日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「美しい国」の現実

2007-08-29 20:36:25 | 徒然
今日の新聞各紙に、救急車事故:搬送中の妊婦流産 大阪と言う記事が掲載されている。
見出しだけを見ると、救急搬送中に事故にあって流産したように思えるのだが、本当の問題は、事故による流産ではない。
搬送するために、10箇所もの病院に連絡をしたにも関わらず、受け入れをしてくれる病院がなかったことだ。
昨年の今ごろ、同じように緊急を要する妊婦さんが病院をたらい回しにされ、亡くなっている。
これが、今の日本の医療の現実だろう。

このような事件があるたびに、「少子化の陰の要因の一つは、このような現実なのではないか?」と思うことがある。
小児科の減少など子供を育てるための医療環境が、著しく悪くなっているような気がするからだ。
価値観の変化による、出生率の低下ばかりがクローズアップされるが、子供を産み・育てる環境の基本的なコトに不安があれば、価値観にも影響を及ぼすのではないだろうか?
女性雑誌などが取り上げる「セレブ出産・子育て」などではなく、ごく普通の人が安心できる子育て医療環境の充実が急務だと言うことなのだと思う。

もう一つが、先日起こった女性拉致殺害事件だ。
携帯電話の「闇サイト」を使った事件と言うだけではなく、その短絡的な思考が当たり前のようになり始めているような、危機感があるのだ。
それを現実と感じさせるのが、今日の毎日新聞の闇の職安:制限なき犯罪の温床 すぐ返信「女の子襲う」と言う記事だ。
記者自らが、直接アプローチをした記事内容なのだが、「女の子を襲い、金品を奪う」という、メールし仲間を集めるコトに抵抗感がないように感じるのだ。
「倫理観」とか「道徳心」などと言うコトではなく、「人としてやってはいけないこと」と言う当たり前のコトが思考できなくなり、自分のコトだけしか思考しない大人が普通になってきているように感じられるのだ。
もちろん、子供もそのような価値観の社会の中で育ては、同じような価値観を持つだろう。

一体いつから、こんな日本になってしまったのか?
そんな不安とともに「美しい国」の現実に、不安を覚えるのだ。