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勝利至上主義が体罰を招く?

2013-01-24 19:43:40 | スポーツ
大阪市立桜宮高校の生徒の自殺に端を発した「体罰」の問題。
受験シーズンと重なったため、毎日の様にニュースなどで取り上げられている。
週刊誌などでは「体罰」の問題よりも、入試を取りやめにした大阪市長の橋下さんへの批判も目立つようだが、一般的な公立高校の入試が2月下旬~3月上旬というコトを考えれば、この時期に判断をしないと難しいと思う。

それよりもビックリしたのは、ネットでこの報道をと検索をすと高校の部活などで起こったニュースが数多く関連ニュースとしてヒットする点だ。
それだけでは無く、当事者である生徒は傷ついているにも関わらず、周囲は「熱血教師」と思っているコトだ。
その裏にあるのは、どうやら「勝つためには仕方が無い=勝利至上主義」という感覚がある様に思う。

私自身はスポーツの才は無いに等しく、学生時代でもスポーツとは無縁だった。
スポーツ観戦そのものは、決して嫌いでは無いと思っている。
ただその観戦しているスポーツに「勝利至上主義」的な雰囲気を感じると、とたんに興味が薄れてしまう。
日本代表戦のような試合はともかく、プロスポーツであっても「スポーツをする」と言うコトよりも先に「勝つことが最優先」という雰囲気があると、ゲームそのものに面白さが感じられなくなってしまう。
その理由は、サッカーなどの場合はラフプレーが多くなり、ゲームの流れそのものが停滞してしまうからだ。

高校生の大会などは、トーナメント戦が多いコトもあり「試合に勝たなければ、次が無い」と言う気持ちになってしまい易いのかも知れない。
そのため「手荒い指導」と言う名の「体罰」が、横行しやすくなってしまうのだろう。
しかしその「勝利至上主義」を期待しているのは、案外生徒では無く親御さんをはじめとする周囲なのではないだろうか?
違う見方をすると「練習を一生懸命頑張ったのだから、勝たせてやりたい」という気持ちが、何時しか「勝つことが大事」に変化をし、「勝つためには手荒い指導も必要」という思考になっていってしまった結果が「体罰容認」というコトになっているような気がするのだ。

そもそも自殺をした生徒が在籍をしていた体育科という科は、将来体育教師などになりたい生徒が集まっているのだろうか?
それとも、ある特定のスポーツに秀でた才能がある生徒達が集まり、将来プロを目指す科なのだろうか?
もし、体育教師を目指すのであれば、その担当教師はもっと論理的な指導法を学んでいる必要があると思う。
なぜなら、将来の教師を育てているのだから。
プロを目指すのであれば、それこそスポーツ大国と呼ばれる米国のトレーニングメソッドを習得している必要があるだろう。
なぜなら今のスポーツ選手は、海外移籍などが当たり前になりつつあるからだ。

安易な「勝利至上主義」は、日本のスポーツにとってマイナスのような気がするのだ。