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視点を変えてW杯を楽しんでみる

2018-06-17 22:12:05 | ビジネス

FIFA W杯ロシア大会が開幕した。
連日、サッカーをテレビ中継で楽しんでいらっしゃる方も、多いかもしれない。
選手のプレーを見て楽しむ、ということはもちろんだが、チョッと視点を変えてみるとW杯の裏事情のようなものも、見えてくる。

大会前、一部のメディアで日本代表の背番号10番に関する話題が出ていた。
朝日新聞:背番号10はアディダスの選手 日本代表「暗黙の了解」
このような記事が出るのには、理由がある。
現在の日本代表のユニフォームを提供しているのが、アディダスだからだ。
そのような事情があるため、このような記事となったのだと思うのだが、残念ながら1人だけアディダスとサポート契約をしていない選手がいる。
2002年の日韓大会の背番号10を背負ったのは、当時ジュビロ磐田に所属していた中山選手だった。
中山選手のシューズなどのサポートをしているのは、アディダスとは兄弟げんかの末別れてできた、スポーツメーカーのプーマだ。

ただ、以前に比べ背番号10というエース番号の重みは、薄れつつあるような気がしている。
例えば、ポルトガル代表のC・ロナウド選手の背番号は7番だ。
日本代表でも、背番号10を付けているのは香川選手だが、世間の注目は本田選手と言うことが多い。
アルゼンチン代表のメッシは背番号10だが、背番号ではなく選手自身のプレーが注目されるようになってきているのでは?という、気がしている。

そのアディダスについてだが、FIFAとアディダスとの関係は深く、アディダス本社があるドイツはもちろん、今でも数多くの代表選手のユニフォームを提供しているのはアディダスだ。
その牙城を崩すかのように参入してきているのが、アメリカのスポーツメーカー・ナイキだ。
以前はアディダスが提供していた、フランス代表のユニフォームは今回はナイキに代わっている。
ブラジル代表も前回大会から(だったと思う)、ナイキが提供するようになった。
W杯は、オリンピックよりも放映される国や地域が多いことや、サッカーという一つのスポーツの世界大会が約1ヵ月続く為、スポーツメーカーにとっては、恰好の宣伝の場でもあるのだ。

提供されるユニフォームだけではなく、ピッチ脇にある広告などにも注目してみるのも、面白い発見がある。
韓国の自動車メーカー・現代の広告があるのは、FIFAの常任理事の一人が現代の会長の子息であった、ということがある。
現在の現代の経営状態からすれば、随分経費的には重い広告宣伝費だと思われるのだが、複数大会契約であるために契約破棄そのものが難しいのでは?とも言われている。

他にもこれまでの大会でよく見かけていた企業の広告がなく、代わりに中国系の企業の広告が目立つようになったのも、今大会の特徴だといえる。
SearChina:サッカーW杯ロシア大会の広告を制した中国、本大会で代表チームが活躍はいつ?
記事を読むと「経済が好調な中国企業の躍進」という印象があるが 、そう簡単な理由ではないと、言われている。
これまで長い間、スポンサーとなってきた欧米の企業が軒並み、スポンサーを降りたという話があるからだ。
BBCNews:サッカーロシアW杯、スポンサー収入は下落も中国企業が台頭

長い間スポンサーであった、ジョンソンアンドジョンソンがスポンサーを降りた理由は、FIFAのスキャンダルだと言われている。
グローバルカンパニーだけに、スポンサーとなることで世界規模での企業イメージダウンを懸念したということのようだ。
FIFA側としては、ジョンソンアンドジョンソンのような企業がスポンサーを降りる、というのは収入的には手痛いことだっただろう。
その穴埋めとして、中国企業はFIFA側にとっても魅力的だったはずだ。
これを機に、2030年以降の中国開催ということもあるかもしれない。

試合だけではなく、選手たちのユニフォームや広告などにも注目してみると、様々な勢力図のようなものも見えてくるのだがW杯だと思う。



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