日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

官製事業は、何故失敗するのだろう?

2018-04-23 19:32:29 | ビジネス

Yahoo!のトピックスを見て、驚くような記事が取り上げられていた。
現代ビジネス:爆死案件が続々「クールジャパン」はこんなひどいことになっていた

このような記事の見出しは、やや大げさに書かれることが多いので「爆死って・・・」という気がして、記事を読んだのだが、まさに「爆死」と言う言葉が合いそうなくらい悲惨な状況のようだ。
一企業の赤字の場合、多くの生活者にはあまり関係が無い。
事業を立て直すのは企業自体であって、その企業とは関係のない生活者にとっては、どうしようもないことだからだ。

しかし官製事業となった場合、その原資となる資金は「税金」ということになる。
「事業に失敗しました。会社が倒産しました」では済まないのが、官製事業でもあるのだ。
だからと言って、100%事業が成功するとは納税者は、思っていないだろう。
官製事業が100%成功するなら、もっと厳しい経営環境で事業を行っている民間企業がつぶれるようなことはないだろう、と考えるからだ。
だからこそ、官製事業は事業の損失が少ない時に、事業の撤退をする必要があると思っている。

だが現実は、第3セクターと呼ばれる半官半民のような事業体を含め、失敗するケースが多い。
再三指摘されるように「経費と利益」と言った、企業であれば当たり前の「損益」に対しての認識の甘さもあるだろう。
「自分で利益を出す」という、事業に対する主体性の無さ、ということもあるかもしれない。
「税金」という、潤沢な資金があるために、事業プランそのものが甘い、ということ考えられる。
上述したような要素が重なり合って、官製事業が失敗するということは十分あり得る話だ。

先日、ネットである記事を読んだとき、「官製事業の本当の失敗理由は、これかもしれない」と思った記事がある。
AERA DOT.:ぐっち―「リアルな体験に基づく想像力に欠ける日本の現実」
それは「一つの成功事例をそのまま真似る」という、発想だ。

官僚を頂点として、日本の公務員さんたちの多くは「前例主義」的能力は高い、と言われている。
一つの成功例を見て、そのまま同じことをすれば成功する。という発想だ。
官製事業だけとは限らないが、日本は「成功例に学ぶ」とはいうものの、本来の「なぜ、成功したのか?自分たちの場合はどうなのか?」という、当たり前の分析をせずに、単に「真似る」だけで終わってしまっているように思えるのだ。

官製事業の場合より問題となるのは、企業にほぼ丸投げ状態で事業を始めている、という点だろう。
数日前、某芸能事務所のマネージャーのボーナスが1200万円という高額に、所属タレントさんたちが怒っていたが、丸投げ官製事業の場合、1200万円どころか仕事実態がよくわからない人に、2000万円のボーナスが支給されていたのだから、「爆死」と言われても仕方ないように思う。

一番の問題は「責任の所在が分からない」と言うところにあるとは思うのだが、ぐっちーさんが指摘されているように「リアルな体験に基づく想像力」と「成功事例の分析」と「展開をする事業に対するビジョンや考え」が持てないからなのでは?という気がする。
もちろん、一民間企業であっても同じようなことをしていれば、早晩その事業はダメになることは見えている。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。