日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

誰に対してでも、言ってはいけない言葉はある

2018-04-21 22:44:01 | 徒然

財務省官僚の福田次官が、「セクハラ疑惑」により、辞任をした。
セクハラを受けた女性がテレビ朝日の記者であったコトから、辞任時の福田次官の発言に対して、抗議をテレビ朝日がしている。

この一連の流れの中で、様々な意見がネット上に飛び交っているようだ。
中には、セクハラを受けた女性がスクープ記事の為に無断で録音をしたのではないか?とか、ハニートラップだったのでは?という、コメントなどがネット上で見ることができる。
このようなコメントを読むと、つくづく日本は男性中心の社会なのだな~と、実感する。
何故なら、「痴漢に合う女性のほうが悪い」という思考と、似ているように思えるからだ。

今回の件も「特ダネを取るために、色仕掛けができる女性」という、色眼鏡で見ているような気がするのだ。
そもそも「特ダネを取る」ということは、報道においてそれほど重要なことなのだろうか?
特ダネ記事と対極にある「調査報道」のほうが、社会的価値が高いことも多い。
「パナマ文書」と呼ばれる、租税回避地での税金逃れの実態は、地道な調査報道があって初めて公表されるコトになった。
その「パナマ文書」の公表の衝撃は、特ダネ記事以上のモノだった。
社会に対する報道の責任の重さは、特ダネ記事であろうと調査報道であろうと、変わりはないはずなのだ。
にもかかわらず、他社を出し抜いた特ダネ記事のほうが、報道機関としての価値があるような錯覚を、報道側も持っているような気がするのだ。
実際、今日のBuzzfeed Newsには、特ダネ記事を取るために疲弊した記者達の記事が、掲載されている。
Buzzfeed News:特ダネの為にすり減った私。記者たちの#ME TOO

今回のような場合だけではなく、どのような席や場面でも「言ってはいけない言葉」が、あるのではないだろうか?
例えば、歓楽街にあるお酒を提供する飲食店で、福田次官の音声として公開されたような内容のことを、お店の女性に言ったら、それは問題の無いことなのだろうか?
歓楽街にあるお酒を提供する飲食店の女性だから、どんなことを言っても良い、ということにはならないのでは?
お酒は提供しても、体を触ったりすることまでは了解していないからだ。
それとも「お酒の席だから、堅苦しいことは言わない」というのが、大人の暗黙のルール、ということだろうか?

確かに、私が20代だったころは、そんな暗黙の了解のようなモノはあった。
ただその時女性側は、「これも仕事のうち」と割り切り、ず~~~~~~~~~~っと、我慢をしてきただけのことで、不快で気持ち悪かったコトには変わりはない。
例え女性側が「不快で気持ち悪いので、止めてください」などと言ったら、怒る男性もいたし「何をかたいコトを言っているの。触って減るモノじゃないでしょ」くらいのことを言う男性もいた。
今回の福田次官の世代なら、そのようなことを平気で言う男性はいたのだ(実感+実体験)。
そんな女性側の不快さや気持ち悪さに、男性側が気づかなかっただけのことだと思う。

どのような場面でも、そしてどのような相手でも、「言ってはいけない言葉」があり、それを知り・言わない人が大人なのだと思う。






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