~ 恩師の「心行の解説」下巻より ~
講演 十五
先の続き・・・
こうなれば八正道の名を騙って多くの
人々をだます結果となります。
正法を学ぶ者は「八正道」を実践してこそ
苦しみから救われると
お釈迦様は説いておられます。
事実無根のことを確認もしないで言ったり
書いたりしたら、
お釈迦様の教えから失格ということです。
真実に即していない言葉は使ってはいけません。
真実に即さない明確でない言葉を使うことは
一般的な言い方をすれば
「嘘つき」であり、悪いことです。
第二は「転倒」を離れることです。
人間は「常転倒」していますが、
この世にあるもので常にあるものは何ものも
なく、すべては移ろい変わっているということです。
赤ちゃんは何年か経てば成長し、一人前になり、
年老いてやがて死んでいきます。
花も、種を播き芽が出て成長して花が咲きますが、
時間が経てば消えていきます。
移ろい変わりゆくものが、
いつまでもあると錯覚を起こしていますが、
その先には必ず死がやってきます。
これは厳粛なる事実です。
自分はいつまでも生きられるのだと錯覚を起こして、
よその方が亡くなられると、
「気の毒にねえ、まだ若いのに」と、
人ごとのように言っていますが、
これはやがて必ず来る自分のことです。
これを常にあるものと転倒するのが私たちです。