昨日トランプ大統領が発表した「関税率の引き上げ」によって、米国株安という状況になっている。
この状況により、相場のプロは逃げ出し、個人投資家は逆張りをしている、という記事がBloombergにあった。
Bloomberg:プロも逃げ出す米国株安、個人投資家は逆張りー10年後の利益期待
トランプ関税が発表されてから、米国株は下落した。
代わりに日本の円が高くなり、久しぶりに「円高」という言葉を聞いた。
考えてみれば、トランプ関税はメキシコとカナダといった、特定の国に対する関税率の引き上げではない。
それこそ、米国と取引をしている世界各国の国を対象としている。
いうなれば、トランプ関税は世界に経済的喧嘩を売った、という感じなのではないだろうか?
だからこそ、米国株が安くなってしまったのだろう。
今朝の新聞を見ると、トランプ関税率が大幅に上がった国々というのは、アジアの国々が目立ちインドのように経済発展が目覚ましい国もあれば、カンボジアやスリランカ、バングラデシュといった、紛争から立ち上がろうとする国もある。
もちろん、中国も含まれているのだが、中国とこれらの国々と同じと考えるべきではないと思う。
国名を見て何となく感じることなのだが、これらのアジアの国々の中には貴重な鉱物資源を持っている国も含まれているのでは?ということだ。
言い換えれば、これらの鉱物資源を輸入して米国内で様々な製品を製造・販売している企業があるのでは?ということなのだ。
2011年に発生した、東日本大震災では、iPhoneなどの部品を製造していた企業が東北にあったことで、製造できないという時期があったと記憶している。
それが「グローバル経済」の典型と、言えるのではないだろうか?
確かに、トランプ関税により原材料から製造に至るまで、米国内で完結しているモノであれば、米国中西部の労働者にとって朗報となるだろう。
しかし、今はそのような時代ではない。
相当の原材料を海外から輸入し、米国内で製造をしているはずだ。
トランプ大統領の主要支持者となっている人達に恩恵を与えるはずの、トランプ関税はその実主要支持者の仕事を奪う可能性もある、ということなのだ。
そして、日本に目を向けた時考えるべきことは、アジア圏での経済・産業の連帯を日本がリードする、ということだと思う。
と同時に、日本国内で衰退した産業の復活を考えるべきなのでは?
昭和の頃は、日本は国を挙げて輸出に力を入れ、それが日本経済の発展を支えることになった。
残念ながら、そのビジネスモデルは既に通用しない時代になっている。
トランプ政権では、高等教育に関しても予算の削減などを掲げたことで、優秀な若い研究者が新しい研究場所を求め、世界に出ようとしている、という話もある。
とすれば、私立高校の授業料無償化よりも、若い研究者との共同研究の機会を公立高校位の頃からスタートさせ、日本型スタートアップ企業の育成を考えるという、発想があってもよいのでは?
トランプ関税により、日本の輸出産業が痛手になる!と、騒ぐだけではなく、今一度日本国内の産業や教育などに目を向け、アジア全体の経済・産業・文化の連帯を日本がリードする機会だととらえることも重要な気がするのだ。