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「セカンドライフ」ってなんだろう?-3次元仮想世界サービスの目指すモノとは?-

2007-08-03 21:19:53 | アラカルト
日経新聞のWEBサイトに、ディズニーランドにはなれない「セカンドライフ」という記事が掲載されている。
最近頻繁に聞くようになった「セカンドライフ」という言葉だが、私にとっては「???」でしかなかった。
もちろん、ある程度の情報はもっていたつもりなのだが、どうしても興味の対象とはなってこなかったのだ。

この「セカンドライフ」という3次元仮想ネット生活タウンだが、インターネットが普及し始めた頃日本でも経済産業省(当時の経済企画庁)が、同様の構想を持ったいたように記憶している。
といっても当時の内容は、仮想ネットショッピングという「インターネット上にある、百貨店や専門店で、電子マネーを使ってショッピングをする」という、今では当たり前となっているようなコトの実験場だったような記憶があるのだが、世間的に注目される前に「終わってしまった」ような印象があった。
といっても、あくまでも私のおぼろげな記憶の中だけの事なので、本当のところは良く分からないのだが・・・。

今回の「セカンドライフ」は、そんな「ショッピングモール」とはまったく違うようなのだが、イマイチ分からないことが多い。
個人的な印象は「で、何?」という程度。
私自身がオンラインゲームなどをしない(=興味がない)、ということもあるのかも知れないのだが、その魅力がイロイロな情報からまったく伝わってこないのだ。
記事中にもあるように、「○○企業が、セカンドライフに参加」という記事を読んでも、「所詮、企業のネットCMに過ぎないだろう」という程度にしか感じていなかったのだ。

実際、企業CM(商品CMを含む)の多くは、テレビとインターネットが共存しあう状況にある。
テレビCMである程度興味を起こし、続きは「ネットで検索」というパターンだ。
既に、そのような状況の中でテレビCMの延長もしくは発展型CMを「セカンドライフ」という仮想タウンに求めるという生活者は、どれくらいいるのだろうか?

それだけではなく、その仮想タウンで「何をするのか?」という目的(=動機)が、散漫しているようにも思えるのだ。
証券会社なども参加しているようだが、そこで何をするの?という疑問がある。
投資体験などを目的とするのであれば、何も「セカンドライフ」である必要を感じないのだ。

もう一つ感じることは、そのネーミングだ。
「セカンドライフ」発祥のアメリカでは、どう受け止められているのか分からないが、今の日本で「セカンドライフ」といって思い浮かべるのは、「定年退職後の第二の人生」というところなのではないだろうか?
実は、私などは「定年退職者を対象とした、仮想都市ゲーム」程度にしか思っていなかった。

実験的なチャレンジとしては、興味深いトコロかもしれないのだが、それだけで終わってしまいそうな気がしないわけではない。
話題性は十分でも、何をするのか?どんなコトができるのか?それが仮想的世界という「枠」で完結してしまうことに「果たしてどうなの?」という気がする。
インターネットという、双方向の利点を考えるのなら「コミュニケーションツール」としての、広がり感のある「仮想と現実を結ぶ」という視点をもっと考えても良いのではないだろうか?
例え仮想であっても、結局は人が作りだしていくモノなのだから。