日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

東大脳を目指すのではなく・・・

2013-01-18 18:36:08 | 徒然
明日から「センター試験」が始まる。
この試験を皮切りに、いよいよ大学入試がスタートする。
今週初め、朝日新聞に「東大脳の限界」という内容の記事が、掲載されていた。
記事を書いていらっしゃったのは、東大出身の記者さん。
その記事を読みながら、ある種の日本の行き詰まりの理由の一つが、判ったような気がした。

その理由とは・・・。
日本の大学の頂点と言われる東大。
その東大に合格する為に必要な「力」とは、5教科7科目まんべんなく暗記をするコト。
そして、その暗記した内容を素早く取り出せるコト。
難しい問題は、最初から諦め時間配分を考え数多く回答する・・・と言うコトらしい。

なるほど!と感じたのは「難しい問題は最初から諦める」というコト。
官僚の皆さんをはじめ、東大出身の政治家の皆さんが「難しい問題を先送りにする」と言うのは、大学受験で身につけた受験術のようだ。
昨今起きている国内外の問題を解決する為には、暗記力重視の「力」では余り役立たない。
なぜなら、過去と現在、未来をあわせて考え自己益では無くグローバルな視点で、回答の無い問題を解決する為に自分で回答を作っていく必要があるからだ。

この記事を書いた記者さんは新人の頃、記事を書くために過去の記事をチェックしていたら、先輩記者に怒られたそうだ。
以前、元経産相の官僚で現在「大阪府市統合本部」の特別顧問をされている、古賀茂明さんが雑誌のインタビューで「東大→官僚になった人は過去問には強いけれど、新しいコトを考えたりするのは苦手」と話していたが、どうやらそれは古賀さんだけが感じているコトではなかった様だ。

その後、この記者さんは米国の大学へ留学するのだが、周囲のパリ大出身などの留学生に圧倒され、ご自分の限界というものを感じられたそうだ。
とても東大に合格できるような頭脳の持ち主では無い私が、この様なコトを書くコト自体不遜なコトだと思うのだが、東大自体がもっと海外のトップレベルの大学と肩を並べるような大学にならないと、今の日本の問題はなかなか解決できないのでは?と言う気がしたのだ。
海外のトップレベルの大学の学力とは、少なくとも「暗記力=学力」という力では無い。

以前、東大の秋入学が話題になったが秋入学を実施しても、海外からの留学生がいなければ余り意味が無いだろう。
海外から留学生が押し寄せる程の魅力が、今の東大にあるのだろうか?
「グローバル」を目指すのであれば、入学時期ではなく大学を頂点とした日本の入試そのものを作り替えなくては難しいのかも知れない。
そして、明日から始まるセンター試験を受験する生徒達には「暗記力=学力」では無い、と思って欲しい。
「世界は広い。東大だけが大学の頂点では無い」そんな気持ちを持って、受験して欲しい。