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ユニバーサルデザインは、使いやすい?

2018-03-24 22:15:06 | アラカルト

10年以上前に「ユニバーサルデザイン」という言葉が、ブームのように使われていた。
様々な商品に「ユニバーサルデザイン」という言葉が付けられ、そのような商品を随分見たような気がするのだが、最近はほとんど見なくなったような気がする。
「ユニバーサルデザイン」という言葉が不要になるほど、一般的になってきたのか?というと、どうなのだろう?という疑問もある。

確かに、地下鉄などを含め公共施設の場では、身障者の方も使いやすいようになってきていると思う。
3年ほど前にリニューアルオープンした近所のマクドナルドのトイレなども、身障者向けのトイレが設置され、そのトイレにはストマ(人工肛門)などを使っている人たちにも使えるようになっていた(実は、大変申し訳ないと思いつつ、利用したことがある)。
公共施設の場では、身障者にも使いやすい工夫が当たり前になりつつあると思うのだが、個人が使うものはどうなのだろう?と、フッと思ったのだ。
その理由は、ホンダが4月に発売する予定の「N-BOXスロープ仕様」を見たからだ。
ホンダ:N-BOX スロープ仕様

これまでスロープ仕様=福祉車両という、一般車とは違う位置づけをされてきたように思う。
今回のスロープ仕様は、福祉車両という位置づけではなく、一般車としての位置づけのようだ。
そして、久しぶりに思い出した言葉が「ユニバーサルデザイン」と言う言葉だったのだ。

以前から指摘されていることだが「ユニバーサルデザイン」の基本は、「誰もが使いやすいデザイン」ということだ。
それが日本では「身障者が使いやすいデザイン」と認識されている部分があるように思う。
本来の意味である「誰もが使いやすいデザイン」という視点で、「N-BOX スロープ仕様」を見てみると、案外軽自動車のメインユーザーである子育て世代の女性などにとっては、使いやすいのでは?という気がするのだ。

例えば、ベビーカーを利用している子育て世代にとって、子どもをチャイルドシートに座らせるということの他に、ベビーカーをクルマに積むという動作が必要になる。
最近は、コンパクトにたためるベビーカーだけではなく、見るからに重そうなつくりのベビーカーもある。
そのようなベビーカーを使っている親御さんにとって、クルマにベビーカーを積むのは大変なことだろう。
その時、スロープでクルマに積むコトができたら便利なのでは?と、感じていたのではないだろうか?

また、力のない女性にとって買い物をしたものをクルマの荷台に持ち上げる、という動作も大変なことになる。
特にコストコのような1パッケージの量が多く、様々な商品を買ってしまうようなところで買い物をするような場合は、一旦カートごとクルマに乗せ、クルマの中で荷物を降ろすことができれば、その労力は軽減されるのでは?
組み立て家具をバックヤードのようなところで買うIKEAなども、同じことが言えるかもしれない。

残念ながら10年以上前の「ユニバーサルデザイン」は、ブームで終わってしまった感があり、ここ数年発売される様々なデザインやサービスは様々なハンディキャップを持った人たちが使いやすいのか?というデザインのモノが多かったような気がする。
そんなプロダクトデザインの中で、ホンダの「N-BOX スロープ仕様」は、久しぶりに本来の意味の「ユニバーサルデザイン」を見たような気がしたのだった。



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