きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

重要会議「3中総会」が始まった。

2013-11-10 12:07:56 | Weblog
重要会議「3中総会」が始まった。       (2013-11.10.)

5年に1度開かれる中国共産党大会のあと、3回目に開かれる中央委員会総会の略で、1回目と2回目の総会は、人事案が議題の中心で、今回の3回目(3中総会)が、中長期的な政策を決める重要な会議である。従って、「3中総会」はこれまで、中国の大きな転換点となって来たのである。

1978年、トウ小平氏が「改革・開放路線」を決めたほか、1993年は、江沢民氏が「社会主義市場経済の定義」を打ち出している。今回は、習近平体制が発足して初めての「3中総会」で、どの様な方針を打ち出すのか注目されるところである。

従って、この時期を狙った、と見られる先日の「天安門車炎上事件」や「太原での爆発事件」を受け、周囲を多くの警察が警戒に当たっている。北京市は街の至る所で公安当局が警官を配置し北京ナンバー以外は停車させ身分証の検閲や車内を点検するなど厳しい検問が行われている。

事件の根底にある原因は、高級官僚の汚職腐敗、貧富格差の拡大と言った社会に対する不満によるものと見られ「社会への報復」だと伝えられている。

市民からの陳情を受け付ける「国家信訪局」の前には長蛇の列が出来ていると言う事である。
陳情者の陳情は「政府が強制収用した土地の補償がない」とか「不当な判決で相手にしてくれない」とかである。また、陳情の常連は地方の公安局にマークされ北京に来るのもままならず、宿泊施設を使わず、見つかるのを恐れて野宿する人も多いと聞く。

一方9日から始まった「3中総会」に付いてマスコミの報道では、習近平主席と李克強首相の立場は、観測が交錯しており、水と油の関係の様だと言われている。

習主席は一党独裁体制の強化を最優先にした考えで、「国有経済の増強」優先を主張、李首相は政府統制を「縮小・撤廃」を通じ、民営経済の振興を目指している。従って、会議の閉幕までに発表される総合コミュニケは双方の主張を盛り込んだ“玉虫色”の内容になりそうだと読んでいる。

習総書記は今回の3中総会に意気込む姿勢は「改革を全面に深化させる」と意気込んでいるが、既得権益層の反発も彼の予想以上に強く、国民の不満の温床となっている格差や腐敗の問題に何処まで対処できるか、今後を占う試金石になるのではないかと思われる。
(えびなたろう)