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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

トランプ関税、コメ700%に考える

2025-04-03 20:30:44 | アラカルト

今朝のFM番組の話題は、「トランプ関税」だった。
ご存じの通り、トランプ氏は、日本に対する関税平均を24%追加関税にする、という内容だった。
ところが米に関しては、700%という、ちょっと想像を絶するモノだった。
日経新聞:トランプ大統領のコメ関税700%、農相「理解不能」トランプ氏発言を巡り  

確かに関税700%というのは、常識的な数字ではない。
商品価格よりも、尋常ではない関税を加え、市場に流通させるということになるからだ。

では、何故トランプ氏はこれほどまでに高い関税を日本のコメに対して、かけようとするのか?ということを考える必要があると思う。
一つは、日本から輸出されるコメが、米国内でつくられるコメの価格に対して安い、ということが考えられる。
日本のお米は、品質が良いだけではない。
その味わいもまた、ブランドごとで違う。
ブランドどころか、「コシヒカリ」と言っても、産地によってその味が違う。
だからこそ、海外でも人気が出る様になったのだ。
しかも、政府はコメの輸出を増やそうとしている。
NHK NEWS:コメの輸出量 2030年前に35万トンまで増やす目標掲げる方針 政府 

昨年晩夏から始まった国内の米不足とは対照的に、米国などへ輸出されたコメは、日本のスーパーで販売さえている価格よりも、随分安かった。
安くて美味しいお米となれば、人気が出るだろう。
それは、トランプ氏が掲げている「自国ファースト」の経済政策に反する状況と、言えるのではないだろうか?

もう一つは、カリフォルニア米に代表されるような、米国産のコメを買え、という圧力のように思えるのだ。
まして、現在の日本はコメそのものが不足している、という状況だ。
この様な日本の状況を、トランプ氏周辺の人たちが、知らないはずがない。
トランプ氏にとっては、カリフォニア米を売り込むチャンス!と、とらえているかもしれないからだ。

米国産のお米は既に米菓子などで使われてはいるが、ご飯として食べている人はあまり多くないのでは?
トランプ氏にとって、日本国内の米不足は米国産のお米の市場拡大には、千載一遇のチャンスなのだ。

この様な視点で考えてみると、トランプ氏のコメ700%関税の目的も、見えてくる気がする。
米国内の米農家の保護と日本への市場進出だ。
700%という数字は、相当ふっかけた印象を受けるのだが、トランプ氏はそこから徐々に譲歩の姿勢を見せながら、米国内の稲作農家の保護と日本への輸出拡大を考えてのことのような気がするのだ。