日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

人の手からAIにとって代わられる、というのは本当か?

2017-06-05 11:08:48 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに「数年以内に、レジ打ちという仕事が無くなる」というタイトルの記事が掲載されている。
BEST TIMES:「数年以内に、レジ打ちという仕事が無くなる」赤羽雄二氏に聞く
元となっている記事は、何回かに分けて掲載をされているようなので、全体の記事を読む必要はあると思うのだが、本当に「レジ打ちという仕事が無くなるのか?」という点で、やや疑問を感じたのだ。

我が家の近所のスーパーでも、「セルフレジ」を設置してある所がある。
日曜日の夕方ともなれば、人がレジ打ちをする列よりも、セルフレジのほうが長い行列になっていることもしばしばだ。
その点で考えれば、「レジ打ち」という仕事は無くなる傾向にあるのだな、と感じる。
だが、すべてのレジがセルフレジになることはないのでは?と、感じてもいる。
何故なら、「セルフレジが苦手」という人や「支払い時に(機械に)せかされるようで嫌」という、生活者は一定数いると思うからだ。

実際、セルフレジの支払い時に戸惑いながら、係員を呼んで支払いをされる方はいらっしゃる。
そして戸惑いながら支払う人の姿を見て、苛立つオーラを出している人もいる。
このような「苛立ち感」を戸惑いながら支払う人が感じると、「次回からは人がいるレジを利用したい」という気持ちになってしまうのではないか?と、考えるからだ。

「クレジットカードや電子マネーで支払えば、そんなに戸惑うことも無い」と思う方もいらっしゃるだろう。
確かにクレジットカードや電子マネーの利用者は増えているし、少額でも利用する人も多くなってきている。
それでも、今だに現金で支払う人は多い。
イオンが積極的に展開をしている「WAON」も、当初は電子マネーだけだったが、今では現金支払いでもポイントが付くタイプも展開をしている。
言い換えれば、現金支払いの顧客の存在が意外にも多い、ということだと思う。

レジに限らず、人の心の内には「人と接したい」という気持ちがある。
コールセンターなどでも、自動音声のガイダンスでは不安を感じる、という方は案外多いのではないか?
それは年齢とは関係なく、人としての当たり前の気持ちなのだと思う。
AIという情報技術は、重労働から人を開放させてくれるかもしれない。
しかし、「人と接したい」とか「人の目・手で確認をする細やかさ」には、AIでも勝てない部分だと思う。
むしろそのような部分に関しては、いくらAIが進歩したとしても、人には追い付けないのではないだろうか?