経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

知財信託・その後

2008-02-16 | 知的財産と金融
 以前に日経金融のJDC信託に関する記事について書きましたが、昨日そのJDC信託の四半期決算で大幅な下方修正が発表されました。売上が計画の約半分(17億円→8.8億円)になり、最終損益は大幅赤字に下振れ(3億円→▲9.2億円)、四半期決算の財務諸表を見ても現預金や有価証券の残高が大きく減っていますから、これは相当大変な状況のようです。修正の理由をみると「サブプライムローン問題に端を発する金融市場の縮小傾向や投資マインドの冷え込みによる影響」で「平成19年10月以降新規の信託案件を立ち上げる目処が立たない状況」という、何とも深刻なコメントが掲載されています。
 それにしても、サブプライムローンは不動産の問題ですから、同社のターゲットである映画・アニメ業界とは直接関係ありません。財産の運用を委ねることを主目的とする信託であれば、サブプライムローンは理由にはならないはずです。ところが、サブプライムローンに関する問題が影響しているということは、映画やアニメの信託は資金調達=証券化が主目的ということなのでしょう。その場合は、投資家が証券化市場から手を引いてしまえば、確かに大きな影響を受けることになるはずです。
 一見華やに見えそうな知財ビジネスも、収益に結び付けるのは本当に大変なようです。JDC信託はドバイに投資するファンドなど、最近は知財以外の分野に力を入れ始めているようであり、今後は業態転換が進んでいくのかもしれません。


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