日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

2つの広告-日産とマツダ-

2011-08-20 20:04:41 | ビジネス
今日の新聞に、チョッと目を引く広告があった。
一つは、日産の「リーフ」の試乗会の折り込みチラシ。
もう一つは、マツダの「デミオ」の刷り広告。

ご存知の通り、日産の「リーフ」は「電気自動車」だ。
電気自動車といえば、三菱の「i-move」が既に一般発売されている。
実際、お盆休み前に街中を走る「i-move」を偶然見かけた。
ただ日産の「リーフ」と三菱の「i-move」との大きな違いは、「i-move」はまだまだ試験的な要素がある電気自動車という印象があるのに対し、日産の「リーフ」は完全に一般自家用車という印象がある。
それには、「i-move」が電力会社や自治体に対してリースをし、「電気自動車」の認知度を上げるという方法だったのに対して、「リーフ」は、いきなり一般市場を対象としたからだろう。
それも日本ではなく、アメリカ市場を先に選んだことでより一層「普通に使える電気自動車」という印象を強くさせたるコトに成功したように感じている。

日産の「リーフ」は、いわゆる「ハイブリッド車」のカテゴリーに入るのだと思うのだが、この「ハイブリッド車」の市場を牽引しているのは、トヨタの「プリウス」だ。
その後ホンダの「インサイト」が登場したが、「プリウス」優位という状況が続いている。
その意味で、「リーフ」は三菱ともトヨタやホンダとも違う「電気自動車というエコカー」を市場に出したという印象を与えることに、この「試乗会」の案内折り込みチラシは成功しているように感じたのだった。
もちろん、トヨタが既に発表している「ハイブリッド車」を使った「家庭用スマートグリッド」という提案も忘れてはいない。
むしろ「電気自動車だからこそ、家庭用スマートグリッドに最適」とシッカリ、アピールしている。

一方、マツダの「デミオ」はこのような「ハイブリッド車」や「電気自動車」という、自動車業界の流れに逆らうかのような広告を掲載している。
マツダの考えとして「ハイブリッド車」ではなく、「まだまだガソリン車の需要が高い」と考えているのだろう。
だからこそ、「燃費が他のクルマよりも遥かに良い」というコトを、強調しているのだと思う。

マツダが「ハイブリッド車」の開発をしていないとは思わないが、マツダの持っている技術特性を活かしたハイブリッド車の開発が、まだまだ不十分なのかもしれない。
だからこそ、「今という時代にあったマツダらしさ」を考え抜いた結果として、新しい「デミオ」というコトになったのではないだろうか?
日本の自動車業界全体が、ハイブリッド車へと突き進む中、マツダの考えはチョッと出遅れ感があるのかもしれない。
だが、逆に「マツダらしさの追求」という点では、好感が持てる。

もしかしたらこれからのクルマというのは、自動車メーカー各社の「らしさ」が重要になってくるのでは?と感じさせる2つの広告だ。

地方の変化

2011-08-19 20:50:47 | アラカルト
お盆で実家に帰省し、名古屋へ戻ったら猛暑でダウン。
その間も、拙ブログにおこしくださる方がいらっしゃり、感謝申し上げます。

「お盆の過ごし方」というと、多くの方にとっては「ふるさとへの帰省」というコトになるのではないだろうか?
当然のことながら、私も「ふるさとへの帰省」というコトになる。
もっとも、私の場合「仏様のお世話」というのがメインで、親戚回りという「仏様へのご挨拶」というのも、欠かせない大切な行事だ。

その「親戚回り」に出かけた時、とても珍しい光景を見た。
その一つが↓だ。

お若い方は、生で見たことが無いかもしれない「案山子」だ。
父の実家近くの農家さんが、世代代わりをし「アイガモ農法」や「減農薬」でお米を作るようになったため、「案山子」の登場となったという話だった。
農家の高齢化が問題になっているが、上手に「世代交代」が出来ると、若い世代はこれまでとは違う「農業のスタイル」を求めるようになるということだろう。
うろ覚えなのだが、この水田は10年以上前は「たばこ畑」だった。
その「たばこ畑」も、時代と生活者の意識の変化で、長い間休耕田となっていたように思う。
そんな休耕田を再び耕し、時代に沿った農業を始める若い世代も少数派とはいえ、積極的に農業に取り組んでいるというコトだろう。

もう一つが、↓だ。

こちらは「減反政策」で、長い間休耕田となっていた場所を「ひまわり畑」にし、観光客を呼んでいた。
もちろん、観光資源としての「ひまわり畑」だけではなく、「ひまわり油」などを取り、新しい特産品を創るという目的もあるようだ。

この「ひまわり畑」だけではなく、いたる所にイロイロな穀物類を作っているのも目にした。
中には、ひえや粟、はと麦といった「雑穀類」を作っている畑もあった。
父の実家がある簸川平野では、元々米作が中心だったはずなのだが、長い間続いた「減反政策」で、水田が荒れた時期もあったように思う。
それがしばらく前から、少しづつではあるが、様々なチャレンジを農家さん自身が始めたようだ。

のんびりとした風景の中に、ゆっくりとだが変わりつつある農業というものも感じたお盆休みだった。

嫌~な雰囲気

2011-08-09 19:49:17 | 徒然
円高が止まらない。
こんなことは、私がブログで書くまでも無いコトだろう。
その円高の理由も、決して日本経済が良いからではなく、いわゆる「消去法」で円を買う動きがあるという、マイナス志向というか、消極的な理由によるモノだ。

そんな最中、イギリスでは暴動が起きているらしい。
コトの発端は、警官が市民を射殺下コトのようだ。
それが、イギリス各地へと飛び火し、ソニーの子会社の倉庫などが放火されたらしい。
ソニーにとっては、迷惑な話だ。

暴動の発端については、言及したくは無いのだが、イギリスという国の中でもイロイロな「不満」が渦巻いていて、それが一気に爆発したような印象がある。
丁度、ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の前、イギリスでは大学の授業料の値上げを受け、学生たちがデモを行っていた、という記憶がある。
イギリスの社会そのものが階級社会という部分を残しているコトを考えると、大学に進学できる家庭の子供たちというのは、ある程度経済的は裕福な家庭だと思う。
そんな彼らが、デモを起こすというのは、社会的にはどんな背景があるのだろう?と、思っていた。
もしかしたら大学生などを中心とした若年層に、社会的不満のようなものが潜在的にあるのかも知れないな・・・と、思っていたら今回の暴動が起きた。
新聞などの報道を読む限りでは、現在の暴動は社会に対する抗議というよりも略奪や放火が目的となっている、という指摘もあるようだ。

米国だけではなくEUでも経済的不安が強くなり始めた今、
他にも、経済面では好調に見える中国においても、様々な問題が見え隠れしている。
事実、「高速鉄道事故」以来政府に対する(もしかしたら「鉄道省」か?)不満のようなものが、ネット上で盛んに言われるようになってきた。
今まで「言論統制」出来ていたコトが、出来なくなりつつあるようだ。
ネット上の統制は出来なくなりつつあっても、その分テレビなどのメディア規制はより厳しくなっているように感じている。

そのような世界的な「雰囲気」から、何か嫌~な感じを受けてしまうのだ。
66年前のようなことは起きないと信じたいのだが、人間の愚かさを考えると・・・・。
決して経済が好調とは言えない日本も、「東日本大震災」や「フクシマ事故」などで、先行きが見えない状態にある。
ただ日本に限って言えば、政治に対しての不満はあっても「お上など当てに出来るか!」的、精神で、国民自らが動きはじめている。
ある種の「政治への諦め感」が、他の国の不安感とは違うモノになっているように感じている。
その様に考えると、もしかしたら、この「嫌~な雰囲気」を変えることが出来るのは、この日本なのかも知れない。
民衆による被災地復興というだけではなく、「フクシマ事故」を教訓とした原発の在り方や新しいエネルギーの創造、日本人独特の「仕方がない・我慢」を超えた思考などだ。
その意味で、日本の底力が試されているのかもしれない。

ここでお知らせ。
明日から1週間ほど、お盆行事のため帰省いたします。
そのため、ブログの更新がおそらく出来ないと思われます。
何卒、ご了承ください。
よろしくお願いいたします。

被災地B級グルメで・・・

2011-08-08 20:35:11 | アラカルト
「富士宮焼きそば」のヒット以来、全国各地では「ご当地B級グルメ+お国自慢グルメ」に余念が無い。
特に、これといった観光資源の無い地域では「B級グルメ」が、新しい観光資源となる場合が多い。
その成功例が「富士宮焼きそば」というコトになる。
他にも、以前拙ブログでも紹介した「サービスエリアグルメ」や「ご当地ハンバーガー」などドライブなどの目的が観光ではなく、「庶民派グルメを楽しむ」という楽しさを提案するようになってきている。
それだけ「食」に対する興味は、いつの時代でも需要があるということなのかもしれない。

そんなコトを考えていたら、被災地でもこのようなイベントが行われていることを知った。
それが秋田県由利本庄市の夏祭りで開かれた「つながろう東北!ご当地グルメ博覧会」だ。
HPにあるポスターを見るだけで、チョッと食べてみたくなるモノがたくさんある。
その中には、当然のコトながら被災地である宮城、岩手といった地域や「フクシマ原発事故」のために避難を余儀なくされている福島県対象地域も含まれている。
このようなイベントに開催地の人たちだけではなく、被災地の人たちも参加(=食べる側)出来たら、様々な思いとともに「明日へのちから」となっているかもしれない。

その様に考えると、毎年行われている「B-1グランプリ」にも今年は「東北部門」を特別に設けるというのも、良いのでは?と思ったのだ。
上述している通り、「B-1グランプリ」に優勝すると、その経済効果は10億以上あるといわれている。
その中で一番大きいのは「グランプリに輝いたB級グルメを現地で食べたい」という理由で、その地を訪れる観光客の増大だ。

今現在、テレビなどでは盛んに「東北ツアーキャンペーン」のように、旅番組で東北を紹介している。
実際、その効果はいかほどなのかはわからないのだが、これまでの「B-1グランプリ」での経済効果ほどでは無いような気がする。
とすれば、やはり「B-1グランプリ・東北部門」を設けることで、東北の様々な食文化を紹介しながら、観光へと誘致するということも一つのアイディアなのではないだろうか?


「適電生活」のススメ

2011-08-07 20:59:27 | ライフスタイル
8月に入り、本格的な暑さが到来している。
そしてこの夏は「節電の夏」だ。
暑さも一段と、厳しさを増しているような気がする。
そんな中、新聞に「節電生活」ではなく、「適電生活」という広告を見かけた。
「上手いコピーだな・・・」と思った。

確かに今年は、「節電」をしなくてはならない。
だからと言って、熱中症になるほどエアコンを我慢するのも問題だ。
要は、ピーク時の節電を心がけるということや、テレビなどのダラダラ視聴を止めるといった「無駄な電力を使わない」というコトが重要なのだ。
何よりも電力会社としては、「節電の協力してもらいたいが、必要以上の節電は収益などの面から考えれば、やめてもらいたい」というのが、本音なのではないだろうか?

今のところ、東北電力以外の地域では電力の需要バランスが取れているようだし、3月の震災から「節電の準備」をしてきた生活者の努力というか、協力もあるだろう。
何よりも、「必要だ!」と思っていたコトが、節電対策で見直しをしてみたら、案外生活の不自由さを感じなかった、という部分もあるのではないだろうか?
我が家の場合は、テレビということになるのだが・・・。

そしてこの「節電経験」は、もっと違う効果を発揮するかもしれない。
それは「思い込み」というフレームを外し易くする、ということだ。
震災以降、生活者の中には「それって、本当(に必要?)」という、生活の見直しが急速に広がり始めている。
その理由の一つが、震災発生直後から繰り返しテレビなどで流れた東北各地の津波の様子だ。
物質的なモノだけではなく、様々なモノが瞬く間に押し流されていく光景は、ある種の「諸行無常」感を、与えたはずだ。
それを裏付けるように、震災からしばらく経って起きた「自粛ではなく、経済を立て直すためにも、必要なモノは積極的に買おう」という雰囲気に対して「あの津波の光景を見てしまうと、モノへのこだわりが虚しいものになってしまった」という声が多かった。
そこへ「節電のための生活の見直し」が迫られた。
生活者としては「支援のための消費」や「生活に必要な消費」は積極的にするが、「見直し対象となったモノへの消費欲は減退中」という状態になっているのでは?

であれば、様々なモノ・コトを提供する側である企業も、「(企業側から見た)生活者メリット」を見直さなくては意味がないのでは?
「(企業側から見た)生活者メリット」こそが、「(企業の)思い込み」的部分になっている可能性が高いのでは?

多くの企業は、今週後半から「お盆休み」に入るだろう。
「お盆休み」を「思い込みから解放される休み」とするのも、方法だと思う。

テレビが面白くない理由

2011-08-06 21:29:23 | 徒然
東海地区(愛知・岐阜・三重)のみの放送なのか、全国放送なのかは知らないのだが、名古屋のあるテレビ局が放送したお昼の番組が、今問題となっている。

「ぴーかんテレビ」

私自身は、我が家のテレビが壊れる前からこの番組を見たことが無いので、どのような番組なのかは知らない。
どうやら、お昼の視聴者参加型の番組のようだ。
その中で、お米の当選者を発表する際に、間違ったテロップを出してしまい、その間違ったテロップがとんでもない内容だったようだ。

内容が内容なだけに、社会的に糾弾されても仕方ないと思う。
既にJAやJAバンクなどは、CMを打ち切ってしまったようだ。
ローカル番組にとって、地元のJAやJAバンクのテレビCMは、比較的大口スポンサーなのでは?と考えると、間違ったテロップを出したという、単純なミスは社会的にもテレビ局の営業面でも大打撃となったのではないだろうか。

ところで、この事件で思ったことがある。
それは、何故例えリハーサル用だとしても、しゃれにもならないようなテロップを、用意したのか?という点だ。
リハーサル前の打ち合わせの時点で、「こんなセンスの悪いテロップは作るなよ。リハーサルでも使えんな!」と、指摘し、作り直しをさせれば良かったのではないだろうか?
それをディレクターをはじめとするスタッフが、誰一人として指摘しなかったのだろうか?
とすれば、ディレクターや他の製作スタッフも、そのセンスの無いテロップを見て何も感じなかった、というコトのほうが問題だと思うのだ。
というのも、そのセンスの悪いテロップは、誰が見ても不快感を覚えるモノだったからだ。
その「不快感を覚える」という感覚が無い、というコトは、テレビ番組を製作し放送するという「テレビ局の仕事」に対して、真剣みが無いというか一生懸命に取り組んでいない、という姿を本番中に曝け出しただけ,という気がするのだ。

間違って流れてしまったテロップについては、テレビ局や製作会社に対して大きな社会問題となって、強い反省だけではなくあらゆるペナルティが科せられるだろう。
それは、仕方のないことだと思う。
だが,それ以前に「若年層を中心にテレビ離れが進んでいる」と言われる中、緊張感を持つコト無く、身内受けするようなことばかりの番組しか作れないテレビ局の体質というか、発想力のなさの方が、もっと問題のような気がする。
これでは「テレビが面白くない」といわれても、仕方がないのでは?




高校生が考えた「義援金」の集め方

2011-08-05 12:26:45 | アラカルト
新聞に、チョッと変わった「義援金募集」の記事があった。
半田商業高校の高校生たちが、自分たちの授業の一環で行っている「実習」と今回の「東日本大震災」の義援金募集を兼ねてプロジェクトを立ち上げた、という内容だった。

「半商ハートツリー・プロジェクト」

このプロジェクトが、これまでの「義援金」と大きく違うのは、上述した通り「授業の一環」であるということ。
もう一つは、この「ハートツリー」という植物を作っている農園が、昨年から提供するという、「地域を巻き込んで」の販売促進実習を、義援金集めに使うという、高校生らしい発想だったことが上げられる。
そしてこの義援金の目的が、被災地から転校してきた生徒の出身校への復興支援という、はっきりとした目的があるという点がある。

震災発生から間もなく5ヶ月になる。
震災発生当初は、「災害復興支援」というとても大きな「義援金」だった。
その義援金が今どうなっているのかは、よくわかっていないようだが、時間が経つにつれ「目的別復興支援義援金」と変わっていったように思う。
特に、今回の震災で親を失った子供たちへの支援や、「災害弱者」と呼ばれる障害者などへの支援も、随分多くなっているような気がしている。

今回の半田商業高校の「ハートツリー・プロジェクト」の場合、高校生が被災した高校生を支援する、というカタチになっているが、同様の高校生同士の支援という輪が広がりつつあることは、「いまどきの子供たち、やるじゃない!」という感じがしている。

写真で観る「ハートツリー」は、とっても小さくて赤い「ハートの実」がついている、可愛らしい植物だ。
そして、この「ハートツリー」そのものが、提供している農園でしか栽培されていない、特別なモノだという点も、この「義援金集め」を特別なモノにしている。
何より「ハート」というモチーフを選んだあたりが、高校生らしいと思う。

1鉢3,000円という値段は、その希少性や物語性などから考えれば、決して高くは無いかもしれない。
今この時点で、販売個数は25個のようだ。
FAXでの注文もできるようだ。
そして、早く3,000鉢完売すれば良いな・・・と、思っている。
きっと鉢を買った人の「気持ち(=ハート)」も、被災地の高校生達に届くはずだ。

元サッカー日本代表・松田選手の訃報

2011-08-04 21:06:19 | 徒然
元サッカー日本代表・松田直樹選手が亡くなった。
練習中に倒れ、病院に運ばれた時には既に「心配停止状態」だった。
その後、回復の兆しもあったようだが、ご家族だけではなく多くのサッカー関係者、ファンの祈りも虚しい結果となってしまった。
ご冥福をお祈りします。

ところで、私が「松田選手が心筋梗塞で倒れた」というニュースを知ったとき、思い出したことがある。
それは同じようにスポーツをしている最中に倒れられ、亡くなられた高円宮憲仁親王のことだ。
季節は違うが、高円宮憲仁親王が倒れられた時もとても良いお天気だったような記憶がある。
スカッシュをされていた時、突然心室細動で倒れられ、そのままお亡くなりになられた。
スポーツ好きで、日本サッカー協会の名誉会長をされるほど、サッカーというスポーツの発展にご尽力をされ、亡くなられた年の6月に行われた「2002年FIFAW杯・日韓大会」では、皇族として初めて韓国をご訪問された。
その年に、日本代表として活躍した松田選手が高円宮憲仁親王と心臓に関係する突然の死に、何かを感じてしまうのは私だけだろうか?

ところで、今回松田選手の命を奪った「心筋梗塞」は、決してお年寄りの病気では無い、というコトを改めて知ったような気がする。
実は、この季節年齢に関係なく「心筋梗塞」などの「心臓の突然の病」で倒れられる方というのは、決して少なくないようだ。
むしろ、夏場は脱水症状から「心筋梗塞・脳梗塞」へと発展し、亡くなられる場合が多いという。
松田選手のように、日頃スポーツで体を鍛え、メディカルスタッフも側にいて、「ウォーターコントロール」と言って、水を飲むタイミングや水温などコト細かくチェックをし、水分補給を指示しているのがチームもあると聞いたことがある。
それくらい、夏の水分補給というのは重要なコトなのだ。

反面、今年話題になっているのが「ペットボトル症候群(一時的な急性糖尿病)」という、糖質の過剰摂取によるモノだ。
熱中症対策として、スポーツドリンクを大量に摂取すると、今度はスポーツドリンクに含まれている糖質で、血糖値が上がってしまい、健康上問題が起きる、という。
実際、お料理サイトとして有名な「クックパット」で「スポーツドリンク」を検索すると、「自家製スポーツドリンク」の作り方が出てくるが、その使われる砂糖の量は、チョッとビックリするほど大量に使われている。

「夏場の心筋梗塞は、スポーツをしないから関係ない」というのではなく、上手に夏の暑さと付き合う知恵が必要な今年の夏なのかもしれない。


デリバリービジネスは拡がるのか?

2011-08-03 19:48:15 | ビジネス
先日買い物へ出かけた時、華やかな絵柄の小型コンテナ車を見かけた。
それから数日後、やはり出かけた時に、可愛らしい絵柄のワゴン車を見かけた。
小型コンテナ車には「ヘアーメイク」、ワゴン車には「ネイルアート」という文字がそれぞれあった。
どちらも信号待ちだったため、「何のクルマ?」という疑問で終らずに、「何をしているクルマ」というコトもわかったのだった。

この2台のクルマに共通していることがある、それは「デリバリー」というコト。
「デリバリー」ではなく、「モバイル」といった言葉を使っていたが、いわゆる「ヘアーメイクやネイルを自宅でしてくれる」というサービスを提供しているのでは?と、思ったのだった。

これまで「デリバリー」というと、「宅配ピザ」や「お弁当」、「有機野菜」などの宅配サービスが主流だった。
最近では、コンビニやスーパーなども高齢者や諸般の事情で、なかなか買い物にいけない人向けに「宅配サービス」をするようになってきた。
そんな中で「ヘアメイク」や「ネイル」と言った、いわゆる「美容」関係の自宅訪問サービスというのは、見たことが無かった。
そのため、そのようなサービスを提供するクルマを見たとき、チョッと驚いたし強く印象に残ったのだった。
肝心な連絡先などはすっかり忘れたというか、記憶に無いのだが・・・。

ただこれらのクルマを見た時、「デリバリービジネスは、今後拡がっていくかもしれない・・・」と、感じたのだった。
その理由の一つが、「高齢化社会」であるということ。
ここ何年も問題になっている「介護」という視点で見ると、介護をされている人だけではなく、介護をしている人もなかなか出かけるコトが出来ない。
時間的余裕が無いだけではなく、気分的にも難しいのではないだろうか。
そして「高齢者」というだけで、「おしゃれには興味が無い」と社会が思い込んでいる部分もあるような気がする。
女性だけではなく、男性であっても年齢に関係なく「おしゃれ」をしたいという気持ちがあるはずなのだ。
むしろそのような気持ちが失われ始めると、「認知症」などの始まりだといえる。
例え車椅子生活であろうと、自宅から出ることが困難な状態であろうと「おしゃれをする」という、気分転換やリフレッシュは見逃されがちだがとても重要なのではないだろうか?

もう一つは、子育て期間中のママなど時間の制約がある人たちへの、「サービスビジネス」と考えたのだ。
別に派手なデコレートの付け爪をしたい、という訳では無い。
かつてのように、「育児期間中は、おしゃれよりも子育て優先」という時代では無い。
子育て期間中であっても「自分らしさのためのおしゃれをしたい」という、気持ちを社会も理解しはじめているし、実際、ママ雑誌などでは「おしゃれなママ」達をたくさん見ることができる。

その様に考えると、これまでの「デリバリービジネス」というのは、その昔の「御用聞き+αサービス」だといえるような気がしている。
「デリバリー=物の宅配」ではなく、サービスそのものを「デリバリーする」と考えれば、「デリバリービジネス」は、今後拡がっていく可能性があるような気がする。







節電で一番恩恵を受けたのは誰?

2011-08-01 20:25:47 | ビジネス
今日の朝日新聞に、東京電力が試算した「一般家庭の消費電力」についての記事が掲載されていた。
その記事によると、現在一般家庭にも協力要請をしている「15%の節電」は、相当「どんぶり勘定」的というか、現実とは大きくかけ離れた数字を基に言われていたようだ。

その記事を読んで思ったことがある。
それは「実勢からかけ離れた試算を発表して、一番損をするのは東京電力自身なのでは?」というコトだ。

「フクシマ」での事故発生以来、東京電力管内では大口事業者だけではなく一般家庭にも「節電」を呼びかけてきた。
それは東京電力管内にとどまらず、全国各地へと波及していった。
結果、一般家庭でもエアコンの自粛や様々な「節電グッズ」を使い、節電に励む家庭や個人が増えている。
実際、東急ハンズやLOFTだけではなく、大手スーパーなどでも「節電グッズ・冷却グッズ」のコーナーを拡充させ、買い求める人も多い。
それだけではなく、意外な商品が売れている。
それは「園芸用遮光カーテン」だ。
テレビ番組で紹介され、楽天などでは品切れとなっているようだ。
結果として、7月は猛暑日が少なかったこともあり、予想よりも随分と少ない消費電力となったようだ。

それだけでは無い。
夕涼みがてら、近所を散歩していると昨年よりもずっと涼しいのだ。
各家庭のエアコンの室外機から放出される熱風も、幾分低い気がしている。
「猛暑を作り出していたのは、私たちの生活スタイルにあったのでは?」と、思う程だ。
そんな生活者の努力の結果が、今の余裕のある電力供給という状況を作りだしているのだが、逆に東京電力側から見ると「各家庭の消費電力の減少=減収」というコトになるのでは?

今現在の電力会社は、「発電するための原料(石油など)を購入し、電力を作り、各事業所や家庭に送電し、収益を上げる」という仕組みになっている。
このところの円高で、原料となる石油が安くなったのか?といえば、ガソリン価格などを見ればわかるように、値下がったわけでは無い。
いくら、電力供給に限度があるとしても、必要以上に節電をされると「供給過剰」という状況になってしまう。
電力はためておくことが出来ないため、供給過剰の状態だからといってもいきなり発電量を変えるわけにもいかない。

一方、現在の電力事情を考え積極的に「太陽光発電パネル」などを設置し、なるべく「自分たちで電力を創りだそう。余った電力を電力会社へ売ろう」という、「売電」をする一般家庭も増えつつあるのでは無いだろうか?
この「売電」の大きな原資となっているのが、一般家庭や事業所からの「電気代」だ。
その電気代=電力会社としては大きな収入源が、節電=消費電力の低下により、減ってしまうのだ。

とすれば、今回の「どんぶり勘定」試算による「節電のお願い」で、一番損(と言っては語弊があるが)をしたのは、東京電力というコトになると思うのだ。
「様々な視点を持って、現実的な試算と節電のお願いをすれば、こんなことにはならなかった!」と、思っているは東京電力自身なのでは?
そして、「節電」で一番恩恵を受けたのは、「園芸用遮光カーテン」や「緑のカーテン」といった「園芸関連」かもしれない。