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YMO、ユーミン・・・次は誰?-キリンラガーCM-

2007-08-08 20:44:18 | CMウォッチ
キリンラガーのテレビCMが、変わった。
YMOからユーミンこと、松任谷由実に代わったのだ。
YMOは「ライディーン」1曲だったのだが、さすがにヒット曲の多いユーミン。
「卒業写真」と「あの日に帰りたい」の2曲が使われている。

このキリンラガーのCMを見ていると、ターゲットとなる世代が良く分かる。
団塊の世代よりも若干若い、40代~50代前半をメインにしているのだろう。
何を隠そう、YMOがアメリカ進出をしたとき高校生だった私にとって、YMOというテクノポップ・グループは、ある時代を一緒に過ごした感覚がある。
実際YMOの登場によって、ブリティッシュロックは一気にテクノサウンド中心となっていく。
それが80年代初めの「ブリティッシュ・イノベーション」として、アメリカのポップ・ロック音楽マーケットを席捲していくのだ。

対して、ユーミンのデビューはYMOよりも少し早い。
当時は、荒井由実、吉田美奈子、大貫妙子など女性シンガーソングライターが、台頭し始めた頃だった。
その中でも荒井由実は、当時流行していたフォークソングなどとは違い、どこかおしゃれで、ハイセンスな感じがあり多くのファンをつかんだ。
以来、日本のポップ音楽の第一線で活躍しつづけてきた、といって良いだろう。

実はユーミンの楽曲、特に歌詞については「トレンドを作り出すリサーチ」が、徹底的にされてきたといわれている。
それは、彼女がもっているFM・AMラジオ番組のリスナーからの手紙などから、徹底的に分析され、歌詞に反映されていたとも言われていた。
その力が十二分に発揮されたのは80年代~90年代だった。
とにかくユーミンの作り出す「音楽ワールド」が、その時々のトレンドを生み出していった、といっても過言ではないだろう。
その例が、スキーであり、80年代のラグビー(観戦)ブームだったように思う。
だからこそ、その頃20代だった多くの人たちにとっては「ユーミン=青春」という構図があり、ユーミンの曲を聴くと、その時代へと戻ってしまうのだ。

本来なら、キリンラガーというビールのファンを拡大させるために、若年層を狙う必要もあるのだろう。
しかし、あえて現在の40代~50代前半に持ってきているのは、キリンラガーというビールが、初めてのビールだった世代だからだろう。
経済的ゆとりがある程度見込める反面、安い発泡酒や第3のビールへと流れていってしまっている、という現実を踏まえ「呼び戻す」という狙いもあるだろう。
だからこそ「ラガーは変わるな」というキャッチコピーが、効いてくるのである。

さて、ユーミンの登場によって、次に起用されるミュージシャンも気になるところだ。
山下達郎?大滝詠一?はたまた竹内まりあ?
デビュー当時から音楽テイストが「変わらない」ミュージシャンばかりなのだが・・・。