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モヤモヤする「NHKの赤字」

2024-06-29 09:39:22 | ビジネス

今月25日に、NHKの2023年単体決算報告の発表があった。
東洋経済:NHK「赤字でも黒字でも批判殺到」が意味すること 

記事としては4頁ほどあるのだが、是非読んでいただきたい。
「NHKの受信料を値下げたから、赤字になった」という指摘がされているのだが、「受信料の値下げ」が赤字になったというよりも、受信料そのものの不払いが増えたことで、赤字になった、とみるべきではないだろうか?
とすれば、「なぜ不払いが増えているのか?」と、考え・対策を取る必要がある、と考えるのが多くの民間企業だろう。

実は、NHKは国会で予算が決定されるため「国が行っている事業」と思われがちだが、「放送法」に基づいて設立された公共的目的でつくられて企業なのだ。
この「放送法」が、「受信料不払い」で問題になっていることは、ご存じの方も多いだろう。
NHK側は、「テレビ放送の受像機を設置していることは、NHKと受診契約をしなくてはいけない」という理由を盾に、受信料の不払いに対して法的措置を取るようになってきたからだ。
この「放送法」に疑問を持つ人達にとって「テレビを買った時、NHKとの受信契約書なんて書いていない」というのが、理由になっているのではないだろうか?

このようにNHKそのものは、「放送法」によって守られた企業ということになる。
その反面、実はNHKには関連子会社と呼ばれる企業をいくつも持っている。
NHKHP:NHK関連団体について (関連子会社を含むリスト)

文化事業としてNHK交響楽団があるのは、ご存じの方も多いと思うのだが、関連子会社の数が多いことに驚かれるのではないだろうか?
例えばNHKエンタープライズ等は、NHKで放送した国内外のドラマ等をDVDやブルーレイソフトとして販売をしている。
NHKが受信料で制作をしたドラマをDVDやブルーレイソフトにして販売することは、著作権等を保有しているので、問題はないと思うのだが、受信料と販売利益の関係は?という、疑問が出てくるのではないだろうか?
民放が人気ドラマをDVDやブルーレイソフトとして販売をしているのだから、問題はない、という考えもできるのだが、その制作原資はどこから出ているだろう?
それは広く「皆さまのNHK」として徴収した、受信料からなのでは?
朧気な記憶で申し訳ないのだが、NHK単体では赤字であっても連結決算で見ると、大幅な黒字だったような記憶がある。
公共放送としてのNHK単体は赤字でも、グループ会社を含めると黒字なのだが、「放送法」のもとでは「赤字」でも関連会社を含むグループ全体では、黒字というのがNHKの実態ということなのだ。

もう一つ考える必要があるのでは?と、感じるのは、かつてNHKが受信料徴収目的としていた「受信難視聴地域の解消」という点だ。
「受信難視聴地域」というのは、山間部や離島等でも公共放送としてのNHKが視聴できる設備投資の必要がある、という意味なのだ。
しかし、インターネットやスマホの普及により、旧来の受信設備投資の意味がほとんどなくなってきている。
代わりに言われるようになってきたのが「Web視聴に対する受信料徴収」ということなのだ。
このWeb視聴に関しては、既に民間企業が整備した設備のタダ乗りなのでは?という指摘もされている。
何故なら、NHK側が必要とするのは、NHKの設備であって山間部や離島に対する受信設備の投資ではないからだ。

「テレビ離れ」と言われて久しいが、今のような受信料の徴収方法を取っている限り、テレビ受像機であるテレビそのものを持たなくなる人達が増えることで、「受信料の減少」ということになるだろう。
実際、「テレビを視聴しなくても全く生活に困らない」というのが、テレビが壊れ廃棄した私自身の感想だからだ。



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