矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

明日から母校MD Anderson Cancer Centerの恩師らに再会

2013-03-14 22:48:55 | 感染症関連
本日は、初めて降り立つ三河安城駅から最寄りの病院にて、感染症の講演をさせていただきました。

とっても熱心な研修医の方といろいろお話できたのがとても大きな収穫でした。日本で、確実に、よい教育を受けて育ってきた医師が増えてきていることを感じる体験でした。地道に少しずつでも「やるべきこと」を積み重ねていくことが必要であることを感じました。

昨日の会議でご一緒した方から、「できること」だけを考えて、インフラを懸念するあまり「小さくまとまる」よりも、大局を見て、「やるべきこと」を考え、それをどこまで現場と折り合いをつけるかを考えて削減していくのがよいのでは?とのコメントをいただき、非常に感銘を受けました。

私がもっとも尊敬する日本人のおひとりの元世界銀行副総裁の西水美恵子さんのご著書のなかでも、問題が
「やるべきこと」でなく、「やるべきことをどうとらえるか」だと何度も繰り返されていました。

西水さんの最初の著書で、エジプト訪問時に自分の腕のなかで少女が脱水で亡くなる場面があり、それがきっかけで「脊髄に火がついた」と表現されるほどの情熱で世界の貧困解決に奔走された西水さんの生き方をいまでも鮮明に覚えています。

私自身も、実は、帰国すべきか迷いに迷っていた頃にアトランタに行く機会があり、3Cと呼ばれるアトランタ(Coca Cola, CDC, CNN)で、現地の日系米国人の知人に、コカコーラ博物館に行くぐらいなら、絶対にMarin Luther King Jrの博物館に行きなさい!と激励されて、行きました。

Coca Colaにも行ったのですが、Martin Luther King Jrの博物館にも行って、”衝撃”を受けました。広島の原爆博物館に初めていったときのような衝撃を受けました。録音された”I have a dream."という生のスピーチを聞くことができ、オスロでノーベル平和賞を受賞したときなどの当時の写真もいっぱいあり、社会活動に一生をかけた人の人生を垣間みて、感動しました。私も母国のために何かしたいと決断しました。

そのときに購入したWashington DCでのMartinの演説時のポスターは自宅のリビングにいまも貼っています。

人間なので、環境や不条理に左右され「価値観がずれたか?』「自分らしくない」と思うこともありますが、世界のリーダーたちの生き方を振り返りながら、「自分が等身大でできること、やるべきこと」をただやり続けるだけと思い直しています。間違ったら修正する、ぶれたら、ずれたら、戻す、ただそれだけですね。

明日から、東京の聖路加国際病院で、母校University of Texas MD Anderson Cancer Centerの恩師ら数名が来日して合同シンポジウムが開催されます。自分のキャリアの原点で、専門診療やProfessionalとしてのあり方をおしえていただいた恩師や2つ上だった先輩に再会できることをとても貴重な機会だと思っています。

「自分の原点に立ち戻る」「ずれてきた価値観を修正する」よい機会だと思っています。
講演の開始前にNeutropenic feverの第一人者のDr. Kenny Rolstonらとラウンド予定で、非常に楽しみにしています。