経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

知財から企業を見るか・企業の中の知財を見るか

2007-10-04 | 新聞・雑誌記事を読む
 商工中金が知財に着目した融資に力を入れているようです。本日の日経金融新聞によると、横浜市、堺市と提携した低利融資制度を開始したとのこと。前者は横浜市の「横浜価値組企業」認定(特許権等から認定するとのことですが、今の社会のトレンドの中で「カチグミ」はちょっとセンスが?と思いますが・・・)上位ランク企業を対象に、後者は堺市が事業性の優位性を評価したした企業を対象に、低利融資を行うとのことです。
 この記事から詳細はわかりませんが、たしかにこれまで金融機関の融資では「知財」というものを殆ど見てこなかったので、これに注目しようという傾向は大いに歓迎すべきことだと思うのですが、
 知財から企業を見るか(インサイド・アウト)
 企業の中の知財を見るか(アウトサイド・イン)
いずれのスタンスでアプローチするかということも重要なのではないかと思います。知財は企業を構成する一要素であり、どんなに優れた知財があっても、その他の部分に大きな懸念があれば融資債務の確実な償還という目的に対して懸念が生じるわけですから、当然ながら原則は「アウトサイド・イン」(=企業の優位性が知的財産権によってどのように保護されているか)ということになると思います。

投融資実務の決め手「知的財産」の分析手法
土生 哲也
中央経済社

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