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小さなほころびが、大きな痛手を負う?

2017-06-29 17:18:53 | ビジネス

昨日の日経新聞に、気になる記事があった。

日経新聞:米の車販売、金融から逆風 ローン焦げ付き急増

記事内容を全て読むためには、会員登録が必要な記事なのだが、見出しだけでも十分内容が伝わる記事だと思う。
この見出しを見て、思い出すことはないだろうか?
2008年に世界の金融を揺るがした、「リーマンショック」だ。

リーマンショックの時に問題となったのは、低所得者層が組んだ無理な住宅ローン(=高リスクなローン=サブプライムローン)だった。
元々ローンの返済能力に疑問がある低所得者に対して、言葉巧みに「住宅購入」を持ちかけ、債権化。
焦げ付きが判明すると、ヘッジファンドがデリバティブを含む債権や株など様々な金融商品を売却したために、株価が暴落した、という「金融ショック」だった。
結果、米国の失業率が上がり、GDPの減退などアメリカの実体経済が悪化した。
その影響はご存じの通り、日本だけではなく世界中に影響を与えた。

そして今再び、同じようなコトが起きているようだ。
「リーマンショック」の時は住宅だったが、今回は車のローンの焦げ付きだ。
住宅よりも安い(と比較するものではないが)ローンの金額だと思うのだが、逆に考えれば住宅よりも少額の車のローンが焦げ付いている、ということはアメリカ実態経済の悪化が、想像よりも悪いのでは?という気がするのだ。

何よりも、今回の車のローンの焦げ付きが、「リーマンショック」の時と同じような構図となっているように思える。
トランプ政権になってから、大企業に対する税制の見直しがされ、優遇されるようになってきた。
皮肉なことに、トランプ大統領を誕生させた支持層には、ほとんど恩恵がなく、今回のような「車のローンの焦げ付き」状態となっている可能性が高い。
元々共和党の政策が、大企業や富裕層に対して税制優遇という傾向はある。
「リーマンショック」が起きた時の政権は、(息子の)ブッシュ大統領の時だった。
この時も、法人税をはじめとする税率は低く抑えられ、その恩恵にあずかれなかった層が、「サブプライムローン」の対象者だった。

これから先、注目すべきことは、トランプさんがどのような経済対策を打ち出すのか?という点だろう。
「リーマンショック」を教訓に、素早い対応をしないと「リーマンショックの再来」となってしまう可能性もある。
「リーマンショック」が起きた時、米国では保険最大手であるAIGや政府系住宅金融会社に対して、税を投入し批判を買った。
同じようなコトを2度するということを、米国民が納得するのか?

この記事は、「小さなほころびを放置すると、大きな痛手を負う」ということを、警告しているように思えるのだ。