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遠くの親戚より・・・-高齢者と地域コミュニティー-

2007-08-26 22:05:50 | 老親介護
今日の毎日新聞のWEBサイトに、中越沖地震:入居2週間「仮設だってご近所さん」と言う記事が掲載されている。
以前、新潟を襲った「中越地震」や12年前の「阪神淡路大震災」などでは、高齢者の孤独死が問題になった。
その反省から、「仮設住宅であっても地域コミュニティーを作る」というコトに、配慮をした仮設住宅入居がされているようだ。

この「地域コミュニティー」と言う考えは、老親介護でも必要なのではないだろうか?と考えている。
と言うのも、昨年母が亡くなり、高齢の父がひとり田舎で生活をしていると言う状況が、我が家でもあるからだ。
一昔前なら、独身でもある娘(=私)が実家に戻り、父の面倒を看ると言うのが当たり前だっただろう。
実際、今でも周囲からは「実家に戻って、お父さんと生活をされたら?お父さんが、寂しがっていらっしゃるわよ」と、言われることもしばしばある。
しかし、私には私の生活と言うモノがあり、簡単に実家に戻ると言うことができない。
まず第一に、生活基盤である仕事をどうするのか?と言う問題がある。
「実家に戻ったら?」と言われる方は、私の仕事や生活基盤というコトよりも、「高齢の父がひとりで可哀想」と言う点でしか、みていないように感じるのだ。
「突然倒れて誰に見取られることもなく、孤独死を迎えたらどうするのだ!」と言う意見もある。
だからこそ、どうすれば高齢者の父がひとりで快適に生活をし、もし万が一のサポートを考えなくてはいけない、と常々考えている。

そこで考えついたのが、「地域コミュニティーの力」だった。
田舎と言うこともアリ、ご近所の付き合いはそれなりにある。
何よりも、町内の敬老会の人たちとは、毎日どこかのお宅で「お茶飲み会」が行われているようだ。
とにかく敬老会やご近所の方々とは、毎日のように父の姿を見てもらうコトが、万が一の時にプラスになると思い、ご近所付き合いのキッカケ作りが必要と考えたのが、毎月お菓子や旬の果物などを送ることだった。
もちろん、母の月命日のお供えを送るという目的もある。
その効果と言うわけではないのだが、お盆で実家に帰ったときご近所の方々からは「お父さん、元気ですよ」とか「心配されることありませんよ」と言う言葉とともに、普段の様子を知ることができた。

「遠くの親戚より近所の知り合い」とは、正にこのことなのだ。
ところが周囲に聞くと、このような発想は女性にはあるようなのだが男性からは余り聞かれない。
男性の場合「身内で問題解決」と言う思考が、強いような気がする。
それには「迷惑をかける」と言うことがあるようなのだが、「迷惑をかける」と言うのは、それこそ死後何日も経ってから孤独死として発見されることなのではないだろうか?
地域のコミュニティーでの生活は、生活価値観の違う子供やお嫁さんとの生活よりも快適なのではないだろうか?
言い訳かも知れないが、もっと地域のコミュニティーの力を信じ、上手に使うコトを考えることも「老親介護」としては、必要なのではないだろうか?