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「トリニトロン」の再来となるか?ソニーの4K有機ELテレビ

2017-06-08 20:08:15 | CMウォッチ

今週に入ってから、ソニーの新型テレビの広告がYahoo!のトップページに表示されるようになった。
ソニー:4K有機ELテレビ

4Kテレビが市場に登場して、3年くらいになるのだろうか?
メーカー側の期待に反して(?)4Kテレビそのものは爆発的な売れ行きとはなっていないようだ。
実際家電量販店の売り場を見ても、4Kテレビを見ている人はいても、実際購入という場面になると4Kではないテレビを選んでいるようだ。
やはり、まだまだ高価だと感じている生活者が多い、ということだろうか?
4Kが登場する前に話題になった3Dテレビは、確かに話題にはなったが売り上げには結びつかなかった。
結局今年1月で、すべての家電メーカーは3Dテレビから撤退をしている。

その3Dに代わる新しいテレビが、4Kだ。
現在の状況は、上述した通り「売り場で見ている人はいても、売り上げについては???」という、状況のように思える。
Wikipediaによると、放送方式が統一化されていないらしく、方式が統一されるまで普及は難しいのかもしれない。Wikipedia:4K解像度
過去にはβ VS VHSというビデオ録画形式による市場競争があったことを考えれば、普及と共にどちらかが自然淘汰されていくのかもしれないが、生活者側としては「静観状態」なのかもしれない。

そのような状況の中で、ソニーが4K+有機EL画面のテレビを発売した。
これまで有機ELそのものが、高価すぎて大画面テレビを作るとなると価格的に市場に出せない、と言われていたように思うのだが、技術的日進月歩のおかげか?今回ソニーが発表した4K有機ELテレビの価格は、驚くほどではない。
と言っても、もちろん高額なテレビであるコトには違いないのだが・・・。
ただこのCMを見ていると、ソニーの本気度というか1960年代後半に発売した「トリニトロン」を思い出したのだ。
「トリニトロン」テレビの登場によって、ソニーは「映像のソニー」という、社会的イメージを作ることができた。
もちろん「トリニトロン」のCMそのものも印象的で、イメージ作りに貢献したはずだ。
Youtube:なつかしのCM「ソニー トリニトロンカラーテレビ」

CMの表現方法は全く違うのだが、「映像の美しさやきめ細やかさ」という点では、「トリニトロン」と同じだろう。
ソニーの持つ高い映像技術というアピールが、しっかりと伝わってくる内容のCMだ。
それだけではなく、久しぶりに「デザインのソニー」と言われていた頃を思い出させる、シンプルな中にもデザイン性を感じさせる。
極力余分なモノを排除し、生活者が「テレビを見る」ということに専念できるようなデザインだ。

Yahoo!のトピックスを見ていたら、大手企業のボーナス支給日が今日だったようだ。
「なかなか手が届かない」と思っていた、4Kテレビを購入する切っ掛けとなるのだろうか?