中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

カリブの海賊と女ガンマン(世界史レッスン第84回)

2007年10月16日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第84回目の今日は、「パイレーツ・オブ・カリビアンーー女性版」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2007/10/post_79cd.html
 カリブの海賊だったふたりの女性、アン・ボニーとメアリ・リードについて書きました。

 彼女たちが「伝説の女海賊」と呼ばれるようになったのは、皮肉にも逮捕されたからであり、しかもそのとき妊娠していたからだ! そうでなければ女性ということがわからないまま、歴史に埋もれてしまっていただろう。

 ということは、あんがい海賊船には男装の女性が多くいたかもしれない。船長にだってなっていたかもしれない(そう考えたらちょっと楽しい)。

 時代は150年ほど後になるが、男の世界だったアメリカ西部においてさえ、有名な女ガンマンがけっこういた。

 「女青髭」と異名をとった(夫を5人も殺している)博労サリー・スカル(彼女についてはいつか世界史レッスンで取り上げたい)、夫の処刑を阻止するため武装団を率いたマリア・スレード、家畜泥棒団の頭領ベル・スター、そして「スペードのクィーン」ことカラミティ・ジェーンなど。

 カラミティ・ジェーンは写真が残っている。テンガロン・ハットをかぶって馬にまたがっていたり、大きな銃を持っていたりする写真だ。存外、平凡な顔をしているが、手の小ささにはっとする。やはり女性なのだなあ、と。。。

☆「怖い絵」、おかげさまで3刷りになりました。ありがとうございます♪
☆☆「エクラ」の他、「婦人公論」「ミセス」などの11月号に書評がのりました♪
☆☆☆日経新聞夕刊(10月17日)にも井上章一氏による書評がのりました。るんるん♪

怖い絵
怖い絵
posted with amazlet on 07.07.14
中野京子 朝日出版社 (2007/07/18)


☆マリーもお忘れなく!(ツヴァイク「マリー・アントワネット」(角川文庫、中野京子訳)

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4 コメント

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海賊との恋 (パセリ)
2007-10-16 11:21:52
 まず、3刷、おめでとうございます~♪

 海賊といえば、『レベッカ』の作者、デュ・モーリアの『燃える海』を思いだします。
 都会の社交界から逃れ、コンウォールの田舎で暮らす人妻が、フランスの海賊と恋をする話。
 最後は、たしか彼女も男装して活躍したと思ったんだけど、大好きなメロドラマです。
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Unknown (パセリさんへ(kyoko))
2007-10-16 11:37:44
 うふふ。ありがとうございます♪
 デュ・モーリア、わたしも好きで短編集はずいぶん読みましたが(最近、また創元文庫で出ましたね)、『燃える海』は知りませんでした。さっそくアマゾンで調べると、絶版。む、無念・・・
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カラミティ・ジェーンといえば (真奈美)
2007-10-17 19:07:33
ミュージカル映画もありましたね。
 私は、ドイツで読んだ(でもフランス産?)のマンガ『ラッキー・ルーク』のゲストキャラとして知りました。日本のマンガで登場してもいいのに、と私の発想は、面白い話を文学・歴史で見つけるといつもこの方向へ行きます。
 売れ行き好調おめでとうございます。
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Unknown (真奈美さんへ(kyoko))
2007-10-17 21:04:53
 その映画、見てないんですよ。思うに西部劇は苦手分野かも。真奈美さんはごらんになりましたか?
 そういえばマンガで西部劇もあまりないような気が・・・埃っぽいし、女性の衣装が地味だから?
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