかもしれないなぁと思いました。

長い長い時間もかかり苦労もする事業ですけれど・・・