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「鈍感力」なのか?‐岸田首相のことば‐

2024-06-19 19:21:00 | アラカルト

昨日、「政治資金規制法改正案」を自民党が強行採決し、今日成立した。
自民党政権になってから、このような「強行採決」が増えたような気がする。
とにかく、自民党にとって都合の良いことは、強行採決に持っていけるのも、それだけの議席数があるからで、その意味では私たち有権者の良識が求められている、と感じる。

さて、この強行採決をした「政治資金規制法改正案」は、以前から「ザル法」と、言われている。
「規制法」という名前と内容が、あっていないからだ。
今回、改正案が提出される切っ掛けとなった「裏金問題」を是正するような内容とは程遠い。
中でも情報開示が10年後という、既に開示請求ができる時点で時効になっている等、問題解決の為の改正案とは言い難い。

強行採決も内容も、全く「改正案」とは言い難いのに、岸田首相は「裏金問題」の幕引きをしようと、しているのだろう。
だからこそ、野党側から厳しい声が上がり、国民からも「どこが改正案なのか?」と、半ば糾弾されるようなコトになっても、岸田首相はどこ吹く風という感じなのだろう。
朝日新聞: 【詳報】首相「私は四面楚歌とは感じていない」 国民民主・玉木氏に 

今回の「政治資金規制法改正案」について、国民民主の支持を取り付けたこともあり、強行採決ができた、という背景もあり岸田首相は「法案成立に協力してもらい、ありがとう」ということを玉木氏に言ったのだろう。
その時、玉木氏が心配して「四面楚歌状態ですが、大丈夫ですか?」という趣旨の声掛けをしたことに対して「四面楚歌だと感じていない」と、話したとすれば、岸田首相は相当の「鈍感力」の持ち主かもしれない。

この「鈍感力」という言葉は、作家の渡辺淳一さんが2010年に出された本のタイトルだ。
集英社:渡辺淳一/鈍感力 

この「鈍感力」の意味は、些細なコトで動揺しない、楽天的な指向のことを指しているのだが、岸田首相の場合、楽天的な指向というよりも、本来の意味の通り「世間で起きていることに、鈍い」という感じがするのだ。
現在の政治家の多くは、この「世間で起きていることに対して、鈍い」という方が、多いような気がする。
だからこそ、現状を踏まえた未来のヴィジョンが、語れないのでは?という気がするのだ。

とすれば、補欠選挙3連敗、県知事選の敗北等は、岸田首相にとって反省材料になっていない可能性が高い。
ただ、わかるのは「今総選挙に打って出ると、自分が総理の席を失う可能性がある」ということくらいだろう。
であれば、有権者はこの時間を使って、各政党のこれまでの発言や考え、実績等をチェックする必要があると思う。
そして選挙に行くことは、自分たちの未来を決めることだというキャンペーンを展開することも、必要かもしれない。