ForbesのWEB版に、「学歴とAI」というテーマの記事があった。
Forbesjapan:人工知能革命によって「学歴社会」は崩壊する
「現在の職業の多くが、AIによって奪われる」という話は、2年ほど前から盛んに言われるようになってきた。
その結果として考えられるのは、これまで「安泰」とされてきた職業についていた人の多くが、職を失うということだ。
その中でも税理士や公認会計士などの「士業」と言われる職業などが、AIに取って代われると言われた。
既に、WEBなどを使った市場調査などでは集計データなどは、コンピューターが自動的にはじき出しているのでは?と、思っている。
人の手で集計するよりも早くて確実だから。
そのようにして、出されたデータが蓄積されればAIの独壇場となっていくことは、目に見えている。
オートメーション化により、ブルーワーカーと呼ばれる人たちの職が失われた。
そしてAIによって、今度はホワイトカラーと呼ばれる人たちの職が失われる、と言われている。
その予測は半分以上当たっていると思う。
思うのだが、やはり人でなければできない仕事、というモノもある。
何故なら、AIは万能ではないからだ。
だからこそ、AIの普及が「学歴社会を崩壊」させるとは、今は考えにくいと思っている。
何故なら2020年度から、大学入試が大きく変わることになっているからだ。
河合塾:こう変わる!大学入試~2020年度からセンター試験に代わる試験を実施~
そのための予備テストが、昨年秋実施されたことも記憶に新しいところだろう。
変更される内容を見ていると、鉛筆を転がせばある一定の確率で正解となるマークシートから、思考を試される内容に代わるようだ。
この「思考を試される内容」こそが、AIでは対応できないことだと言われている。
AIが苦手とする内容の大学入試試験が、2次試験などで実施されるようになれば、それにあった学習をする必要が出てくるからだ。
言い換えるなら、仕事についても「思考力」が必要な仕事は、AIの時代になっても生き残る仕事、ということになるはずだ。
「思考する仕事」というのは、デザインなどのクリエイティブな仕事だけではない。
「相手を思う」ということもまた「思考」の一つだろう。
違う言葉で言うなら「コミュニケーション力」が問われるような仕事、ということになる。
介護や看護という職種などは、配膳のような仕事はAIのロボットが担当するなど、職場内での棲み分けができるだろう。
そして忘れてはいけないのは「匠」と呼ばれるような、技能を持った人材だ。
このような人たちには、独特の身体的感覚を持っている為、AIでは太刀打ちできない部分があるからだ。
むしろ、問題となってくるのは企業側かもしれない。
AIとの棲み分けが進めば、今よりも少ない人員で仕事ができるようになる。
少子化に向け、AIの活用は「人材不足」を解消する一つの方法となるかもしれないが、問題なのは「今働いている人たち」だからだ。
簡単に配置転換できない人材こそ、AIに対抗できる思考力や発想力、人を思いやる為の観察力を身に付ける必要があるのでは?