ひだまりクリニック~産んだ後にも母親学級~

杉並区で小児科医がひらいている母子で集えるクラスです。

赤ちゃんもいろいろです。焦らないで・・・

2018-04-25 14:18:04 | ねんねクラス日記

母乳育児の悩みはそれぞれで、そのそれぞれにお伝えしたいことがあるので、こうしてブログに書くにはなかなか難しいなぁと思います。

赤ちゃんも個性的であり、お母さんの考え方や背景もそれぞれなので、すべての人にあてはまるよい方法ってないなぁとも・・・

母乳マッサージも有名ですし、こまったときはつい駆け込む場所として考えられていますが、

場所によっては、とんでもないことを吹き込まれたり、医学的に証明されてないことや、その助産師独特の考えを押し付けられたりしてます。

母乳がうまく行くかどうかはまず、最初のお産後が母児同室であること、飲みたいときいつでもあげられることが大事なんですが、

これを書くだけでもはばかられます。

なぜなら、早かったり小さく生まれた赤ちゃんや病気を持ってたり入院中に病気になったりした赤ちゃんは、

お母さんと離れ離れにならないといけなかったりしますし、また、病院のシステムとして母児分離である病院もあるからです。

母乳育児に熱心な病院ばかりではないし、母乳育児のことを知らなかったり、あまり大切なことでないと思っているお医者さまもいるし。

そんなに、母乳母乳というなという一定の数の声が医療者からも出ていること、お母さんの中からも出ていることも承知してます。

そんなことを言うからお母さんを追い詰めるのだ、私たちは追い詰められるのだということなのでしょうか。

でも。

そういった医療者には、母乳のことを大事に思っているお母さんの疑問や不安に答えてあげられているのか?と思います。

ニーズがそこにあるのに、です。

これは、もちろん、自分に対しても自問自答しないとともおもいますが。

お母さんには、追い詰めたいわけではないのだといいたいです。

ただただ、役に立ちたいと思っているのです。

でも、もう少し早く来てもらえてたら・・・ということはあって、

そして、よい医療者とそうでない医療者の違いは大きいわけですから、残念だったねと思います。

でも、当の本人には、残念だったね、では済まないことなわけですけれど・・・

医療者として、申し訳ないというくらいに思います。

最近、1歳半健診を受けたお母さんから、公的な健診で母乳育児を続けていることに対して全否定をされたということ、

でも、ひだまりクラスで聞いたことから、自信をもっておっぱいを続けるつもりだということ、を伝えてもらいました。

とてもうれしいメールでした。

また、3か月で断乳したいという電話もかかってきました。

乳腺炎で助産院にかかっていたが、繰り返してしまってとてもつらいのだということでした。

3時間毎の授乳を5分ずつと決めての授乳・・・不自然なここちよい育児ではないでしょう。

食事制限もストレスだったということです。

母乳育児には食事制限は必要ではありません。

お願いしたいことは、ちゃんと食べること。バランスを考えること。

当たり前のことだけです。

当たり前のことを当たり前にしていけば、母乳育児もうまく行きやすいと思います。

当たり前のことを当たり前にすることは、難しいことなのかもしれません。

リラックスして、夫婦でいたわりあって、産んで育ててくれた親に感謝して、親やパートナーの支援を素直に受けて、

季節のおいしいものをありがたくいただいて・・・

無事赤ちゃんが生まれてくれたことを感謝して。

でも・・・

シングルかもしれない、産後クライシスかもしれない、親はいないかもしれない、または、よい関係でないかもしれない、子どもも健康でないかもしれない、、、

そのいろんなことを考えると、やっぱり、ブログで情報を発信することってむつかしいな・・・と思ってしまいます。

 

なんで、こんなことつらつら書いているかというと・・・

最近、こんなこと言ってもらっちゃ困るなぁという助産院が複数あって、そこで困った方のお話を聞いていると本当に胸が痛みます。

この問題は、以前からありましたし、舌小帯の話題として、とりあげたのももう何年も前のこと。

ですが、やはりなくなりません。

自説を信じ切っているのか・・・

おっぱいをこじらせて、通わせようとしてるのか・・・とさえ疑いたくなります。

 

お母さんには、その時のベストで決心したことだったら後悔が残っても仕方ないことと思って前を向いて歩けばいいよともいいたいです。

私も、あとから考えると間違ったことをしてたなぁということは自分の子育てであるんですけれど。

その時のベストでやってたのは自信があるので、それでよしとしています。

成長しているってことなんですから。


麻疹の流行に慌てないために

2018-04-13 14:06:39 | 医療情報

沖縄で麻疹が流行して来て40人以上になったそうです。

さらに、名古屋に在住の方が沖縄旅行で感染したとのこと。

去年もおととしもこのような話はあったようにおもいます。

早く収束を…とおもいます。

早い収束のためには集団がどれだけの免疫獲得者の率かということによります。

免疫を持っている人が少ない集団の中では流行は大きく長引きますし、逆の場合は流行は小さく収束しやすいのです。

今の定期接種では麻疹の予防接種は1歳からです。

つまり、麻疹に関して、1歳未満である乳児は免疫を持たない弱者になります。

流行が大きく長引くとそれだけリスクも大きくなります。

近くで流行があるときは6ヶ月以降であれば、麻疹のワクチンやMRワクチンを接種することができますが、任意接種になります。

社会で弱者を守るという視点も予防接種では大事なことです。

ですから、集団として、できるだけ免疫を持つためにできることは、

まずは子どもが1歳になったらできるだけ早くMRの1期の定期接種を受けることです。

つぎにできることは、大人も2回接種をめざすことです。

1歳以上の2回の接種で大丈夫といいます。

大人は1回しか接種してない人がほとんどだと思います。

風疹との混合ワクチンであるMRワクチンが望ましいとおもいます。

各地の自治体での助成もあると思います。

杉並区では、風疹の抗体価を調べるのは無料。

さらに抗体価が低いという結果がでれば、男性は半額ほど、女性は無料でMRワクチンを接種することができます。

これから赤ちゃんを・・・と望まれる方にはぜひ考えていただきたいことです。

風疹に妊娠初期にかかると、赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気になってしまうからです。

ひだまりクリニックでも、大人の検査とワクチンの助成を杉並区と契約しています。

土曜日もやってますので、ご利用ください。予約は必要です。

03-3315-0217

hidamarisalon ☆ yahoo.co.jp   ☆→@

 

ちなみに・・・

MRワクチンと一緒に、接種をお勧めしてるのは、水痘・おたふくかぜ・ヒブ・肺炎球菌です。

同時接種で5種類というのは、たぶん一生で一番多い接種です。

このおたふくかぜワクチンで、「半分、青い」のすずめちゃんがなったムンプス難聴を予防できます。

5種類はいやだなということで、二回でする方もいらっしゃいます。

とにかく、どちらのワクチンも体調がよいときにさっさと受けるのがお勧めです。

なるべく早いうちに免疫を獲得しておきましょう。

 


悪気のない一言でも傷つくことがあるのがお母さん

2018-04-06 06:48:35 | 子育てあれこれ

赤ちゃんを連れて街にいると、いろんな人が声をかけてくれますよね。

かわいいね~という言葉ならだれも傷つかないのですが、

お母さんは、ちょっとした一言にも傷つくということは考えたことはありますでしょうか?

・・・と偉そうに書く私自身、そういったことが一番怖くって、不特定多数に声が届くブログの更新が滞りがちです。

っていいわけですけれど・・・

少し目立つ場所にあざがある赤ちゃん、湿疹が目立つ赤ちゃん、大きい赤ちゃん、小さめの赤ちゃん・・・

いろんな赤ちゃんがいます。

街であった大人に「太ってるね」とか「小さくってかわいいね~」とかは決して言わないですよね。

でも、大きいことも小さいことも、ましてやあざや湿疹などだと、お母さんはとっても気にしていることもあるんです。

お母さんに責任ないことだって、街で何回も聞かれたら余計に気になります。

自分を責めてしまうお母さんだっているんです。

「母乳なの?」という言葉も、よく聞かれるそうです。

「それが何か?」とキレそうになるという話も聞きました。

気にしている人ほど、もっと頑張れたんじゃないか?っていう思いがある人ほど、傷つくと思います。

毎日毎日頑張っているお母さんには

「かわいいね~」「よく育ってるね~」「頑張ってるね~」という言葉を街中からシャワーのようにあげたいです。

昔、20年ほど前、二人の子育てで疲れ切った私に店番のおじいさんがかけてくれた言葉はこころに染みて泣きました。

「お疲れさんだね。暑いのに頑張ってるね」と声をかけてくれたのです。

たぶん、疲れ切った顔をしてたのかもしれません。

 

ここで書いてても、お母さんに接する人にはそれほど届かないのに、書いちゃいました。

お母さんには、笑顔になれる言葉をかけてあげてください。

赤ちゃんがかわいくって声をかけてあげてるのはわかるんです。

でも、その赤ちゃんがもっと嬉しくなるように、お母さんが嬉しくなる言葉を・・・

泣いてる赤ちゃんがいてもご容赦を・・・

誰もが泣いて育ってきたんですから・・・