日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

1か月前に広告されていた「父の日」

2024-06-16 19:08:10 | CMウォッチ

今日は、父の日だ。
先月の「母の日」に比べると、何となく話題に欠ける感がある「父の日」だ。
理由は、「母の日=カーネーション」というような、「+α」の要素が無いため、商業的なキャンペーンを打ちづらいからだろう。
それが何十年も続いているので、印象として弱くなってしまったのでは?と、考えている。

そんな「父の日」だが、約1か月前「母の日・父の日」という新聞の広告が掲載されていた事を、覚えていらっしゃるだろうか?



サントリーの「母の日。父の日」という広告だ。
広告が掲載されたのが5月12日「母の日」で、この広告を上下変えると「父の日」と読むコトができる、という一種の「しかけ広告」だ。
広告そのものを見ると「母の日」と読むには「母」の漢字表記が、どこか不自然な気がしないわけではない。
逆に「父の日」の「父」という感じも、少しずれている。
とはいえ、何となく楽し気で、ユーモアを感じる広告になっている。
そして「父の日」側から見ると、ちゃっかりウイスキー「メーカーズマーク」の宣伝になっている。
「母の日」側には商品を出すことなく、「ありがとう」の言葉だけになっているのも、「母の日」と「父の日」の世間的認識の違いを表しているような気がする。

サントリー自体は、花や野菜の苗や種の品種改良等にも力を入れており、通販サイトでは花や野菜の苗等も販売している。
何よりサントリーの「花」として有名なのは「紫のバラ」の成功だろう。
ご存じの方もいらっしゃると思うのだが、「青いバラ」そのものはいくら品種改良を重ねても無理と言われていた。
青系の色である紫も同様だった。
その無理と言われていた「紫のバラ」をつくりだしたのが、サントリーだったのだ。
公式サイトを見ると、「紫のカーネーション」もあるようだ。
サントリーフラワー:ムーンダスト 

「母の日」のカーネーションと言えば、赤が中心なので、紫のカーネーションを広告で使うのをはばかられたのかもしれない。
そして「母の日」にあえて1か月先の「父の日」の広告を出すことで「父の日ギフトの準備も忘れないでね!」という、アピールをしたかったのかもしれない。
1か月前という時間が、どれほど「父の日ギフト」として効果があったのかは、わからない。
ただ、このようなちょっとユニークな広告を出すことそのものが、サントリーらしさのような気がする。