はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

王女セセラク

2006年06月23日 | ほん
 テナーは思った。
 人びとは王女の顔さえ見ていないのに、その姿を見ただけで、もうあの娘と恋に落ちてしまった。さあ、坊や、どうします?

 第5巻「アースシーの風」ではゲドはなんの活躍もしない。すでにゲドは第3巻において「人生最大の仕事」をなし終えてしまったから。
 今度はテナーが旅に出て「人生最後の仕事」をなす番である。ゲドには「魔法の力」があったが平凡な農婦として生きたテナーにはそんな力はない。彼女は人間がふつうにもつ力を駆使して「なすべきこと」をおこなう。
 テナーは言葉と思いやりと勇気をもって前進せよ、と若い王や娘たちの硬い心をほぐし、励ます。魔法よりもずっとつよくたしかなものを持っている。
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