ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

出産の振り返りの会(MPC)

2015-06-30 23:57:30 | グリーフサポート

MPC(マザーズペンクラブ)のお二人による出産の振り返りの会がありました。

4名の参加で、それぞれに語り合いました。

なんでも、どんな感情でも、日頃慌ただしすぎて振り返れないこと、じっと向き合えない感情に向き合うというのが一つの目標

そして、それをネガティブなだけでないとらえ方ができるようにするというのが、もう一つの目標とする会です。

ここでの話はここだけで、口外はそれぞれしない約束で。

MPCの二人は編集者と漫画家というユニット、同じ日に同じ病院で出産してからのお友達ですが、お友達歴7年ですから

息もぴったりです。

ひだまりクリニックに来てくださっている4人でしたけれど、それぞれの経験や思いをシェアしたくださって、

どの方の話にも引き込まれました。

託児をして書いたり考えたり話したりの作業を集中してします。

託児の場所は別にあるのですが、そことの行き来(おっぱいのための)をしたりしれ中断したりもしたのですが、

本当にそれぞれのドラマに引き込まれました。

モヤモヤポイント(出産だけにスポットが当たるわけではないのも興味深かったです)を書いて向き合い、

順番に語り合い、さらに、じっくりむきあって、それに向けての違った見方を促され・・・

遠くから見方をかえて悪いことと思ってたことに意外なよい面を探していく作業をします。

最低5個のよい面を探すという課題です。

そして、最後に「出産子育てとは○○○○です」に言葉を入れてシェアしあう、簡単に言うとそんなことをしました。

そのよい面というのが、子どもを授かったからこその新しい自分・価値観との出会いということが多くて、

あまり意識をしてないけれど、よい面ってあるんだなぁと改めて感じたのではなかったかな?と思いました。

それぞれの○○○○には・・・

「第二の転機」

「人生の分岐点」

「自分の可能性をひろげるきっかけ」

「私にない気持ち感情をいっぱい引き出してくれた宝箱」

でした。

みなさん、とっても素敵でしたね。

母親であることを楽しんで悩んで落ち込んで、でも幸せで・・・

素晴らしいことだなと思いました。

それぞれに選択してきたこと、幸せへの過程を自分を持ちながらきちんと歩んでいる、頑張っているなぁと思いました。

MPCのお二人にお願いしたよかったなと思いました。

次回は9月です。近くなったら、告知をします。

託児をしてくださった三人にも感謝です。

モヤモヤを抱えながらも、うまくいかないことがあっても、元気に頑張ってるな、私は・・・って思ってもらえたらすごくうれしいことです。

本当にそうなんですから。

 

右がKUNIEさん、左が漫画家のNAOKO(尚桜子)さん

NAOKOさんが見せているのは、アメリカの超有名な大学病院でのお産の入院のときに出る食事です。

(大学ランキング常に上位のJohns Hopkins Universityで、母乳支援も積極的という・・・)

まず、お産が終わって病室にもどるとお疲れ様~おめでとう~と置いてあるのが、チョコレートの詰め合わせとジュース、

だそうで・・・入院中はこってりなフルコースが続くとか・・・

日本のママは頑張りすぎ!

国の宝でもある赤ちゃんを育ててるんだ!って堂々としてたらいい。

大事にしない周りがおかしいんだよって締めくくりの話でした。

私も、ほんと!そう思います!


わだっちが朝日新聞に。そして7月12日にわだからだカフェ@cafe Birdbath

2015-06-21 09:46:16 | イベント情報

昨日の朝日新聞の夕刊にわだっち(=親子で街デビュー@和田商店街)の活動が報告されました。

頑張っている西本さんと、皆さんの笑顔がまぶしいカラー写真も素敵な、とてもいい記事でした。

(私もちょこっとコメント出してくれてます)

ひだまりの開業前から、わだっちとのおつきあいはあって、(このブログにもわだっちの話は何回も出てます)

スーパーまたは仕事帰りにデパ地下ってことも多かった私にとっても、

「商店街は街の宝」という話は衝撃でした。(ま、今もスーパーは使いますけどね)

自然に挨拶程度に声をかけてもらって、とても救われたという経験、私にもあります。

その方には、何でもない誰にでもかける一言だったのでしょうけれど・・・

もう15年以上前、「暑い中お疲れさん」って声をかけてもらったんです。金物屋さんのおじさんに。

夫はこんな暑い中ベビーカーで買い物をしている私なんて知らない。

「お疲れさん」なんて言われたこともない。

二人目の育児、悩みもなく当たり前にこなしてると思っている。

でも、そんな周りからの当たり前に応えるかのように頑張りすぎてたんだなってわかりました。

涙が出たんです、優しい声をかけてもらって。

自覚もしてない頑張りすぎにハッとしました。

そんな風に、誰かに声をかけてもらえる、様子をそっと見守ってくれる、街の宝なんですね。商店街ってのは。

地域の子どもの見守りになってたり、お母さんを優しく励ましてくれたり・・・

私の友達のお子さんは馴染みのお店に寄り道して真夏に麦茶をもらってるそう・・・

「子育て支援」なんて言葉とも色合いは違うけれど、日々の生活の中に、そんなしかけ?というか役割があったら、

本当に子育てが楽になったりするものです。

そして、商店街は今はどこも高齢化と後継者問題でひっそりとなっていく課題があります。

でも、なくなってしまったら、一つの街の(子育てのためにもなる)宝が減ってしまう・・・

そんな心配をしてます。

子育てする人への支えは多ければ多いほどいい、それが自論です。

地域からの支えっていうのは保育園幼稚園小学校などがありますが、商店街だって大きな力になってるんですよね。

 

さて!ここで告知です!

わだっちと和田堀診療所とcafeBirdbathとひだまりクリニックが協力しているわだからだcafeが

7月12日に「熱中症対策」をテーマであります。

これは6月の救急救命講座に続く第二弾。

街のカフェで、街のみんなでからだのことを学べる、素敵じゃないですか?

以下に詳細を・・・

杉並区和田周辺の医療関係者と住人による医療や生活について話そう考えようの会、わだからだカフェ。

2回目は、熱中症についてです。

7月12日日曜日 9時から11時半まで
最近の熱中症は家にいてもかかるくらい、都会の夏は暑くなっています。
熱中症にかからないようにするには?
かかってしまったら、家で休む、病院に行く、救急車を呼ぶ、この見極めは?
お茶を飲みながら、ゆったりと説明していきます。

今回は、大塚製薬の経口補水液のお土産付き。
参加費¥1,000-(テキスト・ドリンクを含む)

お申込みは直接店頭かお電話で(03-3312-7888)

街にでかけてみませんか?

日曜日だからパパと一緒に?実家のじいじばあばと一緒に?

お話の担当は、和田商店街のさくら湯さんのおかみさん、看護師さんでもあります。

看護師さんのお風呂やさんってすてきでしょ?

ほら、街には宝がいっぱいなんです。

 

 


ネットで医療情報を得るときには注意しましょう

2015-06-19 02:03:16 | 医療情報

ネットで、不安な気持ちで検索すると、どんどん気になることが多いです。

不安に思っている言葉ばかりをついついをクリックしていき偏りのつよい情報ばかりを見て深みにはまっていきます。

そして、あ~やっぱり予防接種って怖いんだな~って不安が強くなったり誤った選択をしたりします。

最近、TwitterやFBなどで話題になっている医師がいます。

障害や出産のトラブルが、親の生活のせいだと断言して、信じられない言葉で罵倒を繰り返しています。

もともと多くの誤った情報を出し続けてネット上の信者の多い人です。

ずっと前からFBでのいい加減な情報に困ったもんだと思っていました。

不安な気持ちの人々を煽ってますます不安にしていました。

予防接種のこと、精神科医療のこと、発達障害のこと、障害のこと、食事制限のことなど・・・

エビデンスとはかけ離れたところで不安な人をますます煽っているんだなぁといつも垣間見ては

(まともに見ると腹が立つから)何ともいえない気分になってたんです。

彼も、きっと彼なりの背景があるんでしょうが。

でも、だからといって医師という国家資格を持っている人が言っていいことではない。

この人はネット上に多くの信者がいるけれど、

この人のいうことを信じて、予防接種を受けない、医療的にもおかしな食事制限をする、治療をやめるなどをして、

自分に不利益があっても、自己責任になるのです。

ネットには、有益な情報もあるけれど、おかしな情報もいっぱいあること、注意していたいものです。

今回はすごくはっきりとしましたが、国家資格者であってもおかしな情報を出す人が多くはないですけれど確実にいます。

どんな資格であっても、です。

無資格者が資格者の後援を楯にすることもありますし。

(無資格者の独自理論のマッサージで死亡者が続いたという事件も最近ありましたね)

医師で、癌を一括りにして治療を受けないようにというあまりにも雑駁な主張をする人もいます。

種類や病期によっては治る癌やコントロールすることが可能な癌もあるんですが・・・

自分の身を守るためにも、患者も賢くならないといけません。

実名であっても、こんな主張を公然としているのですから、実名を出さないならなおのことです。

予防接種に関しては、もしも重症になったときに治療をする立場の人に聞いたら、しなくていいなどという人は一人もいないと思います。

 


地域での子育て支援 妄想から少しずつ現実へ

2015-06-16 00:30:01 | 母親への支援

「小さい子のクラス」をお手伝いしてくださっている助産師の伊藤さんが、無事6月11日に男の子を出産されました

矢島助産院というお母さんを地域で応援する場所に、杉並区の産後ヘルパーでひだまりのサポートをしてくださる村上さんと行ってきました。

出産直後のお母さんってなんて素敵なんでしょう。

母親が寄り添われ支えられ続けたお産は素晴らしいなと思います。

やっぱり、自分らしいお産を目指すことは大事だなと思いました。

これは、医療者としては我慢できない発言だと感じる人がいることも承知の上で。

『「自分らしいお産」はバツ、「自分らしい子育て」はマルだけど』とネット上で知り合いの医療者に言われたことがあります。

医療者であっても、「自分の納得できるお産」「自分らしいお産」が、どれほど女性を大きく強くするか、を知る機会がないのではと思います。

医療教育の中に、正常を正常に保つための講義はあまりないからです。

異常を見つけること(診断)異常を正常にすること(治療)にはとても時間をかけますし、勉強の内容も多いけれど。

正常を正常に保つ(予防)のための教育は少ない。というか、ほとんどないかも。

これは、義務教育でもそうだと思います。

診断と治療のみが医療ではないと私は思っていて、今の仕事をしてます。

医療の不確実性(何かあった時)は確かにあります。

確実に安産をする。問題なく産む。ということはないです。

だからこその知恵や工夫も必要です。

進んだ医療技術に支えられてこその母親を幸せにするお産があると思います。

どんなお産も素晴らしいと自分のお産だと受け入れるためには、理想を目指す努力と同時に、医療の不確実性にも理解が必要ですけれど。

どんなお産でも、どんな出来事も、そのありのままを引き受ける準備ができているのがお産の準備だと思います。

子育ては決してお産だけでは決まりません。当たり前ですが。

お産を理想化して、それがかなわなかったときに、嘆いて苦しむお母さんが時々いますが、そんな必要はない。

苦しいお産を耐え抜いて命を生み出したことに変わりはなく、よく頑張ったのですから。

私が今目指していることは、お母さんがお母さんになっていくためにお母さんを支える、

そこにもっと迫れる場所作りです。

今のひだまりクリニックは、お母さんを支えたいという気持ちで作ってきました。

お母さんたちの実家みたいなほっとできる場所になりたい。

困ったときに思いだしてほしい。

何かできないか、一緒に考えていきたい。

信頼関係を築き、辛いのも不安なのも一人だけじゃないとわかってほしい。

そう思ってやっています。

不安なのも緊張するのも、子どもが大事だからこそ、なんです。

自信を持って子育てなんて、誰にでも簡単にできることではないのです。

産んだら母親だなんて、そんなことは普通はありえない。

それが簡単にできている人は、しっかり周りから支えられている人です。

なかなかできない人は、支えが足りない人です。

その自覚は、それぞれにないのですが。

つまり、支えられているとは思っていないし、支えられていないとも思っていない、そういう人は多いです。

支えられてて不安がない人は周りも自然に支えているので、だれもがその幸せに気付いてない、

当たり前に支えているし支えられている。

支えられていない人は、その自分の状況を支えてもらえてないんだと憂える前に、

支えられてないこともわからないまま自分がダメだからだって自分を責めてもっと辛くなっていく、

そういうことって結構多いと思います。

家族に支えられたらいいですが、その家族が支えてくれないこともあり、産院を退院した後の母親がこういう状況だと、

本当に医療的な支援も途切れてしまうわけですから、本当に本当に大変なんです。

できて当たり前、誰だってやっていることだと考えて、身体も心も大変な時期に寝不足で頑張る・・・

おかしくならない方がおかしいって、私は思います。

支えがないどころか、余計に母親を負いこんじゃう夫や家族もいますから・・・(それも自覚なくね)

もちろん、自然に支えている夫もいるんですけれど・・・残念ながら多くはないです・・・

この女性たちを支えるのは、大切な子育て支援であり、母親が戻る(産後うつにすすまない)ための予防でもある。

そう思います。

医療に可能な子育て支援です。

産後ケアの本質はここにある。

母親を大事にする、ケアする、その考え方は正しい。

いろいろな方法やアプローチがあるでしょうし、母親の選択もいろいろあったらいい。

一定の効果もあるでしょう。

母親の支えは多ければ多いほどいいと思うから。

でも、一番大事なのは最初、産んですぐ。途切れない支援。

母親が自信を付けるまでの支援。

一人で世話をし始めても、つらい時は助けを求める信頼できる場所がある、という安心感。

それが大事なんだと思います。

産んだ直後の母親にはいろいろな不安があり、その解決はちょっとしたコツでうまくいくこともあるし、

悩みながら自分で決断しなきゃならないこともある。

一緒にいて、考えて、やってみる、そこをする産後ケアをしたいと思っています。

地域で働く助産師さんと協働でやっていきたいと考えています。

自治体の訪問で出会う助産師さんは、いろんな制約があって(訪問は一回だけとか)

歯がゆい思いの人もいますので、なんとかならないかなと思います。

もちろん、助産師さんに頼りきりというのでなくて、セルフケアを覚えていくためにしたいですし、

セルフケアを知ることが自信にもなる、お母さんが元気になれるための場所になりたいと思います。

ひだまりでは、やっと小さい子のクラスが定着したところですが、

ここの大変で辛いことの多い時期のケアをもっと充実させたいと、クラスを始めて改めて思うようになりました。

どんな方法で?どのような形で?何ができるか?検討中です。

今年になって、少しずつ動いてもいます。

助産師さんたちと話し合ったり、保健所に行ったり、区役所に行ったり、都庁に行ったり・・・

国の産後ケアのガイドラインも出ていないので、区によって考え方も違います。

助成も区によって違います。

ガイドラインがないので、勝手な解釈もされやすい一方、保健所も指導に困っている様子が見えます。

担当部署の連携の悪さもあるし、よほどやる気がないとめげそうです。

でも、私は「よほどのやる気」を持っているので、なんとか少しずつでも前進したいと思います。

矢島助産院の助産師さんたちは、本当にいい仕事をされていると思います。

究極の予防を目指している。

究極の予防というのは、納得できるお産だと思います。

(お産がいいとすべてがよくなるなんて言ってるんじゃないですよ)

お産がいい(母親にとって)と、おっぱいも順調になりやすい、母親の気持ちも安定しやすい、心もつよくなりやすい、

逆もまた同じことがいえます。

つらいことが多かったら、いろんなことが悪い循環に陥りやすい。

だから、できたら、納得できるお産を目指してほしいと思います。

形でなく。

帝王切開であっても、幸せなお産はある。その準備ができているかどうかは大事です。

矢島助産院のお産のときの3か条を見せてもらいました。

①そばを離れない

②触っている

③否定しない

なるほど・・・すばらしい。

否定しないためには、どうしてこう考えるんだろうという柔軟な寄り添いが必要ですよね。

そこが大事だと思います。

自分の考えを押しつけるのでなく、コントロールするのでなく、一緒に歩調を合わせて傍にいる。

産む人、産んだ人を助けるのが助産師。

そういう意味では、産んで育てている人を助けたい私も助産師の一人?

小児科医ですが、助産師的な仕事を本気でしたいなと思います。

一人ではできないことなので、仲間作りや運営の工夫も必要になります。

少しずつ、妄想でなく現実に近づけていく。

近々、その内容を発表できるように・・・と頑張っていきます。

(やっぱり長くなってしまいました。お産のことはねぇ)

 


7月のひだまりクラスの予定

2015-06-13 01:09:11 | 次回のクラスは・・・

7月のひだまりクラスの予定です。

1日・・・小さい子のクラスです。妊婦さんも大歓迎です。助産師さんがきてくださいます。

6日、13日・・・特に年齢制限のないクラス

(申込みが少なかったら、一日にまとめるかもしれません。)

30日・・・ひだまりクラス初!薬剤師さんが来てくださるスペシャルイベントです。

普段聞けないこと、いろいろ聞いてみましょう。

1日と30日は1000円。他は500円です。

子育て応援券使えます。

お申込みは、いつものように

03-3315-0217

hidamarisalon ☆ybb.ne.jp  ☆→@

 

ひだまりクラスではありませんが、

グリーフサポートの会の集まりもあります。

こちらはなじみがないのだと思いますが、まだあきがあります。

①こころのケア講座  6月17日(水)10時〜12時 
http://blog.goo.ne.jp/hi…/e/afbc17cb9c9219f09aa3657586b097d4
予約はしなくても可能です。
思いたっての参加も大丈夫。
申込みしてくださる方は、メール hidamarisalon ☆ybb.ne.jp(☆→@)

②出産の振り返り(自然分娩、帝王切開などどんな出産でも)6月30日(火)10時〜12時 託児あり
http://blog.goo.ne.jp/hi…/e/16fe0ca1f98a819f72532e4f88df59d6
申し込みメール hidamarisalon ☆ybb.ne.jp(☆→@)

③流産、死産、小さなお子さんを亡くされた方のピアサポート
 ポコズカフェ@ひだまりクリニック  7月2日(木)10時〜12時 託児あり
申し込みこちらから http://kokucheese.com/event/index/302912/