中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

アンドレはシェークスピアを読んでいたか?

2006年04月21日 | 紹介
 宝塚雪組公演「ベルサイユのバラ」を見てきた。
 昔むか~し、ヅカ・ファンに連れられて見に行ったのが、やはりこの「ベルばら」だったので、何かとご縁があったのでしょう。

 で、今回見ていてちょっと驚いた台詞。
 貴族オスカルをひそかに愛する平民アンドレが、どうせ結ばれない自分たち、他の男に取られてしまうくらいなら、彼女を殺して自分も死のうと決意。ワインに毒を入れて飲ませようとする直前に、こう訊く、

 「オスカル、今夜の祈りはすませたか」

 愛していなくては言えない台詞だ。死後、ちゃんと天国へ旅立ってほしいので、祈りをすませていてほしかったのである。

 実は同じ台詞は「オセロ」にある。
 嫉妬に狂って、もう妻デズデモーナを殺すしかないとまで追いつめられたオセロが、ベッドで彼女の首を絞める前に、こう訊いたのだった。
 
 だからアンドレは、もしやシェークスピアを読んでいたのかなあ、と・・・

 キリスト教徒はきちんと最後の祈りを終えてあの世へ旅立ちたいわけだが、それで思い出したこと。

 我が友人A子さんが、かつて不倫をしていた。キリスト者のB子さんに相談して、「早く別れなさい」と言われ続けていた。ある日、A子さんは体調不良で「癌かもしれない」と、半分ふざけてB子さんに言うと、彼女はまじめな顔で、

 「絶対にいま死んではいけない。いま死んだら天国へ行けない。彼と別れてから死になさい」

 と言われてしまった由。
 そうかあ、不倫て地獄行きなんだ。怖いですね・・・
 その忠告のおかげでは全然ないのだが、A子さんの恋はもう終わっています。めでたし、めでたし???

 
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2 コメント

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お祈り (ゆうひ)
2006-04-22 00:09:48
敬虔なクリスチャンにとって、お祈りは

日常の当たり前の習慣なんでしょうね。

人生の最期を迎えるにあたり、お祈りは

当然のことなのかもしれませんね。

とあるイスラム教の方も、ある時間になると、

とある方向を向いてお祈りしますもんね。

不真面目なイスラム教の方は、毎回は

していなかったけれど・・・。



不倫は地獄行きで思い出しましたが、ついこの間

まで日経新聞で連載していた小説。不倫もので、

タイトルは「愛の流刑地」でしたよね。

なんか、あまりにも男の考え主体の小説で、

好きになれませんでしたが。。
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Unknown (ゆうひさんへ(kyoko))
2006-04-22 09:15:26
実は「ベルばら」を見ていたとき、わたしの斜め後ろに座っておられたのが、その不倫小説の原作者のお方でした!こんなの見るんだ、と驚いたけど、取材だったのかも。
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