日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本発のラグジュアリー・ブランドを

2013-01-16 18:54:59 | アラカルト
先の連休中、実は「大腸炎」で七転八倒していた。
出かける予定を取りやめ、自宅で静かに過ごすコトになり、年末に買って読みかけていた本を読むコトにし、静かに過ごした。

本を読みながら考えていたコトは、「海外のラグジュアリー・ブランド」は、何故高価なのに買いたい!と言う気が起きるのか?と言うコトだった。
「ラグジュアリー」と呼ばれるのだから、購入する側は最初から「高価である」と思っているし、「高価だから買う」というトコロもある。
ヴィトンやシャネル、エルメスがユニクロプライスでは、いくらデザインが良くても「買いたい!」と言う気が起きるだろうか?と、考えていたのだ。
日本ではミーハーというか、メディアに影響されて購入したい!と言う人も少なからずいるのだろうけれど、ラグジュアリー・ブランドの本家・フランスではどうなのか?と、考えてみると、「時間をかけた手仕事」に対して、高い価値を見いだしているのでは?と、思ったのだ。

翻って日本はどうなのだろう?
高度成長期以来、「大量生産・大量消費」で進んできた経済。
その「大量生産」という発想の中には、「時間をかけずに、安価に製品を提供する」という、考えも含まれていたはずだ。
だからこそ「時間や手間が掛かるモノ・コト」に対して、振り向きもせずに邁進してきたのだと思う。
その結果が、工業製品以外の国産製品の衰退というコトが、あったのではないだろうか?
でも、それはもしかしたら「日本のラグジュアリー・ブランド」として、世界に発信できる力のあるモノなのでは?と言う気がしてきたのだ。

欧米の価値観に照らしてみて、日本には「ラグジュアリー=贅沢」と感じる工芸品や服飾、ライフスタイルが沢山あると思う。
「ラグジュアリー」と言うと、友禅などの着物のようなものを思い浮かべるかも知れないが、友禅のようなものだけでは無く、青森の刺し子なども時間と手間をかけ作られた芸術品に近いモノがあると思う。
その芸術品が「実用品として使われている」と言う点が、海外のラグジュアリー・ブランドと大きく違うトコロだと思う。
大館の曲げわっぱにしても、美しい秋田杉の木肌を活かしながらも実用性に富むデザインだと思う。
言うなれば「日本のラグジュアリー・ブランド」の大切な要素は、「暮らしの中にある」と言うコトなのではないだろうか?

折しも、このお正月ネット上で「(綿入れ)半纏」が、海外で話題になっていた。
海外の人達から見ると、「(綿入れ)半纏」は、「格好良くてエコファッション」というコトになるらしい。
欧米のようなきらびやかなイメージだけが、贅沢なモノ・コトではない。
日本には「人を思いながら丁寧に時間と手間を惜しまずにモノを作る」と言う文化があった。
それが今海外で注目され始めている。
マンガやゲームだけではない、日本の生活の中のラグジュアリー文化も積極的に発信する時機になのではないだろうか?